土地売却にかかる税金と計算方法、軽減措置の適用条件を解説

2018/12/10

税金対策

不動産の運営をしていてややこしくなるのが、税金の処理です。物件の購入・運営・売却いずれをとっても必ず税金がかかりますので、面倒ではあっても忘れずに申告と支払いを行う必要があります。

今回は土地の売却と税金の関係に焦点を当て、かかる税金の種類と税率、そして売却益(譲渡所得)が生じた場合の特別控除の額と適用条件までご説明します。まずは、損益にかかわらず発生する税金を頭に入れるようにしてください。

土地売却時にかかる税金

土地を売却したときの税金として、印紙税・登録免許税・固定資産税があります(消費税は非課税です)。それぞれどんな税金であり、どれくらいかかるのかご説明します。

 

印紙税

印紙税は、経済取引の際に作成する書類にかかる税金です。不動産売却の場合は、土地の売買の際に取り交わす売買契約書に所定の印紙を貼りつけて消印することで納付します。本来は税務署へ申告して支払うものではありませんが、印紙貼りつけの代わりに申告納税方式で支払うことも可能です。

 

不動産売買契約書に貼りつける印紙代は、保有する者が負担します。そのため、売主も買主も印紙を購入し、契約書に貼りつけて印紙税を納める必要があります。売却時だけでなく、購入時にも納税することになるので注意してください。

 

印紙税の税額は契約金額(売却価格)によって異なっており、たとえば1,000万円超~5,000万円以下なら2万円、5,000万円超~1億円以下なら6万円などとなっています。ただし、2020(平成32)年3月31日までは、軽減措置として1,000万円超~5,000万円以下なら1万円、5,000万円超~1億円以下なら3万円などと減額されます。詳細は以下に示す国税庁のホームページを参照してください。

 

参考:No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで | 国税庁

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7140.htm

参考:不動産売買契約書の印紙税の軽減措置 | 国税庁

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/08/10.htm

 

登録免許税

登録免許税は、土地の名義変更や所有権を移すための登記を行うときに納めます。登記の種類によって税率は異なり、たとえば売買による所有権移転登記の税額は課税標準(不動産の価額)の2.0%と定められています。ただし、これも2019(平成31)年3月31日までは1.5%となるなど、軽減税率が適用されています。詳細は以下のページを参照してください。

 

参考:No.7191 登録免許税の税額表 | 国税庁

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm

参考:登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sonota/torokumenkyo29.pdf

 

固定資産税

固定資産税は、土地、家屋、償却資産(減価償却の対象となる資産)などの総称である固定資産の所有者に対して課される市町村税です。その年の1月1日時点の所有者に対して課されます。土地の売却時は、慣習的に所有権が移転する日以降の税額を日割りで計算して購入者から「精算金」として受け取る形になります。

 

税率は都道府県および各市町村が設定できるのですが、標準税率は1.4%と定められています。大概の自治体はこの標準税率を使用しており、東京都も1.4%です。

 

売却益が発生する土地取引にかかる税金

土地の売却によって売却益(譲渡益)が発生すると、税法上では「譲渡所得」に分類され、所得税や住民税などの対象となります。譲渡所得に対する税金や控除の種類についてまとめました。

 

譲渡所得に対する税金

土地を売却して利益が出ると、譲渡所得として給与所得や事業所得などの所得とは分けて計算し、所得税・住民税・復興特別所得税の課税対象になります。これを分離課税と呼びます。確定申告の手続き自体は、ほかの所得と一緒に行います。

 

譲渡所得に適用される税率は、土地の所有期間によって異なります。ポイントは、売却した年の1月1日時点で5年を超えるか否かです。5年を超える場合は、長期譲渡所得の税率が適用され、所得税15%・住民税5%となります。5年以下の場合は、短期譲渡所得の税率が適用され所得税30%・住民税9%です。復興特別所得税は、所有期間の長さによらず所得税額の2.1%で固定されています。

 

