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これから不動産投資を始めようとする方のなかには、どうやって物件を探せば良いのかわからない」と不安に感じる方もいるはずです。
不動産投資は物件選びで収益性の大部分が決めるため、最初の物件選びは非常に重要です。物件選びで失敗すると、運用中にキャッシュフローを大きく改善することは難しくなります。
本記事では、不動産投資における物件の探し方や、収益物件を見極めるためのチェックポイントについて解説しきます。これから不動産投資を始める方はぜひ参考にしてください。
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目次
不動産投資では、最初の物件選びを失敗すると運用中のキャッシュフロー改善が難しくなり、なかなか利益を出せません。物件選びで収益の大部分が決まると考えている投資家もいるほどです。
キャッシュフローを改善するには、空室率を下げるために入居者の募集方法を工夫したり、家賃を上げるためにリフォームして快適な部屋作りをしたりする方法があります。
しかし、賃貸需要の少ないエリアを選ぶと、なかなか入居者が見つからず空室率を下げられません。また、リフォームによって上げられる家賃の幅は限られているため、大幅にキャッシュフローを改善するのも難しいのです。
物件の探し方は、無料で手間をかけない方法から、不動産会社に足を運ぶ方法までさまざまです。いろいろな物件を探しながら、収益物件を判断できる知識を身に付けていくといいでしょう。
ここでは、不動産投資における物件の探し方について解説します。
不動産会社のウェブサイトを調べると、さまざまな物件を見て検討することが可能です。物件のエリアをあらかじめ決めている場合は、その条件に絞って物件を探せます。
しかし、掲載されている物件のなかには、人気がなく売れ残っている物件もあります。一方で、条件が良い物件はすぐに売れて掲載されないことがあるため、探し出すのは難しいでしょう。なるべく複数のサイトや物件を調べて検討することが大事です。
収益性のない物件ばかりを掲載している悪質なウェブサイトも存在します。ウェブサイトを運営している会社の概要から、社歴や設立年月日を確認しましょう。不動産取引業の記載があれば、カッコ内の数字を見ても社歴がわかります。
数字は免許を更新した回数で、更新の頻度は5年に一度です。たとえば、1年目であれば(1)となり「東京都知事(4)」と記載があれば、その会社が15年以上にわたり運営されていることがわかります。10年もしくは15年以上運営されていれば優良なウェブサイトという目安になります。
物件情報の詳細も優良なウェブサイトを見極める目安です。写真や、物件がある街の口コミの数が充実しており、物件の雰囲気がわかりやすければ問題ないと判断できます。
ウェブサイトは無料で調べられるため、いくつかの優良な不動産会社をピックアップして、それらのウェブサイトからさまざまな物件を見ることが大事です。
不動産会社の経営者が出版した書籍を読むことで、物件そのものだけでなく、それらを扱っている不動産会社の特徴がわかります。
書籍は会社の経営者など、身元が明らかになっている人が責任を持って書いています。また、有料での購入になるため、ウェブサイトの無料の情報よりも信頼できると考えられるのです。
経営者の書籍を読むことで、不動産投資における経営の大事なノウハウも身に付きます。
不動産会社に直接問い合わせて物件を探すのも一つの方法です。インターネットや電話だけではなく、不動産会社まで足を運び対面で説明を受けると、より理解が深まります。自分の誠意が伝われば、優先して収益性が高い物件を紹介してくれることもあります。
投資する物件のエリアがある程度決まっている場合は、そのエリアに長く根付いている地元の不動産会社を訪れるのもいいでしょう。エリアのことを熟知しているため、有益な情報を得られます。
自宅に近いエリアの物件に絞り、不動産会社もその周辺のエリアで探して問い合わせるのも効果的です。運用時に入居者からの問い合わせやクレームがあった際、近場の不動産会社なら素早く物件に駆けつけてもらい、対応を依頼できます。
現地まで足を運ぶ手間はかかりますが、その分、収益物件を探せる確率は高いといえるでしょう。
不動産投資の物件を探すときは、さまざまな要因を考慮して収益性があるかどうか判断しなければいけません。ある程度の知識を習得したら、不動産会社に相談してみるのもいいでしょう。
ここでは、不動産投資の物件を探す際にチェックすることを解説します。
物件価格や利回りを見ることで、その物件に収益性があるかどうか判断できます。
利回りは物件価格に対する年間の家賃収入の割合ですが、その割合は物件価格で変動することが多く、家賃収入で大きく変動するケースはありません。相場より高い物件価格で購入する「高値掴み」をしてしまい、十分な利益を得られないことはよくあるケースです。
地域別による利回りの目安は以下の表のとおりです。なお、運用中における家賃の変動や空室の発生により、得られる家賃が変わって実際の利回りも異なるため、利回りはあくまで参考程度と考えておきましょう。
エリア | ワンルームタイプ | ファミリータイプ |
東京(城南地区) | 3.9% | 3.9% |
札幌 | 5.0% | 5.2% |
仙台 | 5.1% | 5.2% |
横浜 | 4.5% | 4.4% |
名古屋 | 4.6% | 4.7% |
京都 | 4.8% | 4.9% |
