不動産所得に関する確定申告と経費計上について説明

2020/11/27

税金対策
記事監修:J.P.R不動産投資ジャーナル編集部

不動産投資に取り組んで利益が出ると、その利益分には税金が課されます。

不動産投資で得られる利益は不動産所得として計算して、確定申告する必要がありますが、途中経費として支出したものについては経費として計上することが可能です。

不動産所得の計算はどのように行い、どういったものが経費として計上できるのでしょうか。今回は、不動産投資に取り組むにあたって、知っておきたい不動産所得に関する確定申告と経費についてお伝えします。

確定申告

不動産所得とは?

不動産投資に取り組むと、得られた利益を不動産所得として計上して確定申告し、税金を納める必要があります。そもそも、不動産所得はどんなもので、どうやって計算するのでしょうか?

不動産所得の定義

不動産所得は、土地や建物など不動産を貸し付けた際に発生した所得のことで、以下の計算式で算出できます。

総収入金額-必要経費=不動産所得の金額

上記計算式の総収入金額と必要経費についてはそれぞれ国税庁で定義付けられており、それらに何が含まれているかを知ることで不動産所得を導き出すことができます。

総収入金額と必要経費に含まれるもの

まず、総収入金額には以下のものが含まれます。

・賃貸収入

・名義書換料、承諾料、更新料など

・敷金や保証金などのうち返金を要しないもの

・共益費などの名目で受け取る電気代、水道代、掃除代など

総収入金額についてはそう難しくありません。上記に当てはまるものを計上するだけです。なお、当然のことながら総収入費用は小さければ小さい程税金を抑えることができます。

必要経費は不動産収入を得るために直接必要な費用のうち家事上の経費と明確に区別できるもので、以下が挙げられます。

・固定資産税

・損害保険料

・減価償却費

・償却費

必要経費に関しては、次で詳しく解説したいと思います。

必要経費として計上できる項目とできない項目

納める税金をできるだけ少なくするには、必要経費をできるだけ多く計上できると良いのですが、必要経費として計上できるものとできないものがあるので覚えておきましょう。

必要経費に計上できる主な項目

計上できる主なものとして以下のようなものがあります。

・固定資産税

・損害保険料

・管理会社への業務委託料

・税理士や司法書士に依頼した際の費用

・減価償却費

・物件の修繕費

・ローン金利

それぞれ詳しく見ていきましょう。

・固定資産税

不動産を1月1日時点で所有している人に対しては固定資産税が課されますが、家賃収入を生み出す不動産に関する固定資産税は必要経費に入れることができます。

・損害保険料

家賃収入を生み出す不動産に対し、火災保険や地震保険などの損害保険を掛け、保険料を支払っている場合、必要経費として計上できます。

これらの内、自分で使っている部屋などがある場合は延床面積などで按分して算出します。

また、一括払いの場合はその年の分だけ計上することになります。

例えば、10年一括払いで50万円の火災保険料だった場合、今年の分は5万円、年の途中で加入した場合には該当月だけ計上します。7月1日に加入した場合、5万円の内6カ月分/12カ月で2万5,000円という計算です。

・減価償却費

減価償却費とは、簡単に言うと所有している不動産が劣化した分を経費として計上できるというものです。その構造ごとに耐用年数が定められており、不動産の購入費用を耐用年数で割って毎年計上できます。

税法では、耐用年数に応じて償却率が決められており、計算にも償却率を用います。

RC造の耐用年数は47年で償却率は0.022、重量鉄骨の耐用年数は34年で償却率は0.030、木造の耐用年数は22年で償却率は0.046となっています。

1憶円で購入した不動産であれば、RC造で220万円/年、重量鉄骨で300万円/年、木造で460万円/年計上できますが、RC造であれば築48年、重量鉄骨造であれば築35年、木造であれば築23年を超えると減価償却費を計上できなくなります。

なお、耐用年数を超えた不動産を購入した場合、減価償却費は耐用年数の20%の期間とすることができます。RC造であれば9年、重量鉄骨であれば6年、木造であれば4年です。

