副業でもできるアパート経営のメリットとは?運用のポイントと必要経費の種類

2018/06/15

不動産投資

アパート経営を始めとする、不動産投資はサラリーマンには難しいのでは?と考え、敬遠しているという方も多いかもしれません。今回は、不動産投資の中でもアパート経営にスポットを当てて、その概要や注意しておきたいこと、メリット・デメリットについて解説していきたいと思います。

アパート経営とは?

アパート経営とは、自ら所有するアパートの部屋を賃貸に出して、入居者から家賃などの賃料収入を得る不動産投資のひとつです。所有している土地にアパートを建ててアパート経営を行う方法が一般的といえますが、土地を購入してアパートを建てたり、中古物件を購入してアパート経営を始めたりする方法もあります。いずれの方法においても、アパート経営を始めるにあたり、宅地建物取引業免許や宅地建物取引士等の免許や資格を取得する必要はありません。

ビル経営など事務所や店舗などの商業系物件を不動産投資の対象とする場合、賃料収入は高額になる場合もあります。しかし、景気の影響を受けやすいため、安定的な賃料収入を長期間にわたって得ることができない可能性も考慮に入れなければなりません。また首都圏と地方ではニーズに大きな差があると考えられます。

一方、アパート経営など住居系物件を不動産投資の対象とする場合、住居の需要は景気の影響に左右されにくいですし、住まいというニーズは首都圏と地方での差も少ないといえます。また、数年間のスパンで契約するため、頻繁に入居者が入れ替わる可能性も低いといえます。ビル経営と比べると、アパート経営の1部屋あたりの家賃は少額ながら、毎月安定した収入を長期間にわたって得ることができる投資方法であるといえますです。

マンション経営との違いは?

●マンション経営の特徴

アパート経営に類似している不動産投資の方法に、ワンルームマンション投資に代表されるマンション経営があります。マンション経営はアパート経営の仕組みと同様、マンションを賃貸に出して、入居者から家賃を支払ってもらい、賃料収入を得るものです。アパート経営はアパート1棟丸ごとオーナーが所有して不動産投資を行いますが、マンション経営はマンション1棟を丸ごと扱うのではなく、マンションの一部を所有して不動産投資を行う点に差があります。

また建物と土地を所有する必要があるアパート経営はまとまった資金が必要となりますが、マンション経営は、1部屋の所有から不動産投資を始めることができるので、初期費用や経費などがアパート経営に比べると低く抑えられるため、手軽さがあります。そのため年収がそれほど高くなくても始めることができます。また、余裕があれば部屋数を増やしていくことも可能です。

なお、空室が1部屋生じた場合、1部屋を所有してマンション経営を行う場合、1室あたりのリスク、空室率は100%となります。1棟に10部屋あるアパートを所有してアパート経営を行う場合であれば、1室あたりのリスク、空室率は10%となりますので、アパート経営の方が1室あたりのリスク、空室率を小さくすることができることもマンション経営とアパート経営の違いといえるでしょう。

アパート経営のメリット・デメリット

●アパート経営のメリット

アパート経営のメリットは、以下の3点が挙げられます。

・節税対策になる

アパート経営を行うことにより、その土地および建物は、様々な税金において特例などの優遇を受けることができます。

【固定資産税】

アパートの敷地は、住宅用地の特例を受けることができるため、更地としての評価額の6分の1(200m2以下の部分)または3分の1(200m2超の部分)とすることができます。固定資産税は、固定資産税評価額をもとに計算されるので評価減の適用を受けることで、節税につながります。

【都市計画税】

アパートの敷地は、住宅用地の特例を受けることができるため、更地としての評価額の3分の1(200m2以下の部分)または3分の2(200m2超の部分)とすることができます。都市計画税も、固定資産税評価額をもとに計算されるので評価減の適用を受けることで、節税につながります。

【相続税および贈与税】

アパートの敷地は貸家建付地、アパート(建物)は貸家として評価されます。他人の権利が付着していない自用地や家屋として評価されるよりも、評価額を減じることができるため、相続税および贈与税の節税対策にもつながります。

・安定した収入が得られる

また、アパート経営は他の投資方法と比較して安定した収入が得られることもメリットです。例えば株式投資の場合、利益のもととなる収入はキャピタルゲイン(売買益)とインカムゲイン(配当金)に分類されます。株式投資はキャピタルゲインによって大きな収入を得ることができる可能性があります。しかし、そのためには景気の変化や企業業績などによって株価の変動が生じるタイミングを、常にアンテナを張ってチェックしておく必要があります。またインカムゲインも、企業業績によりその金額も変動するため、安定的な収入を得られるとは限りません。