大阪 | 4.4% | 4.4% |
神戸 | 4.8% | 5.0% |
広島 | 5.2% | 5.3% |
福岡 | 4.7% | 4.7% |
(出典:日本不動産研究所「第48回 「不動産投資家調査」(2023年4月現在)の調査結果」/https://www.reinet.or.jp/wp-content/uploads/2023/05/publication_data48th.pdf)
駅や病院など、公共施設が近くにある立地条件の良い物件は賃貸需要が高いと言えます。駅からの距離は、都内の物件なら徒歩10分前後、それ以外の物件なら10分以内が目安と考えられるでしょう。
近くに工場や高速道路などがないかどうかも確認が必要です。騒音や振動が多く、なかなか新しい入居者が現れない可能性があるからです。
これらの情報は、地図アプリを使って物件の住所を検索することで調べられます。
物件の間取りや設備は周辺地域のニーズに合わせることが重要です。ニーズの合わない物件では、入居者を見つけるのが難しいからです。
たとえば、大学が近くにあり学生が多いエリアや、オフィス街の近くにあり単身赴任の会社員が多いエリアなら、1Kや1LDKなどのワンルームタイプが求められます。一方、学校や公園が近くにありファミリー層が多いエリアなら、3LDKなどが求められるでしょう。
物件の設備では、インターネット無料の環境は非常に人気があります。また、セキュリティの観点からエントランスのオートロックもニーズが高くなっています。
以下に示すとおり、単身者向けとファミリー向けの両者において、人気の設備ランキングは1位がインターネット無料で2位がオートロックです。
(出典:全国賃貸住宅新聞「ネット無料、首位独走【入居者に人気の設備ランキング2023 付加価値編】」/https://www.zenchin.com/news/content-1257.php)
空室率は、その物件にどれだけの空室の期間があるかを示す指標で、数値が低いほど空室期間が短く良い物件と判断します。50%以下を目安として考えるといいでしょう。
また、長期間にわたり空室が続いている場合は、それ以降も入居者がなかなか現れない可能性があります。目安として3カ月以上にわたり空室となっている場合は、収益性が低いと考えたほうがいいでしょう。
空室率が高くても、家賃や募集方法の見直しにより改善する余地はありますが、難易度が高いことには変わりありません。
耐震基準については、新耐震基準に適合した物件を選ばないと、金融機関から融資を受けられない可能性があります。旧耐震基準では、耐震性が不十分で金融機関からの信用度が低くなるからです。国土交通省からも、以下のように旧耐震基準によって作られた建物について述べられています。
・昭和56年以前に建築された建物は、建築基準法に定める耐震基準が強化される前の、いわゆる「旧耐震基準」によって建築され、耐震性が不十分なものが多く存在します。 |
(引用:国土交通省「住宅・建築物の耐震化について」/https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr_000043.html)
正確にいうと、旧耐震基準は1981年5月31日以前に、確認申請という書類を受理された建物に該当します。
確認申請が受理された日をチェックしたい場合は、役所の建築指導課の窓口で手続きをしましょう。「建築計画概要書」や「台帳記載事項証明書」を取り寄せることで、その日付がわかります。
物件価格に対する土地の価格(土地値)の割合も、物件を探す目安になります。物件価格は経年劣化により徐々に下落する傾向にありますが、土地値よりも下落することはないからです。土地値が高いほど物件価格は下がりにくいことになります。
目安として物件価格に対する土地値の割合は、70%以上なら物件価格が下落しにくく収益性のある物件といえます。
土地値は国土交通省の土地総合情報システムにより調べられます。投資する物件のエリアが決まったら、土地総合情報システムにより地図上で土地値を検索してみましょう。
物件を販売する形式には「売主」と「仲介」の2種類があります。売主の場合、投資家と売主との契約になりますが、仲介の場合は不動産仲介業者が投資家と売主の間に加わります。
投資家は不動産仲介業者に仲介手数料を払わなければならないため、物件購入の際に仲介の有無を確認することが必要です。仲介手数料は物件価格の約3%で、2000万円の物件価格なら約60万円の仲介手数料がかかることになります。
自分で物件を選ぶよりも、プロである不動産仲介業者に収益性のある物件を提案してもらうことで、結果的に大きな収益を得られる可能性もあります。
なお、J.P.Returnsが提案する物件は売主物件です。仲介手数料がかからないため、物件選びに迷っている方は物件ラインナップについてお問い合わせください。
不動産投資における物件選びは非常に重要です。失敗することがないよう、注意しなければいけないポイントがあります。
ここでは、不動産投資の物件を探すときの注意点について解説します。
収益性の高い物件を探すには、まずは不動産投資の知識を得なければ物件を判断できません。時には、悪質な不動産会社に高い値段で物件を購入させられることもあります。
現在は、インターネットで無料で情報を仕入れることができます。できればあらゆるウェブサイトからさまざまな人のノウハウを学んだほうがいいでしょう。不動産投資の考え方は多様で、一つの偏った考え方で判断するのは危険だからです。
