繰り上げ返済はそもそもするべき??その効果は? Vol.1

2020/01/31

比較

不動産をローンで購入した場合に、自宅であれ投資であれローン中に余剰資金を繰上げ返済したいと考える事があると思います。

 

 

この繰り上げ返済にはどれほどの効果があるのでしょうか。

 

また、繰り上げ返済をした方が良いケースと、そうでないケースはどう判断すればよいのでしょうか。

 

 

 

今回は繰り上げ返済について、2回に分けてご説明していきたいと思います。

 

 
┃必ずしも繰上返済が正しいとは限らない

 

支払い金利を抑える効果のある繰り上げ返済ですが、必ずしも返済するのが正しいとは限りません。

 

それは一体どういうことなのでしょうか?

 

 

 

返済して金利を抑えられるはずなのに、返済して損をすることがあるの?と疑問に思われると思いますが、実は損をすることもあるのです。

 

 

 

まず、自宅の場合ですが、二つのケースがあります。

 

一つ目は自宅を購入して、住宅ローン控除を受けている場合です。

 

現在は購入してから10年間に渡って住宅ローン控除が受けられます。

 

この場合に、借り入れ金利が0.5%の変動金利で年末のローン残高が4,000万円あったとすると、残高に対して1%で40万円が控除され所得税から還付される事があります。

 

そうなると0.5%の金利で4000万円のローンなら、年間金利を20万円しか支払っていないのに、税金は40万円返ってくるので返済してしまわない方が得することになります。

 

 

 

また住宅ローン控除がなかったとしても、たった0.5%の金利しか支払わないのであれば、0.6%以上の利率で運用できるのであれば、返済することで抑えられる金利よりも運用して得られる利益の方が大きくなるので、繰り上げ返済するよりもお金を運用する方が金銭的に得をします。

 

 

 

この二点の理由が成立している時は繰り上げ返済をしても払うだけ損をしていることになるのです。

 

 
┃確定申告で金利を計上できる?!

 

これが不動産投資の場合では、支払い金利の計上が申告上経費になり、不動産赤字所得に繋がっている場合節税効果が金利の計上により得られていることがあります。

 

家賃収入の課税を抑えたり、節税効果に繋がる申告上の金利は、繰り上げ返済をして利払いが下がるとかえって節税効果を失ったり、効果が下がったり、運用が黒字転換して納税になる事で収支上不利に働く可能性があります。

 

 

 

繰り上げ返済は低金利で借りた資金で運用がきちんと回っており、利益がとれているのであればあえて繰り上げ返済をする必要性がないという事も可能性としてある為、総合的に見て繰上げが得であるかそうでないかを判断することが重要になります。

 

 

 

繰上げ返済のセオリーとしては借り入れ金利が高い物件から返済をしていくのが通常です。

 

更に完済しやすい借り入れ金額が小さい物件から集中的に返済し、完済された物件を徐々に増やしていくのが返済計画としては良いでしょう。

 

 
┃繰上返済の方法が二通りある?

 

更に繰り上げ返済は、金融機関によって多少ルールは違うのですが、期間を圧縮するタイプの繰り上げ返済と月々の支払金額を減らして返済を軽くしていく方法との二通りの返済が大抵の金融機関では選択できます。

 

 

 

厳密にいえば期間短縮の方が金利の利払いは若干ですが小さくなり、金利を抑えられます。

 

しかし、返済を圧縮しておけば月々プラスの収支で回ることにもなり、将来的な金利上昇のリスクの対応や、設備の故障、交換などの運用コストを家賃収入の余りで補填できるなどのメリットもある為、返済の仕方は人によって考え方が違うという事になります。

 

 

 

早期に完済することが目的であれば、期間を圧縮する方が良いと思いますが、キャッシュフローを早期に形成していきたいのであれば、月々の返済を減らすタイプがおすすめです。

 

 

 

繰り上げ返済によってどんな効果が得られるか、また、そもそも繰り上げ返済をするべきなのかどうかは、皆さんの組まれたローンの期間や金利、繰り上げ返済手数料などの条件により効果が異なりますので、購入される前にある程度想定して検証しておくのが良いでしょう。

 

 

 

次回は繰り上げ返済により金利の利払いがどれほど変わるのかを数字で検証したものをご紹介してみようと思います。

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現在の会社に入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。

現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

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