不動産運用で発生する仲介手数料とは? 費用の相場と支払い時の注意点

2018/06/15

不動産投資

不動産の売買や賃貸借の契約が成立すると、仲介した不動産会社に仲介手数料を支払う必要があります。実は仲介手数料には支払い方法や金額にルールが定められており、その計算方法が決められています。不動産を運用していく上で必ず知っておきたい、仲介手数料の仕組み、計算方法や費用の相場、支払いタイミングなど、契約を結ぶ前や支払う前に知っておくべきこと、気を付けるべきポイントについて説明します。

不動産運用における仲介手数料の考え方

 

仲介手数料とは?

仲介手数料あるいは媒介手数料とは、取引が発生したときに仲介会社に支払う成功報酬です。不動産運用では、不動産の売買や賃貸借が成立したときに発生します。例えば、不動産オーナーが不動産会社に物件の売却を依頼し、無事に買い手が見つかり成約したとき、もとのオーナーは不動産会社に仲介手数料を支払います。したがって、売買や賃貸借の契約が成立しなかった場合や、オーナーが自ら買い主(借り主)を見つけて売却(貸し出し)した場合、仲介手数料は発生しません。

 

売買を仲介する都合、売り手と買い手の両方が仲介手数料の支払者だと考えられがちです。

しかし実際には、仲介会社が手数料を受け取る相手の数によって、二つの取引形態に分けられます。それぞれ片手取引、両手取引と呼んで区別されています。

・片手取引

片手取引とは不動産会社が売り主(貸し主)、もしくは買い主(借り主)のどちらか一方から手数料をもらう形態のことです。

・両手取引

両手取引とは不動産会社が売り手(貸し主)と買い主(借り主)の両方から仲介手数料をもらう形態のことです。

両者を比較すると、両手取引の仲介手数料総額の方が、片手取引の場合より多くなるのが一般的です。

 

 

仲介手数料に含まれる費用

仲介手数料には取引に必要な経費の全額が含まれているわけではありません。仲介手数料には通常の仲介業務によって生じた費用のみが含まれます。例えば不動産ポータルサイトへの登録料金や、契約希望者の物件見学の同行費用は仲介手数料に含まれます。

しかし依頼者の希望により生じた追加の業務の費用については、別途仲介会社に支払う必要があります。厳密に言えば、依頼者の依頼により発生した通常の仲介業務では発生しない費用の、実費分は仲介手数料に加えて別途支払う必要があります。

例えば、オーナーの希望で遠隔地へ営業に行く場合の出張費や、オーナーが依頼した通常では行わない広告宣伝の費用などは例外的な費用の条件をすべて満たしています。これらの費用は仲介手数料には含まれず、その実費はオーナーが負担しなければなりません。

 

不動産運用における仲介手数料の相場

 

不動産売買における仲介手数料の上限

仲介手数料は宅地建物取引業法によって上限額が決められています。このため上限を超える手数料を提示することは法律で禁止されています。また、上限額が定められているといっても、いつもその上限額を請求できるということではありません。

 

仲介手数料の計算方法

仲介手数料の上限額には計算方法が定まっています。以下のように、売買価格を「200万円以下の部分」、「200万円~400万円以下の部分」、「400万円を超える部分」に分割して計算します。

・売買価格が200万円以下の部分については取引額の4%(5%+消費税)以内
・売買価格が200万円超~400万円以下の部分については取引額の32%(4%+消費税)以内
・売買価格が400万円超の部分については取引額の24%(3%+消費税)以内

ただし、この売買価格というのは消費税と土地の価格を抜いた金額のことです。

 

また、売却価格が400万円を超える場合には、速算法を用いると簡単に仲介手数料を算出できます。速算法とは(売買価格×3%+6万円)×消費税(1.08%)で計算する方法です。

 

仲介手数料の計算例

例えば売買価格550万円の場合、

(200万円×5.4%)+(200万円×4.32%)+(150万円×3.24%)= 24万3,000円

の計算式で求められ、仲介手数料の上限は24万3,000円になります。

また、速算法を用いた場合は

(550万円×3%+6万円)×1.08 = 24万3,000円

となり、仲介手数料の上限として24万3,000円が計算で求められます。

 