譲渡所得にかかる税額の計算方法

譲渡所得にかかる税額を計算するには、課税譲渡所得金額に長期譲渡所得か短期譲渡所得の税率をかけ算します。

 

課税譲渡所得金額は、以下の計算式で算出されます。取得費は購入時の価格、譲渡費用とは売却時に支払った仲介手数料、印紙税、立ち退き料、建物の取り壊し費用、測量費用などの諸費用を指します。特別控除については、次の見出しでご説明します。

 

譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額

 

前述の通り、長期譲渡所得および短期譲渡所得の税率は以下の通りまとめられます。

 所得税率住民税率復興特別所得税率
長期譲渡所得15%5%

所得税の2.1%

(0.315%)

短期譲渡所得30%9%

所得税の2.1%

(0.63%)

 

譲渡所得の特別控除

要件に当てはまる場合、譲渡所得の特別控除を受けられる可能性があります。適用条件は特例によって異なります。

 

平成21年、22年に取得した国内の土地を売却する場合

*特別控除額

1,000万円の特別控除を受けられます。譲渡所得の金額が1,000万円に満たない場合は、譲渡所得の金額がそのまま控除額となります。

*適用条件

2009(平成21)年1月1日から2010(平成22)年12月31日までの間に土地を取得しており、2009年に取得した場合は2015年以降、2010年に取得した場合は2016年以降に譲渡すること。親子や夫婦など、特別な間柄から取得した土地ではなく、相続や贈与などで取得した土地でもないこと。

 

公共事業などのために土地建物を売却する場合

*特別控除額

最高5,000万円までの特別控除を受けられます。

*適用条件

代替資産を取得した場合の課税の特例を受けていないこと。最初に買い取り等の申出を受けた者が、買い取り等の申出があった日から6か月を経過した日までに土地建物を売っていること。

 

マイホーム(居住用財産)を同時に売却する場合

*特別控除額

所有期間の長短に関係なく、譲渡所得から最高3,000万円まで特別控除を受けられます。

*適用条件

ほかの特例を受けていないこと。以前に住んでいた家屋や敷地の場合は、住まなくなった日から3年目の12月31日までに売ること。

 

特定土地区画整理事業などのために土地を売却する場合

*特別控除額

2,000万円の特別控除を受けられます。

*適用条件

土地区画整理事業、住宅街整備事業、第一種市街地再開発事業などの事業のための買取であること。国、地方公共団体、独立行政法人都市再生機構又は地方住宅供給公社が事業の施行者かつ買主であること。

 

特定住宅地造成事業などのために土地を売却する場合

*特別控除額

1,500万円の特別控除を受けられます。

*適用条件

地方公共団体等が行う住宅の建設又は宅地の造成のため、収用等の事業を行う者にその収用の対償地に充てるため、特定の民間の宅地造成事業又は住宅建設事業の用に供するため、公有地の拡大の推進に関する法律の規定のためのいずれかであること。

 

農地保有の合理化などのために土地を売却する場合

*特別控除額

800万円または1,500万円の特別控除を受けられます。

*適用条件

農用地区域内の農地を農用地利用集積計画又は農業委員会のあっせん等により譲渡した場合、あるいは農用地区域内の農地を農地中間管理機構又は農地利用集積円滑化団体に譲渡した場合は800万円の特別控除です。

農用地区域内の農地等を農業経営基盤強化促進法の買入協議により農地中間管理機構に譲渡した場合は1,500万円の特別控除です。

 

土地を売却したら税金がかかることを忘れないようにしよう

土地を売却した場合、必ず印紙税・登録免許税・固定資産税がかかります。売却益が生じると、所得税・住民税・復興特別所得税がさらにプラスされます。場合によっては、売却益の半分近くが税金で引かれてしまう可能性もあります。

 

そこで特別控除の条件を頭に入れ、利用できるものがあったら忘れず利用するようにしましょう。自分の土地が適用されるか心配な場合は、不動産会社や税理士など専門家に確認してください。

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