マンションを購入するとかかる固定資産税とは?基礎知識から徹底解説

2018/08/31

税金対策

マンションを購入すると、避けて通れないのが固定資産税の支払いです。賃貸住宅に住んでいる限りは無縁なので、課税対象や時期、税額など初心者には分かりにくいポイントがいくつかあります。
そこで今回は、固定資産税とこれに付随する都市計画税について、基礎的なポイントを中心に徹底解説します。これ参考に、無駄な税金の支払いを避けられるよう戦略を立ててみましょう。

「固定資産税とは?」

まずは、法律に沿って固定資産税の定義や課税対象者など、基本的な知識について説明します。また、固定資産税とともに必ず理解しておきたい都市計画税についても確認しておきましょう。

固定資産税の基礎知識

∟不動産(土地や建物など)や償却資産の所有者に課される税金

 ∟一戸建てでもマンションでも課される

  ∟不動産を所有し続けている限り払い続ける

∟課税対象者:1月1日時点で固定資産の所有者として登記簿に載っている人

 ∟自治体から1年分の納税通知書が届く

 ∟年4回(4月・7月・12月・2月)支払う

∟同時に都市計画税も課税される

 

固定資産税は、固定資産税に課される税金です。法人税法によると、固定資産とは土地、建築設備、構築物、機械及び装置、船舶、車両及び運搬具、工具、器具及び備品、鉱業権、電話加入権などの資産のことを指しています。このうち、土地と電話加入権以外は「償却資産(減価償却資産)」と呼ばれています。一戸建てだろうとマンションだろうと、不動産を所有し続けている限り毎年支払いを行う必要がある税金です。住宅ローンや修繕積立金、管理費などと並ぶ出費である税金の一つが、固定資産税です。

 

課税対象者は、毎年1月1日時点で固定資産の所有者として登記簿に掲載されている人です。原則として4月・7月・12月・2月の年4回支払う義務があり、毎年4月になると市町村(東京都のみ都)から1年分の納税通知書が届くようになっています。ただし、自治体によっては条例で別の時期を固定資産税の納付時期として定めているところもあります。たとえば、東京都では6月・9月・12月・2月と定められており、納税通知書も6月初に発送されています。事前に、自分の住んでいる自治体の固定資産税の納期限を確認しておく必要があります。

 

固定資産税を滞納すると、ペナルティとして延滞金が発生します。延滞金は、なるべく早く(納期限翌日から1ヶ月以内に)支払った方が安く済む仕組みとなっています。1ヶ月を境として、延滞金の率が大きく変わってしまうので注意が必要です。納期限を守れなくても、必ず早期に固定資産税及び延滞金を支払う必要があるのです。固定資産税は、自治体の納付サイトからクレジットカードで納付することも可能です。

 

ちなみに、毎年送られる固定資産税の納税通知書には、「都市計画税」と呼ばれる税金についても記載されています。固定資産税と同時に、都市計画税も不動産所有者を課税対象としているわけです。固定資産税の計算方法の説明に進む前に、都市計画税についても確認しておきましょう。

都市計画税とは?

∟市街化区域にある固定資産に対して課税される税金

 ∟計算式:都市計画税=固定資産税評価額×税率

  ∟税率:上限0.3%

  ∟市街化区域の定義:「すでに市街地を形成している区域」と「おおむね10年以内に計画的、優先的に市街化が図られる区域」

 

都市計画税とは、都市計画事業や土地区画整理事業の費用に充てるために、市街化区域と呼ばれる特定の区域にある土地や家屋の所有者に対し、土地・家屋の価格を課税標準として課せられる税金のことです。地方税法に規定されている税金であり、市町村及び東京都が固定資産税とともに賦課徴収を行っています。

 

ここでいう市街化区域とは、無秩序な市街化を防ぎ、計画的な市街化を図るために設けられる区域区分を指しています。具体的には、すでに市街地を形成している区域及び、おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域のことです。首都圏近郊、近畿圏近郊、中部圏近郊をはじめ、大都市圏の関連地域はおおむね市街化区域と考えてよいでしょう。自治体が「計画的に市街化したい」あるいは「すでに市街地となっている」という区域に土地や家屋を所有する所有者に対して、都市計画税が課されるわけです。

