区分マンションか一棟かそれともアパートか Vol.2(アパート編)

2019/05/24

物件の選び方

┃木造が多いアパート。影響を受けやすいこととは?
次にアパート経営ですが、アパート経営は一棟マンション同様に、物件の状況や立地、入居状況にそれぞれ差があります。

 

 

 

基本的にアパート経営は建築物そのものが木造であることが多く、物件によっては腐食や、シロアリの害なども出ている事があります。

 

マンションの場合は支持層まで杭を打っていることが多いので、液状化などの影響で建物が傾いたり、沈み込む被害は比較的出にくいのですが、木造の場合は被害が大きくなることも想定されます。

 

 

 

特にアパート経営で木造の場合に影響が出やすいのは税金面です。

 

中古で購入された場合は特に大きな影響を受ける可能性が高くなります。

 

木造の建物は減価償却が短く、22年で減価償却がかけられなくなります。

 

そうなると申告上家賃収入に対する経費として減価償却費が計上出来なくなるので、大幅に計上できる経費が少なくなり、入ってきた家賃収入に関しても課税になって納税することになります。

 

高額所得者の場合もともとの所得税率が高いので、せっかく入ってきた家賃収入が課税になると、場合によっては家賃収入の三分の一以上も納税することになってしまい、利回りの高い物件を購入していたとしてもきちんと相応の収入や所得につながらない状態に陥る可能性が高いのです。

 

 

 

逆に減価償却が終わりかけになるとこの税金面のメリットがなくなるため、物件は売却が困難になる可能性が高くなります。

 

一度購入してしまうとなかなか離脱することが難しく、減価償却が47年と圧倒的に長い鉄筋コンクリート造のマンションと比べて税制面の恩恵が少なくなる事を十分に考慮してから購入する必要があります。

 

減価償却が短いということは当然建物自体の寿命が短いということになるので、将来のメンテナンスや建て替えについてもある程度きちんとした考えを持っておく必要があります。

 

アパート経営ははっきり言って、購入するのであれば売却は考えずに永続的に保有して、子々孫々と資産として継承するつもりで購入するのが前提になるでしょう。

 

 
┃アパートの失敗事例

 

昔と比べると建物もメンテナンスがしやすく、耐久性の高い建築材なども多くなったので、はるかに維持するコストは安くなってきています。

 

入居率が高い物件や建物の状態の良い物件であれば、資産として高い魅力を持っているアパート経営は、一棟マンションと比べて金額も手ごろ感があり、区分所有のマンションと比べると土地、建物が全て自身の持ち物となる絶対的な所有権を持てる魅力があるのも確かです。

 

内装やリフォームで、部屋ごとにかかる設備コストは一棟であれ区分であれどの投資もさほど変わりませんが、一棟マンション同様に外装や共有部にメンテナンスの費用がかかる事になります。

 

塗装や屋根の工事等でも大きな数百万円のコストがかかる可能性もあるため、注意が必要です。

 

 

 

実際にあった悪い事例をいくつか挙げておきます。

 

 

 

・アパート経営を始めて3年目、中古のアパートを購入して運用していたが、台風により屋根の一部が破損して飛んでしまい、屋根からの水漏れや隣の建物に損害がでてしまい、二百万円ほどの損害を被った。 

 

・高利回りの物件を選んで購入したが、家賃が3万円から4万円とそもそもの家賃設定が安く、入居者の3分の1が生活保護者であったが、入居者が建物内で自殺してしまい建物全体が事故物件扱いになってしまったため、事故後賃貸がつきにくくなり家賃も下がってしまった。

 

・購入時は満室に近い状態で引き渡されたが、空室率が高くなり滞納者も増えたため、キャッシュフローが赤字に転落、家賃条件も見直して募集をかけているが改善がみられず周りの物件を調査してみたところ、駅前にマンションが多く建ったことで、周辺の賃貸物件の空室率自体が上がっているため、運用が難しくなっている。

 

 
┃利回りだけに注目していると痛い目にあうことも

 

アパートはそもそも2階建などの物件が多く、低層の住宅地に建っていることが多いのです。

 

こういった住宅地は商業地と比べ、商業価値が低く、家賃が下がりやすい傾向があるため、築年数が経過した際に家賃相場がどう変化していくかを事前に想定しておく必要があります。

 

 

 

良い物件は売りに出ている可能性は当然低いです。

 

きちんと収益になっているものをわざわざ手放す理由が基本的にはないからです。

 

 

 

郊外の物件でたまにあるケースですが、土地だけで売りに出してもうまく売却できないので、わざとアパートを建築して、想定家賃を入れて利回りの取れる収益物件として販売すると売れてしまうケースがあります。

 

こういった物件はそもそも土地だけで買い手がつかない以上、基本的に人気のある立地ではない可能性が高いということになります。

 

家賃はあくまでも想定家賃であるため、実際は家賃がもっと安くなってしまったり、空室が埋まらないなどの問題を抱えている方もいらっしゃるのが現実です。

 

 

 

日本はこれから人口がゆっくりと減少していきます。

 

地方に至っては人口の流出がすでに顕著になっています。
現在人口が増加しているのは一都三県、大阪、名古屋、福岡だけです。
他の地域は毎年人口の減少が大きくなりつつあります。

 

今後経時的に地方都市は人口の問題が大きく影響する可能性が高く、利回りだけを見て購入を決めてしまうと、後々の運用に大きな問題を抱える可能性が大きくなってきています。

 

アパートは低層住宅のため、商業価値の高い商業地には存在していないので、特に家賃や入居率などの影響をマンションに比べ受けやすい傾向があります。

 

商業地は社宅としての需要もあったり、基本的に商業地に人が集まって生活している以上空室率は当然のことですが低くなる傾向があります。

 

 

 

アパート経営を検討されている場合は必ずアパート経営特有のリスクである、減価償却の期間や、建物のメンテナンスコスト、立地条件や家賃の下落率や出口戦略をよく考慮して投資を検討、決定されることをお勧めします。

 

 

 

 

 

 

現在の会社に入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。

現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

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