不動産投資で融資を使う場合は、ローンの期間に制限があります。
基本的には二種類の制限があり、お申込人の年齢による制限と建物の築年数による制限がかかる場合があります。
年齢は通常住宅ローンだと80歳完済とすることが多いのですが、不動産投資の場合は85歳までローンが組めることがあります。
申し込み時の年齢が55歳であれば、80歳完済だと24年、85歳完済だと29年が最長の期間となります。
建物の築年数に関する制限は、建物の耐久年数が基準となるのですが、税法上の減価償却期間に合わせている金融機関が多いです。
鉄筋コンクリートだと47年償却となるので、築年数を差し引いた残存期間が融資対象となることが多くなります。
しかし最近になって55年から築年数を引く、または60年から築年数を引くという金融機関も出てきています。
その分ローン期間が長く組めるので、のローンを組む側にとっては返済に余裕が生まれるのでその分使いやすくなります。
税法上の償却期間が47年であっても、建物の耐久年数はそれ以上であることももちろんあり得ますので、考え方に違いができているという事です。
とはいえ、物件はいずれ古くなります。
いくら60年と余裕のある考え方があったとしても、いずれはローンが組みにくくなることは間違いありません。
築45年ともなれば残り15年しかローンは組めないので、月々の支払いもきつくなり、家賃だけでは支払えないという事も多くなります。
持ち出しが多くなるので、買う側としても買いにくくなるのです。
結果、その物件を保有している方は売りにくくなることになります。
マンションは昭和30年代が走りです。
昭和50年代になるとどんどん供給が増えていき、バブル絶頂期にはかなりの棟数が建てられています。
平成2年以降はかなり物件の供給は少なくなっていくのですが、昭和の物件だけでもまだまだ市場には沢山出回っています。
これらの物件もすでに築40年近く経過しているので、今後は融資の期間が十分には取れなくなり、買う側にとっても買いにくくなります。
建て替えられればまた貸していけばいいかも知れませんが、あまりにも古くなれば賃貸に出しても借り手が付きにくくなることはあるでしょう。
融資の期間が十分に取れないということは、自分が保有していた場合は売りにくくなるということですので、買う段階からそのことを念頭に入れて物件を選びましょう。