一方、アパート経営においては、アパートの入居者は数年間のスパンで契約を行うため、その期間においては、変動することなく安定的に賃料収入を得ることができます。

またアパート経営に代表される不動産投資は現物資産を所有する投資方法であるためインフレに強い面もあります。もしもインフレが生じた場合、現金や預貯金などの金融資産は、その価値が目減りする可能性があります。例えば100円の商品がインフレにより値上がりして150円となった場合、現金の価値は50円分下がることになります。しかし、アパート経営の場合、インフレに伴って不動産価格も上昇するため資産価値が上がる可能性もありますし、それに連動して家賃を引き上げることができる場合もあります。

・自由にリフォームや改築できる

アパート経営は、丸々1棟を所有することになるので、オリジナルな修繕計画を立てることができます。それによって入居率をアップさせて満室経営をするためのリフォームや建て替えを行うことも可能です。マンション経営は、管理規約や長期修繕計画などの制限を受けることになるため、アパート経営に比べると修繕における自由度は低いといえます。

●アパート経営のデメリット

・初期費用がかかる

ワンルームマンションなどを1部屋から所有できるマンション経営と異なり、アパート経営は、アパート1棟と土地をまとめて所有することになるので土地の購入費 用やアパートの建築費用などに大きな初期費用がかかります。また、アパートローンを活用する場合、金融機関からの借入額も大きな金額となり、それに伴う返済負担も生じます。

・アパートの周辺の環境により入居率が変動

アパートは新築であり続けることはできません。周辺にアパートやマンションが新築された場合、その物件に対する需要が高まり、自らがアパート経営を行うアパートの入居率が下がってしまう可能性もあります。しかし、アパートの経年劣化による入居率の低下は長期修繕計画によって回避できるリスクです。適宜、アパートの修繕を行ったり、設備の見直し、拡充を行ったりすることにより、アパートの人気を維持する努力も必要です。

サラリーマンが副業感覚でやってもOK?

●会社が副業禁止していても大丈夫?

サラリーマンが収入アップを図るために、副業を考えたとしても、会社が就業規則で副業を禁止していることが多く、アルバイトなどを行うことができないのが一般的です。しかし、アパート経営に代表される不動産投資は、会社での業務に著しく支障をきたさない限り、副業にあたらないのが一般的です。念のために、会社の就業規則を確認しておくとよいでしょう。

●サラリーマンにとってもおすすめ

先述したように、アパート経営を始めるにあたり、特別な免許や資格を必要としません。また、日々の管理業務は不動産会社や管理会社に任せることも可能であるため、会社にお勤めのサラリーマンでもアパート経営を行うことはできます。突然の失業や病気などで働けなくなるリスクにも、アパート経営の副収入があることで備えをつくっておくことができます。

アパート経営を始めるまでの流れ

●不動産会社などへの問い合わせ

いくつかの不動産会社や建築会社などに、資料請求を行ったり、電話で問い合わせてみたりするなどアパート経営の情報収集を行います。

●不動産会社などとの打ち合わせ

所有している土地を活用するケースや新たに土地から購入するケース、中古アパートを購入するケースなど、人によって様々なアパート経営のスタートがあると思います。ご自身が思い描くアパート経営を行うアパートについて、不動産会社や建築会社に相談をして、アパートの立地条件やその周辺環境、賃貸ニーズ等のアドバイスを受けたり、資金計画のシミュレーションを行ったりしながら、アパート経営の計画を具体化していきます。

●契約

希望に沿ったアパート経営の計画が具体化したら、アパートの建築および購入の契約を締結します。なお、土地の購入からスタートする場合は、土地の決済資金が先に必要となりますので、自己資金またはつなぎ融資が必要となる可能性もあります。

●資金・建物の打ち合わせ

契約後、さらに詳細な経営プラン(サブリースの活用、長期修繕計画など)や資金計画(金融機関の選定、事前審査など)についての打ち合わせを行い、詳細な事業計画書を作成します。この段階で余裕を持った計画を立てておくことが重要です。

●金融機関からの融資

作成した事業計画書を金融機関へ提出し、融資の申込みをして本審査を依頼します。融資の承認が下りたら、アパートの工事がスタート。金融機関と金銭貸借契約の締結を行います。

●建物の登記

アパートの工事が完了したら、不動産登記を行います。不動産登記を行う際、登録免許税のほか、司法書士への報酬等も必要です。不動産が会社等からお知らせもあると思いますが、住民票やアパート取得のための契約書類等が必要になりますので、何が必要となるか確認しておきましょう。

●物件の引き渡し

アパートの引き渡しを受けたら、いよいよアパート経営の本格的なスタート。入居者募集等の管理業務を管理会社にどこまで任せるのかは、予め計画段階で決めておきましょう。

アパート経営の利回り

アパート経営の利回りはどのように計算するのでしょうか。利回りの考え方とその計算方法について整理しておきましょう。

●利回りとは?

