建物を持つ際の地震リスクについての考察 Vol.1<地盤>

2020/07/18

リスク

地震については建物を所有する場合は一定のリスクがつきまといます。

少なくとも日本では地震が来ないという保証のある地域はまずありません。

少ないということはあっても無いとは言い切れないでしょう。

 

東京には1,380万人が生活をしています。

しかし、東京は直下型地震のリスクもありますし、富士山も休火山ですから基本的には噴火する可能性がないわけではありません。

 

そういった意味では、東京は地震のリスクを考えれば安全な都市とはいえないでしょう。

 

しかし現実には東京を生活の拠点とされている方が多いわけですが、地震のリスクを考えた場合、どのような選択肢があるのでしょうか。

リスクをゼロにはできないものの、最小限に抑える考え方はあるはずです。

 

今回は4回にわけて特集してみたいと思います。

 

まず初回にあたる今回は地盤についてです。

 
地盤について 

まず地盤ですが、これは大きく分けて弱い地盤強い地盤とに分かれます。

「弱い地盤」とは建物を建てる際に補強が必要になる地盤です。

田んぼだった、河川だった、だった、沼地だったという場所に家を建てる際は、弱い地盤である可能性が高くなります。

また、火山灰で構成されている地盤はもろくなる可能性があります。
こういった緩い地盤については改善の必要性があり、コンクリートをその地盤の砂に混ぜて流し直すなどの地盤の補強や改善が必要になります。

一軒家を建設する際には当然緩い地盤よりは強い地盤を選んだ方が良いでしょう。

地震などの際には昔田んぼだった所に建物を建てていて、液状化して沈下してしまい、家が傾いてしまうなどの被害が出る事があります。

もともと水分を含んでおり、なおかつ水分を貯めやすい地盤だと液状化した事により建物が傾いたり、損傷を与える可能性が高くなります。

 

「強い地盤」とは密度が高く、長い時間をかけて固く締まった地盤のことをいいます。

場合によっては岩盤なども含み、非常に硬く地震の際も揺れにくいなどの効果があります。

一軒家建設の際もベタ基礎といって直接コンクリートを流し直に家を建てることも可能になります。

 

地盤についてはその評価が地域ごとに分かれますが、おおよその目安ということであれば、東京中の地盤の固さを一覧にした「地盤ランキング」なるものがあります。

 

このデータによると東京の中で地盤が最も固いのは国分寺市86.6点2位西多摩郡瑞穂町86.33点3位小平市86.50点です。

23区の中では練馬区が1位で80.59点、2位が杉並区77.32点、3位が豊島区74.90です。

いずれも東京の皇居から見て西側の高台に位置している地区が多くなります。
逆に点数が悪いのは葛飾区52.51点足立区、台東区、江戸川区、荒川区、墨田区、中央区の準で点数が下がり、最下位は江東区43.82点と続きます。

ご覧いただくと地盤が弱いのはほとんどが東京の皇居から見て東側で、川の多い、または昔川だった、もしくは海が近いもしくは海だった地域だという事がおわかり頂けると思います。

中でも江戸川区や墨田区、中央区、江東区、台東区は海抜も低い地域が多く、水はけの悪さも影響が大きくなる可能性があります。

地域的にはあまり一軒家やアパートの建設には向かないということです。

 

いい地盤ランキングMap

 

いい地盤ランキング1いい地盤ランキング2
東京都区市町村「いい地盤ランキング」より

 

ひと昔前も「西高東低」などといわれ、冬型の気圧配置のような例え方をされてきましたが、東京の不動産相場は西側の方が地盤の固さもあり、海抜も高く住宅を持つ際の人気も高かったのです。

 

ただ、最近は皇居から見て東側のエリアの利便性などが評価され、徐々に人気が出てきて東側の相場がここ10年程上がり続けています。

 

マンションの建設の際は地盤の上にマンションがただ乗っかっているわけではありません。

ここが一軒家とは大きく違います。

地面から更にずっと深いところにある支持層と呼ばれる固い地盤まで必ず杭を打って建物を作ります。よって表面上の地盤が例え液状化によって緩むことがあっても、マンションは固い地盤に打った杭によって支えられていますので、沈んだり傾いたりする可能性は非常に低くなります。

場合によっては50メートル以上も掘って杭を打つこともあります。

こうなるとマンションは地盤を選ばずに建設することが可能になり、もともと地盤の緩い傾向のある東京の東側、城東エリアは地震による液状化や地盤沈下を考えると、構造上マンションの方が安心できるということになります。

 
ご自宅や投資用に不動産を購入する際にはこういった地盤に関するデータや考え方を参考にして購入を検討されるといいと思います。

 

地盤が緩いと地震の「揺れ」そのものにも大きな影響を与えることがあります。

震源から遠いのに震度が大きくなる可能性もあります。

地震のリスクを考える際は固い地盤であることが地震被害のリスクを小さくしてくれるのはほぼ間違いありません。

原則日本の建物は震度7でも倒壊しないことを前提に作られていますので、倒壊するリスクは低いものの、なるべくリスクを小さくしたい方は地盤の堅いエリアを選んでください。

 

 

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現在の会社に入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。

現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

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