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資産運用や投資に対して、未だにギャンブルと似たようなイメージを抱く人も多いと考えられます。しかし実際は、資産運用に伴うリスクを理解したうえで安定的に資産を増やし収入を得ることも可能です。
今回は、資産運用の基礎知識としてそのメリットや資産運用の種類、実際に始めるうえでのポイントについてご説明します。こちらの記事で基礎知識を頭に入れて、興味を持った運用方法を試していただければと思います。
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目次
最初に、資産運用の定義やメリットについてお伝えします。一見遠回りに感じるかもしれませんが、こうした前提知識を本当の意味で理解しているかどうかは、資産運用の成功と失敗を分ける大きなポイントです。資産運用について知っているつもりの人も、今一度復習のつもりでご確認ください。
資産運用とは、所有する金融商品や資産を活用して、効率的に増やしていくことを指しています。
資産運用には「貯蓄」と「投資」の2種類があります。貯蓄とは、お金を確実に貯めることを目的とした運用形態です。最初の金額(元本)より価格が下がらないことを重視した「元本保証」のものが多く、その代表例が銀行預金(普通預金、定期預金など)です。
投資とは、お金を増やすことを目的とした運用形態です。貯蓄より大きく増やせる可能性がある一方で、状況によっては損をする可能性もあります。投資する金融商品によってリスクの大きさやメリット・デメリットが異なるため、複数の商品に投資する「分散投資」が基本的な方法と考えられています。
資産運用のメリットは、将来のための蓄えを構築できることです。保険料や税金、物価上昇(インフレ)などによって、未来の生活には不透明感が広がっています。また結婚や出産、子育てや住宅購入、介護など大きな出費を必要とするライフイベントもあります。そんな中で、資産運用によって将来に備えようとするのは当然なすべき対応であると言えるでしょう。
資産運用によって、「お金がお金を生む」という仕組みを作ることもできます。株式の配当金、債券の金利、投資信託の分配金、不動産の家賃収入など、お金を運用することで収入増加につながるのです。こうなると、自分自身や家族の安定した環境が手に入ると言えます。
また、資産運用には社会的なメリットもあります。資産運用によって国や企業にお金が回りますので、社会貢献になります。国や企業は資産運用によって調達したお金を使って商品やインフラ整備、サービス開発などを行いますから、巡り巡って私たちが質の高い生活環境を手に入れることにもつながるのです。
資産運用と言っても、その種類はきわめて多様です。その中から、特に初心者にもおすすめできるもの、長期的な資産形成に適しているものを選択してご紹介します。
不動産投資は、収益を目的として不動産を運用するタイプの資産運用です。購入した物件が値上がりしてから売却すれば売却益を得られますし、所有するマンションやアパートなどの住宅施設を賃貸に出せば家賃収入を得られます。
不動産投資の特徴は、長期にわたって安定したリターンを得られる点です。売却益は売却した時点で一度しか入りませんが、家賃収入は毎月入ってきます。家賃収入が税金や手数料、ローン返済額などの支出を上回っていれば、労力をあまり投じる必要のない「不労所得」を手にできます。インフレによって価値が下落しにくいのもメリットです。
不動産投資は、節税対策としても活用されます。課税対象となる不動産の価値は、現金より割り引いて見積もれるためです。
投資信託とは、専門家に運用を委託するタイプの金融商品です。専門家は投資家から資金を集めて、株式や債券、不動産などさまざまな投資を行います。どういった資産にどの程度の割合で資金を投じるのかは、投資信託ごとの方針によって異なります。たとえばアメリカの株式だけを投資対象とするものや、国内外の株式や債券にバランスよく投資する「バランス型」と呼ばれるものなど、多種多様です。投資家は、運用方針を見たうえで購入する投資信託を決めることができます。
運用によって発生した損益は、投資家に返ってきます。大きく利益が出れば、投資家に対する分配金も多くなりますし投資信託自体の価格も上昇します。逆に損失が出れば、投資家も影響を受けます。決して元本の保証された商品ではありませんから、場合によっては大きな損失を被る可能性がある点には注意してください。
株式投資は、企業が資金調達のために発行した株式を購入するタイプの資産運用です。企業は、株式を購入した株主から調達した資金を使って事業の拡大や新商品の開発などを行います。
株式投資による利益は、売却益・配当金・株主優待の3種類です。購入した株式の株価が上昇した後に売却すれば売却益を得られますし、長く保有すれば企業の利益の還元として配当金や株主優待を受け取れます。また、株主総会での議決権を得ることで、企業の意思決定に関与できます。
株式投資でも、元本は保証されていません。株価が大きく上昇して大儲けを期待できる反面、暴落して元本割れとなる可能性もあります。また企業によっては、配当金や株主優待を実施していないところもあります。
