不動産投資のリスクを徹底的に洗い出してみます。Vol.4

2019/09/13

リスク

┃家賃収入のリスク

前回までに、エリアによる賃料の下落リスク、築年数によるリスクのその要因と傾向をお話してきました。

それ以外のリスクとして、事件事故が物件に起こることによる賃料の下落リスク、また賃料の滞納リスクについてお話します。

 

 
③事件事故による家賃の下落リスク

 

事件事故が当該物件に関わるマンション内で起こることによる賃料の下落は確率はかなり低いです。
例え所有している物件に、事故や事件が発生したとしても、賃料がタダになることはありません。

 

相場に対して賃料が割安になることはあっても、賃料が取れないわけではありませんし、意外にもそういったことを気にしない方も多く、賃料が少しでも安いのであればと賃貸は付いてしまう事が多くあるのも事実です。

 

どれくらい下がるものなのか等のレポートについては、事故物件ばかりに住み続けている芸人さんがいて、そのレポートをしているので調べて頂ければどれくらい賃料が下がるのかの目安になると思います。

 

 この方は芸人の方で、事件や事故のあった物件ばかりをわざと見つけてきては、そこに住んでレポートするということを繰り返しています。

 

それによって注目を集めているという事ですね。

 

この方のいっていることですが、賃料は安くなっても1万円から2万円程度安いというのが多くて、多くはそれ以上はあまり安くならないと言っていました。

 

私も実際の事故のあった物件の賃貸事例を、そのオーナーさんから聞いたお話だと、4万5千円から1万円賃料は下げて3万5千円で入居者が入ったとその方は言っていました。

 

現在も入居者はついています。

 

 
┃事故物件になるのを防ぐ方法とは?

 

賃料は半額以下になったりするわけではなく、思ったほどは下がらないようですが、基本的にはそういった事故がそもそも起きないにこしたことはありません。

 

もし未然に防ぐというなら、方法は一つしかありません。

 

なるべく賃貸募集の際に、収入も含めて、入居者の背景、属性が良い方を選ぶという事です。

 

 

 

郊外の物件であれば、賃料が3万円とか4万円の物件も多数存在します。

 

しかし、その物件に住む方の収入背景は、当然その賃料に見合った収入の方という事になります。

 

これが都心部の場合は賃料水準自体がそもそも高く、ワンルームマンションでも10万円近い賃料を支払える背景の方が住んでいる事になります。

 

収入背景の良い方の方が、金銭的に困窮する可能性や、トラブルになる可能性も低い為、事件や事故につながる可能性もその分当然下がります。大手の法人契約などであれば尚更です。
物件をお持ちの地域の治安や、お住まいの方の属性も関連性があります。

 

また、今後さらに少子高齢化が進むに当たり、郊外になればなるほど高齢者の賃貸需要が高くなっていく傾向があります。

 

高齢者のひとり暮らしとなると、身寄りがないとか、近くに親族がいないと、そのお部屋の中で、死亡してしまう等のリスクは確率的にも上がってしまいます。

 

例えば、賃貸事情が悪いエリアに物件を持っていて、半年以上も所有物件の空室状態が続いてしまった場合に、お年寄りから賃貸の申し込みが入ってきたとすると、オーナーさんは心情的にも妥協して契約してしまう可能性が高くなります。

 

しかし、賃貸事情が良い物件であれば、人気があって入居の申し込みが3件まとめて入っている場合には、その申込者3人の中から入居者の属性を選んで契約することもできる事になります。
例えば2LDKのお部屋にはほとんどの場合に一人で住んでいることがない為、孤独死などのリスクは軽減できます。選ぶ物件によってもリスクは変わってくることになりますね。

 

 

 

高齢化や、所得背景、賃貸需要の有無等を考えると、都心部の需要の高い不動産は色々な意味でのリスクヘッジにつながり、利回りは郊外と比べて多少下がっても、安定して運用ができる可能性を高めてくれる効果があるということになります。

 

 

 

単純に賃料が下がるリスクと一口にいってもこれだけ様々なリスクがあるのですが、立地が良い不動産は、築年数による賃料低下もリスクが低く、空室率も低い、さらに様々なトラブルの可能性を極限までリスクヘッジできるということになり、安心して運用ができるという運用上最も重要になる要素を持っていることになるのです。

ちなみにどうしても心配な方はそういった事故にあった際に保障が下りるオーナー様用の保険が存在します。こういった保険に入るのも一つのリスクヘッジの方法としては活用できますね。

 

 ④家賃滞納などのリスク

 

賃料の滞納リスクも前述したとおり、金銭的なトラブルの確率は当然賃料が安い物件の方がトラブルにつながる可能性が高くなるため、同様の考え方で都心の物件を選択することである程度大きなリスクヘッジがかけられます。

 

特に賃料の滞納リスクにおいては、法人の社宅契約などの場合の、いわゆる大手の法人契約等は家賃滞納のリスクそのものがほとんどありません。

 

法人需要が高いエリアは商業価値の高いエリアのみに限られ、都心のオフィスにアクセスが良い事が条件になる為、都心部に近いエリアに社宅契約は集中しています。

 

 

 

事件や事故、または賃料の滞納リスクなどの確率を下げる為のリスクヘッジの方法としては、賃料水準の高い都心のエリアの方がそのリスクを大幅に軽減できるということになるのです。
また、賃料についても入居者が保証会社を使用している場合には家賃はその保証会社が滞納時に保障してくれますし、滞納分の督促も代行してくれます。
属性の弱い連帯保証人よりも、そういった意味では保証会社を保証人代わりに付けてもらう方が、オーナー様としては家賃の滞納発生リスクが小さくなることになります。

今回のリスクのお話は価格、賃料というリスク、損失を考えた場合の二大要素について掘り下げてレポートさせていただきました。
管理会社や設備等においてもリスクは存在しますし、金利の変動要素、管理費の変動要素もリスクの項目に当たりますので、それぞれの考え方については過去に掲載させていただいた記事から確認して頂ければと思います。

 

 

現在の会社に入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。

現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

PAGE TOP