「固定資産税の計算方法」

固定資産税の計算方法について説明します。また、計算方法には「課税標準額」や「地価公示価格(公示価格)」、あるいは「路線価」のように、固定資産の価格を示す言葉が複数種類存在しますので、そちらの意味についても説明します。

基本の計算式

∟固定資産税=課税標準額×税率

 ∟課税標準額(固定資産税評価額):固定資産課税台帳に登録された不動産の価格

 ∟税率の目安:多くの自治体が1.4%に設定

  ∟1.4%以外の税率を設定している自治体もある

 

固定資産税は、課税標準額に規定の税率を掛けることで算出されます。ここで課税標準額は、固定資産課税台帳と呼ばれる台帳に登録された不動産の価格を指しています。

 

固定資産税=課税標準額×税率

 

税率は、都道府県及び市町村によって設定されます。そのため、自治体によって若干異なる可能性はあります。しかし、標準税率が1.4%に設定されていることから、多くの自治体では固定資産税率を1.4%に定めているのが現状です。なお、都市計画税も課税標準額を基にして算出されています。上限税率が0.3%に設定されているため、多くの自治体では0.3%としています。

 

前述の通り、マンションを購入した人には土地と建物の両方に対する固定資産税を課されます。土地の課税標準額及び建物の課税標準額に対して、税率(多くは1.4%)がかかってくるわけです。ただし、マンションと言っても賃貸マンションの場合は、個人で固定資産税を支払う必要はありません。あくまで、物件の所有者に課されるためです。分譲マンションのように自分で所有している場合にのみ、固定資産税は関係してきます。

課税標準額とは?

∟土地の場合:国土交通省が年に1回、「地価公示価格」の70%を目処に算出

∟建物の場合:再建築費用を基礎に算出

 ∟再建築費用:再び同じ建物を建て替えた場合にかかる費用

∟3年ごとに見直し

 ∟土地:地価の変動があるため

 ∟建物:築年数による評価額の減額があるため

 

 

固定資産税のカギを握る課税標準額は、土地と建物で算出方法がやや異なります。

 

土地の場合、課税標準額とは基本的に固定資産の評価額となります。固定資産税評価額は、国土交通省が年1回発表する地価公示価格の70%を目処に算出されます。地価公示価格は、毎年1月1日時点における指定の標準地の価格を指します。

 

固定資産税評価額は、自治体から届く納税通知書に記載されています。これは、固定資産税や都市計画税のみならず不動産取得税、登録免許税など複数種類の税金の基準となる価格ですから、必ずチェックしておきましょう。また、自治体の役所(東京都の場合は所在の区にある都税事務所)に行って固定資産税台帳の閲覧を申請する方法や、役所から固定資産評価証明書を取り寄せる方法でも、やはり固定資産税評価額を見ることができます。

 

建物の課税標準額は、「再建築費用」と呼ばれる費用を基準に算出されます。再建築費用とは、全く同じ建物を建て替えた場合にかかる費用のことです。再建築費用に、1年分の経年原価率を掛けることで課税標準額を求めます。したがって、新築マンションより中古マンションの方が低い課税標準額、そして固定資産税となる傾向にあるのです。ただし、リフォームや増改築を行って建物の価値がアップすると、固定資産税も上がることがあります。

 

この固定資産税評価額は原則として3年間据え置かれますが、3年に1度評価替えが行われます。これは、土地の変動によって評価額も影響を受けるため、そして建物の築年数増加によって評価が下がるためです。2018年度が評価替えの基準年度に当たりますので、古い評価額に振り回されないよう注意が必要です。

「マンション投資にかかる固定資産税」

ここまでは、一般論的な見方から固定資産税について説明してきました。それでは、具体的にマンション投資を行う場合に必要となる固定資産税は、どのように計算されるのでしょうか。課税対象や計算方法、そして必ず頭に入れておきたい独自の軽減措置について、それぞれ説明していきます。