銀行預金も、資産運用の一種です。「自分は資産運用なんてやったことがない」という人でも、無意識のうちに資産運用を実施していたことになります。
銀行に預けているお金の利息で資産を増やすわけですが、現在の日本ではほとんど利息は付きません。リターンが期待できない一方で、元本は基本的に保証されているメリットもあります。外貨預金や定期預金など、普通預金と比較して条件のよい預金方法も存在します。
ただし、銀行預金だけでは、インフレに弱いのがネックです。銀行預金にほとんど利息が付かないのに対し、インフレは小さいながらも進んでいきます。インフレで物価が上昇した分だけ、預金の価値が下がることになります。銀行預金以外の運用方法も検討してみてはいかがでしょうか。
資産運用の基本について理解できたところで、それではどんな商品をどれくらい買えばよいのでしょうか。自分なりに検討する際のポイントをお伝えします。
いきなり投資先を決める前に、具体的な目的を設定しましょう。たとえば「収入を毎月5万円増やしたい」「子どもの教育費を資産運用でまかないたい」「老後の生活費のための資金にしたい」など、その人の年齢や立場に応じてさまざまな目的が考えられます。
目的が決まると、目標額が明確になります。目標がはっきりすると運用方法も絞られてくるため、運用対象や金額などで迷いにくくなるのです。
資産運用をする場合は、分散投資を行うのが原則です。
分散投資とは、複数の金融商品に対して投資を行うことです。たとえば株式と不動産を購入したり、複数の資産に投資する投資信託を購入したりすることで、投資先を分散できます。
なぜ分散投資が優れているかと言うと、一つの金融商品の価値が下がるリスクを分散できるためです。株式と不動産を購入していた場合、株式の価値が大きく下がったとしても、不動産の価値が変わらなければ資産全体の下げ幅を抑えられます。
ポイントは、値動きの異なる複数の資産に投資するということです。投資先を増やすと言っても、同じような値動きをする資産を増やしたところでリスクの分散にはつながりません。同じセクター(業界)の株式を10社分購入しても、あまりリスク分散にはならないでしょう。それより、その株式とは異なる値動きをする傾向のある別セクターの株式や債券、不動産などを選択する方が賢明なのです。
資産運用をするからには、それに伴うリスクをあらかじめ認識しておく必要があります。リターンを狙うためには、どうしてもリスクを取らなければいけません。不動産投資であれば「賃貸で部屋が埋まらない」、株式投資であれば「株価が大きく変動して投資した元本を回収できない」などのリスクがあります。
これらのリスクは、ある程度は想定可能です。どういったリスクがどの程度発生するのか、その可能性はどれくらいなのかを見積もっておきましょう。最悪の事態を想定するとともに、リスクを回避するための方法を事前に考えておくのです。
たとえば、資産運用の失敗で生活費にも困るような事態にならないよう、あらかじめ「生活防衛資金」を運用に回すお金とは別に確保することが考えられます。資産運用ではどうしても常に前向きでありたいところですが、実際のところはリスクを冷静に見つめられる投資家の方が成功しやすいものです。
不動産投資や投資信託などの資産運用で成功できれば、資産を大きく増やせます。また、増やした資産自体が、家賃収入や配当金・分配金といった形で収入を生み出してくれるため、経済的な安定性は格段に高まります。
最近は自己資金が少なくても資産運用をする方法が整備されていますから、ぜひ基礎知識の学習と情報収集、そして実際の投資行動から資産運用の世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。
J.P.Returns株式会社
執行役員 コンサルティング3部 本部長
J.P.RETURNS執行役員。
J.P.RETURNSに入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。数百戸の投資用区分マンションを販売、自身でも6件の不動産を所有、運用している。現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。
【書籍】
日本で最も利回りの低い不動産を持て!
マンション投資2.0
【ブログ】
室田雄飛のモグモグ不動産投資ブログ
大学在学中に家庭教師のアルバイトをきっかけにデイトレーダーへ転身。24歳で資産運用法人を設立する。25歳から大手投資用マンションディベロッパーと業務提携後、およそ6年間にわたり資産運用アドバイザーとして活躍。その後、大手不動産仕入れ会社で販売統括責任者として従来の投資用物件の流通システムを革新するプロジェクトを立ち上げる。国内最大規模の投資イベント「資産運用EXPO」で登壇実績があり、同業他社からも多くの見学者が立ち見の列を作った。2020年にJ.P.RETURNSに参画。オンラインでの商談やWEBセミナーを導入し、コロナ禍でも年間300件以上の顧客相談を担当している。
【保有資格】
宅地建物取引士、ファイナンシャル・プランナー(AFP)