利回りとは、利益率を表す指標のことです。利回りが高い方が、利益率が高いといえます。なお、利回りには、表面利回りと実質利回りがあります。

【表面利回り】

表面利回りは、「年間の家賃収入÷物件価格(%)」で計算することができます。

例えば、1億円のアパート(10部屋/一部屋の家賃5万円)を取得してアパート経営を行う場合、600万円÷1億円=0.06ですので、収益率、つまり投資した金額に対してどれだけのリターンを得られるのかを表す利回りは6%です。

【実質利回り】

アパート経営の場合、表面利回りだけでなく実質利回りにも目を向けておきたいものです。実質利回りは、アパート経営で必要な経費・費用を差し引いた実質的な利益率を表す指標のことをいいます。アパート経営に必要な経費・費用には、広告費用や、管理会社へ支払う管理費用、リフォームや設備の取替などにかかるメンテナンス費用、火災保険料などが挙げられます。

実質利回りは、「(年間収入−諸経費)÷(購入価格+購入時の諸経費)(%)」で計算することができます。いくら賃料収入を得ることができても、経費や費用をかけ過ぎてしまうと、実質利益がマイナスになる可能性もあります。長期的にアパート経営を継続していくためにも、実質利回りを考えておくことは必要なことなのです。

アパート経営における必要経費

実質利回りを計算する上で出てきた必要経費という言葉。必要経費とは何か、必要経費の代表的な項目には何があるか、整理しておきましょう。

●必要経費とは?

必要経費とは、アパート経営を行っていく上で必要な費用のことです。必要経費にできるものが多ければ多いほど、不動産所得(アパート経営などの賃料収入からの所得)を下げることができますが、実質利回りとのバランスも考えておく必要があります。

●代表的な項目

・減価償却費

アパートを建てるのに1億円かかったとしても、その建築費用をそのまま経費に計上することはできません。しかし、そのアパートは年々経年劣化していきますので、その経年劣化分を経費として計上していく意味合いを持つのが減価償却費です。

アパートの様に、長期間にわたり利用ができる資産を取得した場合、その取得金額を資産として計上し、資産の耐用年数に応じて減価償却費を費用計上していきます。耐用年数(わかりやすく言えば、減価償却費を計上してもよいとされる年数)は固定資産の種類によって決められており、減価償却費の算出方法も決められています。

・租税公課

アパート経営において必要経費として認められる税金があります。

アパートを取得する際にかかる印紙税、不動産取得税、登録免許税のほか、アパートを保有する際にかかる固定資産税、都市計画税が対象となります。なお、所得税や住民税はアパート経営における必要経費として認められません。

・交通費

アパートが自宅から交通機関を使わないといけない場所にある場合、その移動にかかる費用や管理会社との打ち合わせや不動産セミナーに行くための費用は、交通費として経費計上が認められています。

・管理費

アパート経営の日々の管理業務を管理会社に依頼する場合、管理費用を毎月管理会社に支払う必要があります。その管理費用も必要経費と考えられます。

日々の管理業務には、家賃管理などの保守管理業務、清掃業務、法定点検業務があります。その他にもアパート経営に必要な業務は様々です。どの業務を自分が行い、管理会社に依頼するのか、負担とコストのバランスを考えておきましょう。

・交際費

管理会社や他のアパート経営オーナーとのお付き合いの場面もあるでしょう。その時の会食代等は交際費として必要経費に計上することができます。

・損害保険料

火事や大雨、台風、地震などでアパートに損害が生じてしまった場合に備えて、火災保険や地震保険に加入しますが、その損害保険料もアパート経営における必要経費となります。

・修繕費

修繕はアパート経営を長期的に行っていくために重要です。建物の維持管理にかかる費用はもちろんのこと、経年劣化した後もアパートの価値を維持、向上させるためのリフォーム、および設備の取替などの費用も修繕費にあたり、アパート経営における必要経費となります。

・その他

その他にも必要経費とみなされるものは、様々なものがあります。これは必要経費となるかどうか判断を仰ぎたい場合は、管理会社や税務署、税理士などに問い合わせてみるとよいでしょう。

アパート経営で失敗する要素とは?