課税対象

∟保有するマンションと敷地

 ∟ワンルームマンション投資など区分所有の場合は、建物部分に加えて土地の持ち分割合に応じて課税される

  ∟建物部分の固定資産税は課税標準を基に算出できる

  ∟土地部分の固定資産税は、敷地全体の評価額に持ち分割合を掛けて求める

   ∟例)敷地1億円、保有する土地(敷地権)が敷地全体の40分の1の場合の固定資産税

    ∟土地の固定資産税=1億円×40分の1×1.4%=3万5000円

 

固定資産税は、土地と建物の両方に負担がかかります。ただしマンション投資、特にワンルームマンション投資のように区分所有の場合は、所有する部屋(建物)部分は分かりやすいのですが、土地に対する課税の考え方がやや複雑になります。

 

まず建物部分に対する固定資産税については、特に複雑なことはありません。課税標準を基にして、税率(主に1.4%、自治体によっては異なるところもある)を掛けることで算出されます。

 

それに対して土地部分に対する固定資産税は、マンションの敷地全体の評価額に自分の専有部分の割合を掛けて補正することで求められます。たとえば、敷地全体の評価額が1億円で、保有している土地(敷地権)がその40分の1、税率が1.4%だとすると、土地に対する固定資産税は以下のように求められます。

 

1億円×40分の1×1.4%=3万5,000円

マンションに対する固定資産税の軽減措置

・土地に対する軽減措置

∟土地を住宅の敷地として使用している場合

 ∟小規模住宅用地(200平方メートル以下の部分):課税標準が6分の1になる

 ∟一般住宅用地(200平方メートルを超える部分):課税標準が3分の1になる

∟集合住宅の場合:敷地全体の面積を居住用住戸数で割った面積を使用

 ∟ほとんどの場合200平方メートルを下回るため、課税標準が6分の1になる

・建物に対する軽減措置

∟床面積が120平方メートルまでの部分は、新築から5年間固定資産税が半額になる

 ∟適用のための諸条件に該当する物件であること

∟長期優良住宅の認定が下りると最大7年間の軽減期間が適用される

 ∟長期優良住宅:長期にわたって住み続けられるように工夫の凝らされた家

*都市計画税に対する軽減措置

∟小規模住宅用地(200平方メートル以下の部分):課税標準が3分の1になる

∟一般住宅用地(200平方メートルを超える部分):課税標準が3分の2になる

 

固定資産税や都市計画税には、軽減措置の特例が設けられています。マンション投資をする人の多くに適用される可能性がある上に、減税幅が大きいので必ず頭に入れておきましょう。

 

まず土地に対する軽減措置は、固定資産税・都市計画税でそれぞれ以下の表のようになっています。

用地区分固定資産税都市計画税
小規模住宅用地(200平方メートル以下の部分)課税標準の6分の1課税標準の3分の1
一般住宅用地(200平方メートルを超える部分)課税標準の3分の1課税標準の3分の

マンションのような集合住宅の場合は、敷地全体の面積を居住用の戸数で割った面積に対して、軽減措置の適用有無が判断されます。多くのマンションでは、1部屋当たりの面積が200平方メートルを超えることはないでしょう。そのため、固定資産税は課税標準の6分の1、都市計画税も課税標準の3分の1にまで減少する可能性が高いです。

 

建物に対する軽減措置は、「120平方メートルまでの部分は、固定資産税が半額になる」というものです。都市計画税の軽減措置はありません。また、軽減適用期間は新築から5年間と定められています。一軒家だと3年間なのですが、3階建て以上の耐火・準耐火建築物だと5年間となります。逆に言えば、6年目以降は固定資産税が2倍になる可能性もありますから、注意が必要なのです。

 

ただし、「長期優良住宅」であると認定されれば、最大7年間の軽減期間が適用されます。長期優良住宅とは、床面積が50平方メートル以上280平方メートル以下で、長期にわたって良好な状態で使用するための措置が講じられたと所管行政庁から認定された家屋のことです。劣化対策・耐震性・維持管理/更新の容易性・可変性・バリアフリー性・省エネルギー性など、さまざまな項目から評価を受けた結果、問題がなければ認定が下ります。