築25年の木造住宅を3,000万円(建物代のみ)で購入すると、1年で750万円もの金額を経費計上できることになります。

減価償却費は実際の支出を伴わず、必要経費として大きな金額を計上できるため上手にやりくりすれば高い効果を発揮してくれます。

・物件の修繕費

不動産を必要な範囲内で修繕したものは必要経費として計上できます。

なお、不動産の価値を上げる修繕に関しては資本的支出として修繕費とは区別され、各年分の必要経費として計上することになります。

・ローン金利

不動産を購入するにあたって組んだ不動産投資ローンの内、金利負担分は必要経費に計上することができます。

必要経費に計上できない主な項目

一方、必要経費に計上できないものとしては、以下のようなものがあります。

・住民税や所得税

・不動産所得に関係のない私生活に関わる費用など

・住民税や所得税

住民税や所得税は不動産投資に関係なく発生する税金のため、不動産所得の必要経費に計上することはできません。

・不動産所得に関係のない私生活に関わる費用など

不動産投資用に購入したマンションの一室に、居住用として入室している場合の損害保険料などは、不動産所得の必要経費に計上することはできません。これと同じく、投資用マンションに関わることでも、私生活に関わる費用として出費したものは必要経費として計上することができません。

確定申告が必要なケースとは?

サラリーマンであれば会社が源泉徴収をしてくれますが、不動産所得は自分で計算して確定申告をする必要があります。しかし、全ての人が確定申告しなければいけないわけではありません。どのようなケースで確定申告が必要になるのでしょうか?

確定申告が必要になるケース

給与所得のある方が不動産投資をする場合、不動産所得が20万円を超えなければ確定申告をする必要はありません。

逆に、不動産所得が20万円を超えた場合は、その所得が発生した翌年の2月1日~3月15日までの間に税務署など所定の場所に確定申告書類を提出する必要があります。

また、不動産所得が20万円を越えなかった場合でも、必要経費が想定以上に掛かり、不動産所得が帳簿上赤字になった場合給与所得と合算して赤字分を給与所得から差し引くことができます。この場合、差し引いた分に掛かる税金分、還付を受けられることになります。

確定申告をする上で必要な書類

確定申告をする上で必要な書類として以下のようなものがあります。

・決算書不動産用:青色申告

・収支内訳書不動産用:白色申告

・収入のわかるもの

・貸借人の氏名や家賃月額がわかる資料

・通帳や領収書、請求書など、必要経費がわかるもの

詳しく見ていきましょう。

・決算書不動産用:青色申告

不動産投資に取り組むにあたり、日々の取引の状況を細かく記帳し、その記帳に基づいて正確な申告をすれば税制上の優遇(最大65万円の控除)を受けられる青色申告という制度があります。

青色申告制度を利用するための条件として、「不動産の運営が事業的規模であり、かつ不動産経営にまつわる取引を発生主義に基づいた正規の簿記で記帳し、これに基づく貸借対照表や損益計算書とともに提出する」必要があります。

事業的規模とは、おおむね10部屋以上、もしくは5棟以上であるとされています。

要は、事業的規模であることを満たした上で、定められ帳簿をつけて提出すれば65万円の控除を受けられるということです。

自分で帳簿をつけても良いのですが、専門的知識が必要なので税理士に相談するのが良いでしょう。

・収支内訳書不動産用:白色申告

青色申告でない申告を白色申告と呼びます。

実際には白色申告と言うものがあるわけではあく、青色申告でない普通の確定申告を白色申告と呼んでいます。白色申告では、収支内訳書と呼ばれる書面に収支状況を記入して申告することになります。

・収入のわかるもの

現金出納帳など、年間でどれだけの収入が出ているかわかる書類を用意しましょう。

・賃借人の氏名や家賃月額がわかる資料

不動産の賃借人の氏名や賃借期間、敷金礼金の預かり状況などがわかる資料を用意しましょう。

・通帳や領収書、請求書など、必要経費がわかるもの

必要経費の支出の際に受領した請求書や領収書、銀行振り込み書、借入金の支払い明細、固定資産税領収書、保険金領収書など、その額と支出した日付のわかる書類を用意しておきましょう。

まとめ

不動産投資を行い、利益が出ると確定申告をして税金を納める必要があります。所得額が大きいと多額の納税が必要です。いざ、納税のタイミングになって手元に必要な資金がない、ということが起こらないよう自分である程度計算し、しっかり準備しておくことが大切です。サラリーマンが自分で不動産投資の確定申告することはかなり骨の折れる作業となるので、確定申告サポートを行っている不動産投資会社や税理士にご相談することをお勧めします。

また、減価償却や青色申告などはうまく活用すれば不動産投資の利益を大きく伸ばせる可能性があります。しっかりと勉強して有効活用するようにしましょう。

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