投資マンションの選び方について徹底解説!Vol.2

2019/07/30

物件の選び方

┃管理会社

マンションは建物全体の所有者で構成される管理組合から、共有部を中心に建物を管理をしてもらう管理会社がついていることがほとんどです。形式としては、全部委託と一部だけ委託する形式と二つの形式があります。

中には稀ではありますが、自主管理といって、所有者の中で当番を決めて交代制等で、独自に管理をしている物件もあります。

ただし、この自主管理は大規模修繕や管理そのものがずさんになることも多く、金融機関によっては自主管理の物件は融資を付けないところも多くあります。
購入時は現金購入であれば、ローンを使わないので買うことは出来ると思いますが、持った後の売却時は、物件の購入者側が融資を使いたくても使えないことになり、うまく売れない可能性が高くなってしまいます。
少なくとも、自主管理の物件の購入は避けた方が無難でしょう。

管理会社には様々あり、大手のデベロッパーや財閥系のデベロッパーの場合は、その会社の子会社が建物を管理をしていることも少なくありません。
会社にもよりますが、最初から決め打ちでグループ会社の管理の場合、管理費が他の管理会社に比べて高めに設定されていることも実は多いのです。

基本的に管理費はあまり将来に渡って変化することが少なく、値上げされる可能性も低いため、実質的な収益を考えると、なるべく管理費が安い方がオーナーにとっては有利です。

 

管理会社の中でも、他の管理会社から管理を奪って管理件数を増やしている管理会社もあり、そういった管理の内容や、低コストを売りにしている管理会社は、管理の内容もよく、フットワークも軽くて、コストも安いことが多いのでオーナーにとっても有利です。
ここでは具体的な名前は上げませんが、インターネットでマンション管理会社のランキング等を検索して頂ければ、おおよそそういった有名な管理会社は上位に食い込んでいるので判断が容易かと思います。

賃貸の管理会社の選び方

マンションの管理費とはいったい何に使われているの?

┃階層

投資物件を探す場合、最上階がいい、一階はダメだなど、個人的な好みで物件の判断をされる方も多いのですが、最上階は建物によってですが、夏場天井が直射日光により熱を持って、天井が熱くなる為避けたいという入居者もいますし、1階を好まれる方も沢山います。
そもそもアパート等は1階と2階しかなく、階段しかありませんよね。

オートロックもないものがアパートの場合は多くなります。
もし、最上階や1階、またはオートロック等が付いているかどうかが、大きく賃貸の状況に影響を与えるのなら、アパート経営そのものが成り立たないということになってしまいます。

実際のところはそんなこともなく、入居状況にはそこまで大きな影響は与えません。

ただし、1階と表記してあっても、現地に行くと高低差によって半地下になっていたり、2階と表記してあっても、実際は1階の扱いになったりと、坂道等で高低差がある場合は表記上のイメージと違うこともままある為、物件の部屋位置などはよく確認していただく必要があります。特に半地下等の場合、湿度によりカビが生えやすかったり、日照の条件が極端に悪い等のケースも少なくありません。

女性の入居者の中には、オートロックや2階以上の部屋位置を希望される方もいるので、そういった需要を考えるのであれば、該当する設備の条件を満たす方がいいかも知れません。
しかし実際の入居率を見ると、気にするほどの大きな影響はありません。

地方であれば、少ない賃貸需要を優先的に自分が獲得するには必要な条件かも知れませんが、東京都内である程度の立地が確保できているのであれば、さほどこの点は気にする必要はないと思われます。

低層住宅地であれば、5階建て、4階建てのマンションもありますが、中にはエレベーターの付いていない物件も多くあります。
私の経験上でも、金融機関の評価からも言えることですが、基本的に4階以上の階層で階段しかない物件は比較的賃貸の付きが悪くなる傾向があります。

そういった物件だからこそ安くなって売りに出ていることもあるかも知れませんが、空室時は苦戦を強いられることも多いので、例え利回りが高い様に見えても購入はお勧めしません。
結果賃料の値下げや、賃貸条件を見直して募集することになる可能性も高いため、他の物件も選べる以上あえてこういった物件を買う必要はないでしょう。

┃現況

これは当該物件の現在の状況を表しているのですが、空室の場合と、賃貸中の場合、また、現所有者が居住中ということもあります。

空室の場合は、現状を見て部屋の中を確認することが出来るので問題はありません。

賃貸中の場合は、少なくともお部屋の中を確認していただくことは物理的にも不可能です。

この場合はお部屋の状況はある程度運任せとなります。

現入居者の内容から、例えば法人契約で女性の社員の方が一人で住んでいて、社宅として使われている等、なんとなく綺麗に使ってもらえているのでは?と想像することは出来ますが、ここはあくまでも想像でしかない為、退室時に原状回復に多少お金がかかる想定もしておいた方が無難ではあります。

現所有者が住んでいる場合は日程を合わせて物件を内覧することも出来るはずです。

この場合、荷物があるため全ては確認できないので、退室時にどこまで所有者の負担でお部屋の状態を直してくれるのか、もしくは現状で設備の状況に不具合等がないのかは、その場で動作確認も含めてよく見ておく必要があります。

┃権利形態

区分所有のマンションの場合に、そのマンションの建っている土地は、所有者全員でその所有権としての権利をそれぞれのオーナーが、自分のお部屋の広さ分だけ持ち分けていることになります。

権利形態には地上権、借地権、所有権がありますが、基本的には所有権であるものを買います。

借地権付きの物件もありますが、借地の更新料がかかったり、借地料を支払わなければならず、ローンも借地権の期限までしか融資期間が取れないなど、融資において不具合が出ることが多く、売却時には特に購入者のローンが付かず苦労することになります。

基本的には地上権も同じ扱いとなるため、ここは所有権にこだわってもらう方が得策です。

借地権付きの物件は安く購入できるメリットがある為、例えば私が高齢で、相続する相手もいないのであれば、自分の生きている内に家賃収入が高い利回りで入る事になるので、後先を考える必要が無ければ借地権付の物件でもいいのかもしれませんが、安いとか利回りが高いというだけで購入を判断するのは持ち物としてリスクが伴う可能性が高くなります。

Vol.3に続く。

現在の会社に入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。

現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

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