アパート経営は、必ずしも成功するものではありません。しかし、失敗するケースには共通した要素があるものです。失敗する要素にどのようなものがあるか、予め知っておきましょう。

●「何もしなくてもお金が入ってくる」と思いこんで失敗

家賃などの賃料収入は、入居者がいるからこそ得られるものです。空室が増えてしまうとそれだけ収入も下がってしまうことになります。日々の管理業務を管理会社に依頼することができるといっても、入居率を上げるために物件価値を向上させる努力はオーナー自身にも必要です。

管理会社に丸投げをしてしまうのではなく、日頃から、空室が生まれてしまわないために、そして空室が生まれてしまった時に、どのような対策を講じたらよいかを、入居者の立場に立ってオーナー自ら考えておくことは、経営者として、大切なことであるといえます。それは結果として入居者の満足度を高めることにつながります。日々の清掃やクレーム対応など、小さな対応を大切にすることも忘れてはなりません。

入居者の満足度が高いと、長期にわたり住み続けてくれる入居者が多くなりますから、それだけ空室リスクが低くなります。

そのような意識をオーナー自身が持った上で、管理会社が周辺環境、ニーズの変化に応じて、アパートのメンテナンスや管理に適切なアドバイスを行ってくれるパートナーになってくれているかどうかを改めて考えてみましょう。場合によっては管理会社の見直しを行うことも必要になる可能性もあります。

●利回りを重視した物件選びをして失敗

収益率、つまり投資した金額に対してどれだけのリターンを得られるのかを表した指標が高いことに越したことはありません。しかし利回りだけを重視してアパート選びをすることには注意が必要です。特に中古アパートにおいて、相場と比較して低い価格で売り出される物件には注意が必要です。築年数が大きかったり、事故物件であったり、周辺環境に入居者が住みにくい要因があったり、等低い価格で売り出す理由があるからです。利回りを重視して、そのような格安アパートを取得しても、後に大きな修繕費用や対策費用をかけないと、そもそも入居者に住んでもらえない物件になる可能性もあります。

●アパートの耐震性や地盤強度を甘く見て失敗

アパートの耐震性や地盤強度についても確認(地盤の調査結果・工事実施履歴)が必要です。東日本大震災以降、耐震性がしっかりした家に住みたいと考える入居者は多いでしょう。耐震性の高いアパートを建築、購入し、物件引き渡し後の保証についても確認をしておきましょう。

特に中古アパートを購入する際には、入居者の安全を守るためにも、自らの資産を守るためにも、新耐震基準が設けられた1981年以降の建物かどうかを確認しておきましょう。新耐震基準以前のアパートが格安物件として売り出される可能性もありますが、入居者の立場としては入居したくない建物といえます。結局取得後に、多額の費用をかけて耐震補強工事を行わなければならない事態になれば、格安で購入した意味がなくなりますし計画倒れになってしまいます。

なお、万一災害にあった時も損失を最小限にくいとめるため、損害保険(火災保険、地震保険)にも必ず加入しておきましょう。

信頼できる不動産管理会社の選び方

アパート経営を安定的に行っていくためには、信頼できる管理会社を選ぶことも重要なポイントです。管理会社を選ぶ際に重視すべきポイントをいくつか挙げておきましょう。

・アパートの周辺環境やニーズに詳しい

アパート周辺の環境変化に応じて、適切なアドバイスをしてもらうためにも、アパート周辺環境やニーズを把握している管理会社を選びましょう。

・法改正、制度改正などの最新情報を把握している

アパート周辺の環境等に詳しいだけでなく、法律や制度改正の動向に敏感である必要もあります。その対応策の講じ方をアドバイスしてくれたり、小さな疑問にも丁寧に対応してくれたりする管理会社を選びましょう。

・長期修繕計画など

アパートが経年劣化してもその価値を維持、向上させていくためには長期修繕計画が欠かせません。長期修繕計画の立案、見直しについてもアドバイスやサポートを受けられる管理会社を選びましょう。

・クレームやトラブルに迅速に対応してくれる、対応実績が豊富

クレームやトラブルに迅速に対応してくれる管理会社を選ぶことは、入居者満足の向上にもつながります。対応実績が豊富な管理会社は、対応ノウハウを蓄積していますので、安心して対応を任せることができます。

まとめ

アパート経営についての概要やメリット・デメリットなど、理解を深めることができたでしょうか。アパート経営もマンション経営も、運用を検討する際に考えておきたいことはたくさんありますが、関心のある方はまずは情報収集をしてみるところから一歩を踏み出してみましょう。集めた情報をもとに運用のビジョンが浮かんだら、まずは比較的手軽に始められるマンション経営から検討してみるのがいいかもしれませんね。

そして経営者としての意識を持ちながら、信頼できる建築会社、管理会社等と少しずつその計画の具体化を進めていきましょう。

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