日本の年金事情は正確にはどんな状況??

2019/11/16

年金

年金事情が悪くなり、年金が十分に支給されないのでは?

また、支給年齢の引き上げがこの先再度行われるのでは?

 

年金だけでは資金が足りず、自身でも年金生活に向けて、運用の必要性が指摘されている現在、年金の制度はそれほど状況が悪いのでしょうか。

 

一度検証してみましょう。

 

 
┃年金問題の理由

 

年金の問題が大きくなりつつある理由はいくつかあります。

 

 

 

まず一つ目は世界的に見ても日本は長寿の国で、平均寿命が伸び続けていることです。

 

現在100歳以上の方の人数は日本の中に60,000人、50年前は150人だったそうです。

 

この部分だけ切り取ってみても高齢化社会の状況が昔と比べて変わってきていることが伺えます。

 

更にそこに加えて少子高齢化により、お若い方の人数、労働人口が今後も減っていく想定となっています。

 

 

 

もう一つは年金未納問題です。

 

これは年金を支払っていない方が増えている問題ですが、これは第1号、2号、3号被保険者の内、第2号被保険者はいわゆるサラリーマンで給与天引きによって年金が集められます。人口は4,264万人です。天引きの方は未納のリスクはありません。

 

一方第1号被保険者は自営業、第3号はその配偶者となりますが、それぞれ1,575万人、889万人です。

 

ここに該当する方の中に年金の未納者がいるという事になります。

 

つまり年金未納問題は第1号被保険者、第3号被保険者のみに起こり得ることであり、更にその中のわずかな人が未納になっているに過ぎません。

 

 
┃賦課方式と人口減少の影響

 

年金はそもそも賦課方式という方法が取られています。

 

これは今支払った年金が将来戻ってくるのではなく、今現役で働いている若い方が支払った年金が、そのまま現在年金を受け取っている方の年金の支払いに充てられているという仕組みです。

 

 

 

よって、1人の人間が3人の受給者の年金を支払う構図になれば年金の支払い額は必然的に減る事になるのです。人口減少局面では当然こうなってしまいます。

 

逆に3人の若者が1人の老人の年金を支えるのであれば、余裕が出来て年金が沢山支払えることになります。人口増加局面ではこうなります。

 

集められた国の税金の中からも、社会保障費という項目から年金の支払いに資金が充てられていますので、財源が今すぐ枯渇することは当面は考えられませんが、少子高齢化により人口が減少している現在は、賦課方式である以上支払金額が減ってくる、もしくは調整が必要になる可能性は高くなってきています。

 

 

 

実際に支払われる年金の金額は、所得代替率によって貰える金額が表されたりします。

 

現在年金を受け取っている方の所得代替率は平均が63%と言われており、

 

今まで現役で働いていた時の所得が50万円であったのなら、32万円受け取れている計算になるそうです。

 

一方私たちが将来年金をもらう時の所得代替率は想定では42%

 

同じく働いている時の所得が50万円だったと仮定するならば、21万円しかもらえなくなると言われています。

 

 

 

人口が増加する局面、人口が減少する局面でそれぞれ年金の支払いに大きく影響が出る為、人口が増加傾向にある局面で、支払いに余裕がある内に、政府が人口減少局面に備え貯めてきた年金の積立金が2017年末で164兆円あります。それをGPIFが預かり年金基金として運用しています。

 

これを人口が減少し、支払いが困難になった際にその資金を充てることになります。

 

 

 

年金の財源はすぐさま枯渇したり、ひっ迫して支払い自体が出来なくなることはないにしても、おそらくは高い確率で支払い金額が調整され、受け取れる金額が少なくなる可能性が高くなってきているという事です。

 

場合によっては今後更に平均寿命が延びるとか、物価が上昇するなどの悪い要因が重なれば支給年齢の調整すら可能性は十分にあるでしょう。
事実、先進国の多くはすでに年金の支給年齢の引き上げを決定し、時期を決めて実行しています。

 

 

 

年金の制度について文句を言っても今後の状況は変わらないでしょうから、早めに現状をよく把握して、自分にできる事がなんなのか、その可能性を知って事前に対策を取る必要がありそうですね。

 

 

現在の会社に入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。

現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

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