不動産投資をする際に借り入れを伴う場合は金利を支払うことになります。
当然少しでも金利が安い方が有利です。
でも中には金利について過剰に気にする人もいますし、考え方、とらえ方を間違っている人もいます。
今回はこの借入金利の特性についてお話します。
例えば不動産の実質利回りが4%の場合で、運用コストが0.5%、借り入れ金利が2%であれば、金利と運用コストで2.5%ロスするので、実質は1.5%分の利益しかないはずです。
2000万円の運用なら30万円、3000万円の運用なら45万円が実質の利益となります。
ですが、これはあくまでも投資がスタートした瞬間の収支を示しています。
通常不動産投資のローンは元利均等方式です。
ということは、月々の支払いが10万円ならこれは毎月金利が変動しない限りは変わりません。
しかし、10万円の内の金利分、元金分の比率は毎月変わり金利は返済が進んだ分だけ必要なくなっていきます。
結果、10年後には残債が減った分金利は支払わなくなりますので、運用開始当初よりも利益になりやすくなっていきます。
これと同じ効果が得られる方法が頭金を入れる場合です。
頭金を入れた分だけ金利を支払わなくなりますから、低金利で満額借りた時と同じ様な状態で運用することができます。
運用開始から30年近く経過すると、すでに借り入れも少なくなってきているので支払っている金利も金額で見れば知れてきます。
非常に簡単な言い方をすると、運用の後半になれば例え少し高めの金利で借り入れたとしても、十分投資効果があがるということです。
借入金利が高い場合はむしろ前半の期間の運用の内容に注意するべきです。
金利が高い場合の運用でできることは二つです。
1.頭金を入れること
2.繰り上げ返済をなるべく早期に少しずつでもしていくこと
この二つの方法を組み合わせて運用すれば、実質的には物件の価格に対して丸々金利を支払うことにはなりませんので、金利が高くても運用効果はきちんと得られます。
逆に不動産投資で最もやってはいけないパターンでいえば、物件価格の満額の融資を高い金利で受けて、頭金も入れず、繰り上げ返済もせず、ずっと放置しているという状態が一番損をします。
なおかつ物件の価格は高い方が損をしません。
あまりにも借入金額が小さいと、返済の金額も少なくなりすぎてしまい、年間20万円しか返済されないローンを組んでいる場合は10年でも200万円しか返済されません。
かつ、10年分物件が古くなっていることが影響し、価格が下がると売っても利益にならなくなってしまいます。
もちろん金利が安いに越したことはないのですが、例え少し金利が高かったとしてもきちんと利益が出るようにコントロールすればいいだけなのです。
金利が安い時の運用と遜色ない投資にするにはどうすればいいのか?という視点で考えてみると良いでしょう。