また、体系立てて不動産投資を学びたい場合は、書籍を購入するのもいいでしょう。費用はかかりますが、ものごとを順番立ててわかりやすく学べます。
利回りを調べると収益性の高い物件かどうかわかりやすくなりますが、利回りだけで判断するのは危険です。賃貸需要が低い物件の場合、空室期間が長く続き家賃収入が得られないからです。さらには、家賃を下げてまで、入居者を募集しなければいけないこともあるでしょう。
すでに入居者がいる物件を購入するオーナーチェンジの場合も注意が必要です。たとえば、単身者の場合、入居期間は1~2年が多いですが、稀に10年以上住む人もいます。その場合、長く住んでいる分だけ原状回復費用が高くなるからです。
通常は10万円程度になりますが、10年以上住んでいると50万円以上かかることもあります。
なお、利回りはあくまで目安なので、他の要因と一緒に総合的に物件を判断しましょう。
物件を探すときは、まず入居してもらう人のターゲットを絞ることが大事です。ターゲットの違いにより、探すべき物件が変わるからです。単身層なら1Kなどのワンルームタイプ、ファミリー層なら2LDK以上のタイプの物件を選ぶ必要があります。
入居者のターゲットが決まれば、選ぶべきエリアも決まります。ターゲットになる人が多く住んでいるエリアを選びましょう。
過去に殺人事件や自殺、孤独死などが起こった物件は事故物件と扱われ、心理的に抵抗があるため入居者が見つかりにくい傾向があります。事故物件は購入する際にその旨を告知されるため、知らずに事故物件を購入することはありません。もし告知された場合は注意しましょう。
殺人事件の場合は、物件の価値が半減して安く売られていることもあるため、購入すれば利回りは2倍ほど高くなります。しかし、入居者をなかなか見つけられず、結果として家賃を大幅に値下げする場合もあり、投資の難易度は高くなるでしょう。
物件の購入には、競売にかけられた物件を購入する方法もあります。競売物件とは、住宅ローンを返済できなくなった人が、裁判所によって強制的に競売にかけられた物件です。これまでは、相場よりも比較的安い価格で購入できる傾向がありました。
しかし、競売物件の価格は次第に高騰しているため、安く購入できなくなっています。また、落札できたとしても代金の納付までの期間が短いため、金融機関からの融資が間に合わず、代金を納付できない恐れもあります。
不動産投資の初心者にとって、競売物件は難易度が高いため注意が必要です。
不動産投資において、物件まで足を運び実際に自分の目で確かめることは重要です。現地調査することで、インターネットだけではわからないことが明らかになるからです。
ここでは、現地調査において物件をチェックするポイントを解説します。
物件の周辺環境を自分の目で見ることで、景観や騒音の有無などをチェックできます。賃貸を契約する際は入居者も内覧をするため、入居者と同じ立場で物件を見て、入居したいと思える物件かどうか判断することが大事です。
最寄りの駅から物件まで実際に歩いてみると、その道のりで気付くことがたくさんあります。単身者をターゲットとするなら、コンビニやスーパーマーケットがあると利便性が高いといえるでしょう。
また、徒歩10分以内といった比較的良い条件でも、実際の道のりに大きな高低差があると、歩くのが大変なこともあります。できる限り、入居者の気持ちを考えることが大事です。
共用部を見て、管理が行き届いているかチェックすることも重要です。日頃からしっかり管理されていれば、入居者が快適に生活できていることがわかるからです。空室率に影響し、家賃収入を継続して得られるかどうかが変わってきます。
たとえば、ごみ置き場や共用廊下を見てみましょう。きれいに清掃されていれば、しっかり管理されている証拠です。
不動産投資の物件選びは、不動産の知識を持ったうえで利回りや立地条件など、さまざまな要因を考慮しなければいけません。物件選びに失敗すると、運用中にキャッシュフローを改善するのは難しいため、不動産投資は物件選びがとても重要だと考えられます。
不動産投資には大きな資金を使います。大きな損失を出さないために、不動産に詳しい会社に問い合わせてみるのもいいでしょう。プロの知見からさまざまなアドバイスをもらえたり、良い物件を提案してくれたりします。
ある程度の知識は自分で学ぶ必要がありますが、独学では吸収できる知識の幅に限界があります。物件の探し方を相談したいという方は、ぜひJ.P.Returnsの個別相談をご利用ください。
J.P.Returns株式会社
執行役員 コンサルティング3部 本部長
J.P.RETURNS執行役員。
J.P.RETURNSに入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。数百戸の投資用区分マンションを販売、自身でも6件の不動産を所有、運用している。現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。
【書籍】
日本で最も利回りの低い不動産を持て!
マンション投資2.0
【ブログ】
室田雄飛のモグモグ不動産投資ブログ
不動産ライター。大手ゼネコン在籍中は、一級建築士としてマンションや事務所ビルなど数多くの建築施工に携わり、海外建築の施工も経験あり。現在は不動産投資で都内に3つの物件を所有。
これらの経験を活かし、大手メディアで不動産ジャンルに特化して記事を執筆している。
【保有資格】
一級建築士、一級建築施工管理技士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士