「固定資産税の過払いを防ぐために」

不動産投資家にとって、税金の知識は必要不可欠です。今回のテーマである固定資産税についても、知識がないと思わぬところで過払いになってしまっているケースがあります。最後に、固定資産税の過払いを防ぐための心得について説明します。

固定資産税の理解を深める

∟課税額の求め方や軽減措置が適用される条件などを知る

 ∟投資物件を購入する際にも役立つ

  ∟維持費がどれだけかかるかがわかると、物件の利回りの良し悪しを判断しやすい

 ∟節税対策にもなる

 

最も重要なことは、今回の記事で説明してきたような固定資産税の知識に対する理解を深めることです。課税対象や税額の算出方法、軽減措置の適用条件など、一般的な知識を頭に入れるとともに、自分の所有している物件や狙っている物件でどうなるのか考える必要があります。

 

知識をつけることで、もちろん投資物件の購入を決定するときに役に立ちます。固定資産税は、不動産投資における維持費の一つです。維持費の目安が分かれば、自分で物件の利回りの良し悪しを判断できるようになります。物件情報に記載される表面利回りに踊らされず、冷静に判断できるということです。

 

また、特に軽減措置の適用条件を覚えておけば、固定資産税や都市計画税の節税にもなります。これだけで、収支が好転することも少なくありません。マンション投資をしていると、空室対策など家賃収入の向上に目が向きがちですが、出ていくお金を減らすための努力も惜しむべきではないでしょう。

納税額が合っているかを確認する

∟固定資産税は自治体が課税額を計算している

∟まれに課税額が間違っている場合がある

 ∟土地や建物の評価額に誤りがある

 ∟軽減措置が課税標準に適用されていない

∟納税通知書が届いたら、自分で計算して合っているかをチェックする

 

あまり考えたくないことですが、納税通知書に記載されている納税額を鵜呑みにしない方がよいかもしれません。知識があれば、自分で税額算出条件を洗い出し、自分で計算して納税額が合っているか確認できるようになります。

 

まれに、納税通知書の税額に誤りがある場合があります。たとえば土地や建物の評価額に誤りがあったり、軽減措置が課税標準に対して適用されていなかったりと、納税者として納得できないことがあるのです。納税通知書が届いたら、いきなり納税手続きをとるのではなく、必ず自分で計算し直して、数字に誤りがないかチェックする姿勢が大事です。

過払いが発覚したら自治体に問い合わせる

∟問い合わせ先

 ∟評価額が間違っていた場合は、固定資産評価審査委員会に「審査の申出」を行う

 ∟課税額に誤りがある場合は、自治体の長に「審査請求」を行う

∟問い合わせ期限は納税通知書を受け取った日の翌日から3カ月

 ∟ただし、審査の申し立ては評価替えを行った年のみ可能

  ∟3年に一度

∟課税額が見直されると、5年以内の過払い分の還付を申請できる

万が一過払いが発覚した場合は、所管団体へ問い合わせを行う必要があります。

 

まず、課税額に誤りがある場合は、市町村長(東京都は都知事)に対して「審査請求」を行います。評価額に不服がある場合は、固定資産の評価を行い固定資産課税台帳へ登録する固定資産評価審査委員会に対して、審査の申し出を行います。問い合わせ期限は、納税通知書を受け取った日の翌日から3ヶ月以内と定められていますので、早めの税額確認と行動が求められます。課税額が見直されれば、5年以内の過払い分の金額を還付してもらえるよう申請できます。

 

なお、審査の申し立ては毎年できるわけではありません。あくまで評価替えを行った年だけとなっているので、すなわち3年に一度しか申し立てできません。

固定資産税の理解でキャッシュフローを計算できるようになろう

固定資産税を初めとした諸費用について理解することで、マンション投資に不可欠なキャッシュフローの計算が正確にできるようになります。インカムゲインである家賃収入とキャピタルゲインである売却益に対して、費用を少しでも抑えることがキャッシュフローを出すための戦略のポイントです。

 

今回ご説明したのは一般的なケースなので、自分の物件に即した形で税額をシミュレーションすることが求められます。税理士などの専門家にお任せすることもできますが、基礎知識だけでも頭に入れて、効率的な物件運営ができるようになりましょう。

PAGE TOP