 

不動産賃貸借における仲介手数料の上限

不動産賃貸借における仲介手数料についても、不動産売買時と同様に宅地建物取引業法で上限額が定められています。したがって、これも同様に上限を超える手数料を提示することは法律で禁止されています。また、上限額が定められているといっても、当然その上限額を請求できるわけではありません。

賃貸借の場合の仲介手数料の計算方法は居住用の物件であるか否かで二種類に分けられます。それぞれ計算方法が異なるため、注意が必要です。

・居住用の物件の場合

貸し主、借り主共に、仲介手数料は賃料の0.5カ月分以内(+消費税)です。ただし依頼者の承諾がある場合は1カ月分(+消費税)を限度として、どちらか片方から仲介手数料を受け取ることも可能です。ただしこの場合も貸し主と借り主から受け取る報酬の合計額は賃料の1カ月分以内でなくてはいけません。

・居住目的以外の建物の場合

貸し主、借り主から受け取る仲介手数料の合計額が賃料の1カ月分以内(+消費税)であればそれぞれから受ける報酬額に特に制限はありません。

 

仲介手数料を支払う際のポイント

 

支払うタイミング

契約が成立すると、仲介する不動産会社は仲介手数料を請求することができます。仲介手数料を支払うタイミングには決まりがあるわけではありません。しかし、契約が決まったタイミングと引き渡し時の2回に分けて支払うケースが多くなっています。

2回に分けるのにも理由があります。通常、契約締結時にはまだ物件の引き渡しまでは完了しておらず、取引が完全に終わったとは言い難いためです。もちろん契約成立時に全額を支払うこともでき、逆に不動産会社との同意が取れていれば引き渡しを終えた際に全額を支払うこともできます。

このいずれかのタイミングで支払うことは覚えておきましょう。契約成立前に仲介手数料を求めるような事態に出会ったとしても、落ち着いて支払いを拒否することができます。仲介手数料はあくまでも「成功報酬」なので、契約が成立する前に仲介手数料の支払いが生じることはありえません。

 

値引き交渉の可否

仲介手数料の設定額は、不動産会社によって異なります。法的に定められた上限はありますが、各社仲介手数料の金額で価格競争を行なっています。このため、不動産会社との交渉によって仲介手数料が半額や無料になることもあります。

しかし、仲介手数料が安いからといってよい不動産会社かどうかはわかりません。仲介手数料を安く設定している場合、コスト削減により広告の露出が少ない可能性があるからです。そのため仲介手数料の安さだけ判断せず、サービスの質も考慮に入れて総合的に判断する必要があります。

 

 

契約解除になった場合の仲介手数料

仲介手数料はあくまでも成功報酬であり、契約が成立しなければ原則的に仲介手数料は発生しません。ただし、契約後に解約になった場合は仲介手数料の支払いが必要なケースがあります。

・買い主(借り主)、もしくは売り主(貸し主)都合の解約の場合

買い主(借り主)が手付金を放棄、もしくは売り主(貸し主)が手付金を倍額払えば解約することができますが、仲介手数料が発生します。

・買い主のローンが下りず、解約となった場合

この場合は仲介手数料を支払う必要はありません。

このように、契約後の解約は場合によっては仲介手数料が発生するため十分注意するようにしましょう。

 

仲介手数料支払い後の支払調書の提出

不動産の売買、もしくは賃貸借を行い、不動産会社に仲介手数料を支払った場合、税務署に支払調書を提出する必要があります。支払調書とは法定調書の一つです。ただし同一の者に対して、年中に支払った仲介手数料合計が15万円以内の場合は提出の義務はありません。この調書は支払いが確定した日の翌年1月31日までに提出する必要があります。

 

まとめ

仲介手数料とは成功報酬であり、不動産の売買や賃貸借の契約が成立したときのみ支払うものです。仲介手数料の上限額は法律で定められており、状況に応じて計算されます。仲介手数料の支払いタイミングとして、契約成立時と引き渡し時の二回に分けて支払う方法がよく用いられています。仲介手数料は不動産会社によっても異なり、また値引き交渉ができる場合もあるので、仲介手数料について十分理解したうえで不動産運用を行うとよいでしょう。

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