建物を持つ際の地震リスクについての考察 Vol.2<活断層>

2020/07/20

リスク

前回地震の考え方について地盤のお話をしましたが、今回は皆さんもきいたことがあるであろう活断層についてです。

 
活断層について 

活断層とは数十万年、または数百万年前から活動し、今後将来に渡っても活動を繰り返すことが予想される断層の事を言います。

 

基本的には世界中で発生している地震のうち、10分の1にあたる地震が日本で発生しています。

なぜそんなに地震が多いのかというと、地球の表面は大きないくつものプレートで覆われておりそのプレートは常に対流して動いています。

日本はそのプレートのうち、北米プレート、太平洋プレート、ユーラシアプレート、フィリピン海プレートがそれぞれぶつかるところに位置しており、大きな4つものプレートが複雑に絡み合いお互いに干渉しているポイントに位置しているので地震が起こりやすくなるのです。

 

プレート
日本付近のプレートの模式図 気象庁

 

プレートごとにぶつかる点では、一方のプレートがもう一方のプレートの下に沈み込む事になります。

プレートの動きは年に数センチ~と非常にゆっくりとしたものですが、ぶつかる事により干渉している箇所に徐々に歪みが溜まります。

一定の領域になると歪みが耐え切れなくなり跳ね返ります。

これが地震になります。

これと同様の事象が私たちの生活している地面の下でも起きることがあります。

大きな海洋プレートはそのほとんどが深い海の中にありますが、日本には地面の下にも活断層が沢山存在します。

活断層で同様の現象が起きた場合は、地面から5キロ~20キロと非常に近いところで地震が発生する為に、直下型となり地震も被害も大きくなる可能性が高くなります。

この活断層が真下にあると、直接的な被害も被りやすくなるということです。

 

なるべくなら活断層にあまり近い所には不動産を持ちたくないですよね。

ではこの活断層、東京ではどこにあるのでしょうか。

┃東京の活断層について

東京で一番有名な活断層は立川断層です。

立川断層帯は埼玉県の入間から青梅市、立川市、府中市まで伸びる断層帯です。

最大マグニチュード7.4程度の地震を起こす可能性があるといいます。

立川断層
立川断層帯 政府 地震調査研究推進本部

 

とはいえ活動によりプレートの動く速さでいえば1,000年20~30センチと決して早いものではありません。

日本の中では今後30年の中で地震を起こす可能性が高い部類に入る断層帯なので、絶対にないとは言い切れませんが、1,000年2,000年という単位で起こることなので、生きている内に遭遇する方が難しいということになります。

 

東京にはこの立川断層帯以外には主だった大きな断層はありません。

本当に直下型の大きな地震に遭遇するのは確率的には低そうです。

 

関東大震災を起こした関東地震も東京が震源地ではありませんでした。

最大震度6を記録し、10万人を超える死者、行方不明者を出した関東大震災ですが、

当時とは建物も全く違うレベルに進化していますし、火事の被害が大きかった関東大震災は、木造建築が少なくなり、消防設備が進化した今の街では被害の規模も変わって来るのではないかと思います。

 

いずれにしても東京で建物を持つ際に、もしも断層の近くに建物を持ちたくなければ、青梅、立川、府中には建物を持たない方がいいでしょう。

 

しかし絶対にないとは言えないまでも、東京では世に言われるほどは断層について気にする必要はなさそうです。

 

例え断層の真上になかったとしても、もしくは震源地から遠かったとしても、地盤が弱ければ震源地よりも揺れることもある為、場所選びの際には震源地から遠く、なおかつ地盤が固いところに、構造上地震に強いマンションを購入する。

 

これが地震に一番強い建物選びのコツという事になります。
という事で、次回は建物についてのお話をさせて頂きます。

 

 

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現在の会社に入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。

現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

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