オリンピックが終わると不動産相場は下がる?

オリンピックが終了すると東京の不動産相場が下がるとか、暴落するなどと公言している人がいます。

実はこの話、東京オリンピック開催が決定された瞬間からすぐにこういった事を言い始めた人がもう既に出ていました。

 

まだ相場が上がるよりも前からです。

 

この不動産がオリンピック開催による影響を受けて価格が上昇するという可能性については、過去に今までオリンピック開催があった地域においてもいくつかの事例があります。
当然大きな経済効果を生むイベントですので、不動産価格が上昇することもあるでしょうし、終了後しばらくして実際に下落した地域もあります。

 

 
┃オリンピックと不動産相場は関連性があるの??

 

長野の冬季オリンピックはそれこそ、オリンピックがなければ必要性のないものが急遽必要になり、宿泊施設も交通インフラも様々な準備がすすめられました。

 

集客も大きいのでこの機会をビジネスチャンスと見た者は、オリンピックに合わせて商売を始めた人もいるでしょう。

 

こういった大きなイベントの場合、それだけ大きなお金も動きますし、投資をされる方もいるでしょうから、不動産相場が上昇することもあるでしょう。

 

現に今回の東京でもオリンピックの開催に関連の深い、有明、豊洲、築地、月島、勝どき等はある程度不動産相場の上昇がみられました。

 

 

 

しかし、不動産価格が暴落する理由になるほど価格も上昇してはいないですし、そもそもオリンピック開催を理由に不動産を購入している方を私は少なくとも見たことがありません。

 

ましてや秋葉原や新宿、渋谷、池袋の不動産の価格が上昇したのはオリンピックに関連性があると思いますか?

 

これは量的緩和でマイナス金利導入により、住宅ローンの低金利が影響していたり、東京都への毎年10万人近い人口流入が継続しているため、不動産需要が高まっていることが背景にあります。

 

 

 

ホテル用地などは実際のホテル不足や、最近の外国人観光客の増加もあって、オリンピック開催を契機として積極的に用地の買い付けや建設が進んではいますが、住宅においては話が別だと思います。

 

 

 

オリンピックが終了すれば不動産暴落、2025年には株が暴落、日本経済破綻、様々な事を言っている人がいます。

 

いわばこれは言ったもの勝ちの世界です。

 

大抵の場合は「オリンピックが終わると不動産価格が暴落!?」などと最後にはてな?がついています。

 

もしも、言った通りに不動産が下がれば「私はそれを予言していた」といえばいいし、下がらなくても「私は可能性があると言っただけで、断言していない」と言えば済みます。

 

言ってみれば、いい加減な地震の予言と同じ程度のお話です。

 

内容もどうとでも取れる物言いしかしていないものがほとんどです。

 

長野オリンピック等では、オリンピックがなければ普段は必要性のない開発が盛んにはいったりはしますが、その瞬間だけ沢山の人が来て話題になってから、しばらくするとまたいつもの日常に戻っていきます。

 

そうなった時に、作った施設も必要性が無くなってしまったり、需要がなくなり投資したお金が無駄になったり、不動産もピーク時よりも価値が落ちたりは実際にしていました。

 

 
┃オリンピック後は不動産価格が上がる?!

 

しかし、長野とは違い東京はすでに成熟した大都市であり、今回オリンピックが開催されるにあたり整備された道路や、施設、築地の移転、新たに建設されたホテルなどもオリンピックが終了してもそもそもの需要自体にしっかりとしたベースがあり、オリンピック開催はその開発をこのタイミングで推し進める為の大義名分ができたに過ぎません。

 

開発によりできた施設や道路は利用価値も高く、これからその価値の維持の根拠になる需要がなくなることがまずあり得ません。

 

 

 

むしろ今回のオリンピック開催により世界に向けて大々的に日本の「東京」という町が報道され周知されることにより、世界にその姿を知らしめることができます。

 

この先東京に興味を持った方の海外旅行者の訪日など、世界の注目を集めた事による経済的な恩恵をうけてさらに発展していく可能性も十分に持っています。

 

そうなれば想定とは逆に、不動産の価格が上昇する可能性すらあるでしょう。

 

 

 

長野オリンピックであれば、オリンピックが終わると同時にその都市の価値は落ちているでしょう。

 

しかし、東京の場合、オリンピックが終わってもオリンピックが開催される前よりも価値が上がっている可能性の方が高いと私は考えています。

 

 

 

現に「オリンピックが終わると不動産相場が下がる」と言っている方に聞いてもその根拠はほとんど具体的にはわかっていません。

 

この言葉だけが一人歩きしている状態になっているのです。

 

世間のニュースに惑わされて一喜一憂するのではなく、その本質を見る力がこれからは必要だと思います。

 

 

現在の会社に入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。

現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

PAGE TOP