将来の年金不安からか、もしくは給料がなかなか上がらないからか、低金利の影響か、不動産のみならず投資全般の需要が高まっています。
投資物件は自宅と違って融資が受けられるなら、購入件数に制限がある訳ではありません。
1億の融資ができますと言われれば、そんなにローンは組めないと心情的に圧迫感を感じる方もいれば逆に買えるだけ買おうとする人もいます。
単純にいい物で、儲かる前提なのであればいくらでも欲しいところですが、投資である以上は必ず成功する保証がある訳ではありません。リスクを考えるとそこまで大きな借金はできないと考える人も当然います。
しかし、中国の様に投資であっても一人当たり不動産の買える件数を制限している国もあります。
これは富裕層による投機的な投資を制限して不動産バブルを引き起こさない様に市場をコントロールする意味合いがあります。
しかし日本にはそういったルールはありません。
事実上、現在はお金があるなら一人でいくらでも不動産を持つ事が許されています。
東京都心部であっても、いわゆる投資するのに「良い場所」は限られています。
その中に建っている建物の数も当然限られています。
特に東京都心部は駅前には商業ビルが立ち並び、住むための建物は必然的に少なくなります。
駅から近ければなおさらです。
当然そんな所に空き地があるわけでもありませんので、古い建物を取り壊して作る、スクラップビルドでなければ新しい建物が建つ機会がありません。
現在はそれだけ新築の供給が難しくなってきているのでなかなか新築マンションが供給されません。
そうなると、中古の市場から程度のいい物件を探すほかなくなります。
その結果中古マンションの相場が上昇する事になるのです。
この一連の価格上昇までの流れにはある程度の時間がかかります。
株価の様に急激に日内変動を繰り返すわけではありません。
大きな経済ショック等が起これば1年2年の中でも相場が変わっていく事はあり得ますが、通常は相場価格が変化するのには相応の時間がかかるのです。
需要に対して新築の供給が落ちている期間が長く続いている現在は徐々に不動産価格が上昇しています。
もちろん郊外はまだ価格が下がり続けているエリアも存在しますが、東京23区内の場所の良い不動産はゆっくりと価格上昇を続けている状況です。
この先みなさんは東京都心部のマンション含む不動産の投資需要はどの様に変化していくと思いますか?
私は今後ゆっくりと日本の人口が減少していく中で、地方では人口の減少のスピードが早くなり、不動産の投資価値が毀損していくと考えています。
その中でもしっかりとした賃貸需要の温床を持っている東京、大阪、名古屋などの大都市圏は例え人口が減少し始めても極端な影響は受けにくいでしょう。
その先は地方の不動産と、都心部の不動産の運用状況に稼働率や家賃の下落率、価格の下落率などで大きな差が生まれ、明暗が別れ始める可能性が高いと思われます。
ましてや東京の中でもさらに立地を厳選して保有する不動産であればなおさら価値の違いは明確です。
地方都市と大都市との二極化は、今後人口の変化と共により顕著になっていく可能性が高いでしょう。