バブル崩壊とはどんな状況だったのか?

不動産、株式、他の投資も含め、投資に関わった方全般に大きな損失を出してしまった日本のバブル崩壊。

当時一体何が起こったのでしょうか。

 

 
┃戦後の高度成長期にからバブル景気へ 不動産価格が高騰する

 

戦争により東京大空襲や、原爆の投下などで大きな被害を受けて戦争を終えた日本は、そこら中が焼け野原になり、今からは想像も出来ない姿だったはずです。

 

そこから高度成長期に向け、爆発的な経済成長を遂げ、東京等の都市機能を備えた中心地はどんどん急激に開発されていきました。

 

貨幣価値も変わり、物価も上昇し、人口が爆発的に増え、物の無かった時代から急速に物が普及していきました。

 

その流れからそのまま高度成長期、バブル景気へと突入していきます。

 

バブル絶頂期に向け、物価、株価、サラリー、不動産の価格も急上昇していきます。

 

当時は働き手が足りず、大学生が就職の際に面接をすると、大手が囲い込みの為に長期で海外研修に新卒予定の学生を会社負担で行かせて、他社に学生達を採用されないように、海外研修に行かせて接触できなくしていたといいます。

 

ものすごい時代ですよね。今では到底考えられません。

 

いかにお金が余っていたか、また金銭感覚そのものの違いもよくわかるかと思います。

 

 

 

この高度成長期において不動産の価格は都心部を中心に、今現在よりも遥かに高い水準まで急激に高騰していきます。

 

五反田の駅前の1LDKで少し小さい35平米ほどのお部屋のマンションが、新築時6,500万円位の金額で売り出されていました。

 

この時代は金利も高く、住宅ローンの貸付金利も5%を超えていた時期もあります。

 

投資用の金利に至っては7%を超えるものもありました。

 

当時は不動産の価格も年々上昇し続けていたため、2~3年待つだけで購入した不動産が500万円も600万円も価格が上昇するのも、もはや当たり前になっていました。

 

当時は小学生でも、不動産さえ買えれば儲かると言われたくらいでした。

 

 

 

しかし、小さい1LDKの間取りでも6,000万円台となると、当然一般のサラリーマンには当時の収入で考えても、自宅を都内に購入するのはもはや高額になりすぎて難しくなっていました。

 

結果郊外に出て、予算に合う自宅を購入し、一時間以上もかけて通勤するのが当たり前の時代だったのです。

 

都心に不動産を購入できないサラリーマン等の需要を受けて、千葉、埼玉、神奈川の首都圏の住宅地も急速に増え、価格が上昇していきます。

 

 

 

このうなぎ上りに上昇した不動産の価格は、当然本来の不動産としての妥当な価値を考えれば、もう既に本来の価値に見合わないところまできていました。

 

この直後に迎えたのがバブル崩壊です。

 

 ┃バブル崩壊 急速に下落する価格

 

バブル絶頂期に向け、株であれ、不動産であれ最後にバブル崩壊をむかえた瞬間に資産を持っていた方は総じて急激な価格の下落による大きな損害を受けました。

 

バブル崩壊前は、ババ抜きの様な状態になっていたという事です。

 

不動産価格、株価が急速に落ち込んでいき、この当時は夜逃げする様な目にあった人が沢山いました。

 

日本では戦後、貯金を国が奨励した時期があります。

 

さらに日本人の元々の実直な気質から、二足の草鞋を履くようなことを嫌い、投資の様なものに色気を出して手を出すとろくな目に合わないと考えている人も多くいました。

 

そういった人からは、投資で失敗した人は「それ見た事か。」といわれたはずです。

 

このバブル崩壊は当然に、起こるべくして起こっています。

 

どこまでも不動産、株価が上がり続け、本来の価値を通り越して上昇し続けるのは理屈から考えてもあり得ません。

 

しかし、当時は年々全ての価格が上昇し、そんなことは疑いもしなかったのでしょう。

 

その他にも、いわゆるオイルショックやブラックマンデー、リーマンショック等の大きな経済ショックは全ての時代で常に起きていますし、これからもあり得るのだと思います。

 

バブル絶頂期、日本の財閥系の会社などが、アメリカのニューヨークの立地の良い商業ビル等の不動産を莫大な資金で買いまくっていた時期があります。

 

ニューヨークのロックフェラーセンターもその一つで、三菱地所が当時2,200憶円で購入しています。

 

バブル絶頂期はなんと東京の山手線の内側の不動産全体に付く価格だけで、アメリカ全土の土地が買える価格にまで上昇していたといいます。(Wikipedia参照)

 

今は皆さんもご存じの通り、東京の不動産価格は当時よりもはるかに安く、バブル絶頂期のような相場ではありません。

 

近年はリーマンショックのような経済ショックに対して、政府などの対応も早く的確になり、様々なデータや経験値が蓄積された現代では、バブル崩壊当時のような大きな被害にはなりにくいでしょうし、不動産バブルが起きるのを未然に抑制するための様々な仕組みが考案され実行されています。

 

当時は不動産の価格や賃料ですらも、インターネット等もなかったので、一個人の方は相場などを調べようがなく、不動産の取引においては比較する判断材料がなく不透明な取引が多かったでしょう。

 

今はインターネット等で、不動産の価格や賃料について、皆さんも十分に情報が取れる時代です。

 

悪い事例だけを見るのではなく、なぜそうなったのか、どうすればそうならないのかをよく考えた上で、情報を十分に取って検証していれば、バブル崩壊当時の様な大きな失敗をせずに済むはずです。

現在の会社に入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。

現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

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