先日、お客様とお話ししていて「もっと不動産買っておけばよかったね」と言われました。
不動産も投資である以上は必ず儲かるわけではありません。
中には「買わなきゃよかった!」と思っている人もいます。
では、この前者と後者はどこに分かれ目があるのでしょうか?
まず買ってよかったと思っている人の状態を説明します。
その方は4件物件をお持ちです。
運用開始から10年ほど経過しており、今売却すればどの物件も残債よりもはるかに高く売れます。
それぞれに取れる利益の金額にこそ違いはあれ、どの物件を売っても数百万円は利益になります。
10年もの間、ゆっくりと取れている家賃収入で残債を削り続けてきた結果です。
当時買われた時期よりも今の方が、不動産価格が上昇していることも状況を好転させています。
残債よりも高く売れる。要は貯金になっているような物件を複数件所有しているので、もっと持っていれば、もっと利益になったのにというのがこのオーナーの感想です。
一方で、買わなきゃよかった!と思っているオーナーの状況はこの真逆の状況ということになります。
今売りに出しても残債よりも下の値しか付かずに売ることができない。
さらには月々持ち出しの収支で、持っている間も資金が流れ出ていってしまい、損失が広がり続けてしまう。
追い打ちをかけるように修繕費や、エアコンの交換、退室時のリフォーム費用が出ているとすれば物件を手放したくもなるでしょう。
ただし、前者の持っていてよかった!と感じている人も収支は変わりません。
月々持ち出しの収支で運用しています。
もちろんエアコンも同じように壊れますし、修繕費も出ています。
これは不動産を運用していればどなたも同様の運用コストがかかります。
という事は、運用していて2者の感想を分けているのは、残債よりも高く売れるかどうかがカギになっているということです。
「今売れば数百万円の利益が取れる」
という状態が作れると、月々持ち出してもそれ以上の利益があることが理解できます。
運用を開始するときは、これが本当に取れるのかが理解できません。
だからこそ悩むでしょうし、本当はもっとローンが組めて、買うことができたとしても躊躇します。
しかし10年の時間が経過したときに、残債よりもはるかに高く売れる物件を所有している実感が持てると、「もっと買っておけばよかった…。」となるわけです。
この例から考えるに、10年後にどのような残債が残っていて、どのような価格で売れるのか?
これがきちんと読めている物件を購入できるのかが非常に大事だということが理解できるのではないでしょうか。
物件の価格が大きく値崩れる可能性が無い物件であれば、残債を減らしていけば必ず利益は取れますので、都心の値崩れしない物件を購入することが、いかに大事であるかがわかると思います。
地方の物件は値崩れを起こしやすく、家賃も下がりやすい。
これは誰でもわかる事だと思いますが、それでも見た目の利回りが高い地方物件に目を奪われる方は後を絶ちません。
運用中かかった投資資金がそれ以上の効果を産んでいる実感があるという状態になれば不動産投資をしてよかったとなるわけですから、10年後のあなたがどう感じているかがリアルに想像できる方なら都心の物件を選ぶことになるでしょうね。