現在は緊急事態宣言の解除により、自由な経済活動をし始めている日本でも急激に感染者が増えており、次の手を打つ必要があるのかも知れません。
コロナショックにより世界の経済活動は一時的にでも麻痺した状況になり、自宅から自由に外出する事すらもままならない状況となりました。
旅行業、航空事業、アパレル、飲食店、ホテル業などを中心に経済的にも大きなダメージを与えています。
一般企業においても急遽リモートワークを取り入れる必要ができ、不慣れなワークスタイルに困惑していた方も多いと思います。
営業職やイベント業などは多くの人に自由に接触することができず、その影響を受けて大きく数字を落している企業も多くあります。
当然世界全体の平均株価も一時期よりも大きくその価値を毀損しています。
手元の金融資産が大きく目減りしている方も多いでしょう。
その中で日本の不動産市況にどんな影響が出ているのでしょうか。
┃不動産市場への影響①
まず、大手仲介業者が一時的に休業状態になっていたことで、不動産取引が行われず、実質的には1ヶ月半程度は流通が止まっていましたので、取引高も成績の面でも不動産事業者に大きなダメージが出ている事は間違いありません。
金融機関ではコロナショックによる経済が低迷するリスクを注視しており、不動産投資の融資に対しても現在は若干の警戒感を持ち始めています。
コロナショック前には通ったはずの融資の審査が通らないなどの事例が少しずつ出ており、融資の条件を絞り引き締めが入っている実感があります。
もしも今後第2波、第3波とコロナショックが再燃し経済の低迷につながるのであれば、融資の引き締めも加速し、融資条件そのものの規定が今よりも厳しくなる可能性があります。
現在は金利などの条件はほぼ変化しておりません。
むしろ景気の低迷により今後もしばらく利上げは不可能になるでしょうから、低金利の状況が継続する可能性が高くなっている分、融資が組める方は金利面において当面は有利でしょう。
個人的には不景気の時ほど融資を必要とする人が多くなる訳ですから、経済が悪い時の融資引き締めは経済の回復には逆効果なので矛盾しているとは思いますが、融資のリスクから考えれば危険性は増しているので、融資の保全を考えなければならない金融機関からすれば当然のことなのでしょう。
┃不動産市場への影響②
次に当社でも数件見受けられているのですが、入居者の経済状況の悪化により高額な家賃が負担しきれずに退室の告知を受けるケースが散見されています。
特に飲食業や旅行業、アパレルなどの企業にお勤めの方や個人事業主で独立してお仕事をされている方などが背景としては比率的に多くなっています。
┃不動産市場への影響③
逆に特殊需要が出ているケースもあります。
リモートワークを試験的に導入した会社が現在も継続してリモートワークを行っており、今後ワークスタイルを根本から見直す動きが出ています。
こうなるとリモートワークを継続するならオフィスはただの箱であり、従業員が出社しないのであれば主要な機能だけを残してスペースを縮小することが可能になります。
来客がある時や、どうしても会社に行かなければ出来ない作業以外はオフィスに来る必要がありません。
これを好機として、オフィスを最小限の広さに縮小し、ランニングコストであるオフィス賃料を大幅に削減している会社が続出しています。
単純に考えても移動の時間や通勤コストも削減できますので、本来はその方が効率的なはずです。
難しい点は人材の労働に関する管理と、情報管理、セキュリティなどで、きちんと諸問題がクリアでき管理できるのであればリモートワークの方が負担が少なく効率的なはずです。
これにより、郊外のオフィス需要の増加や、一軒家をオフィスとして再生し利用したり、自宅の一部を書斎として仕事で使用するなどの今までにない需要が新たに生まれてきています。
リモートワーク用の小さな書斎などのお部屋が付いた間取りも人気が出る可能性もあると思います。
┃不動産市場への影響④
一方でコロナショックの影響で店をたたんでしまった飲食店の居抜きの店舗は現在埋まりにくくなっています。
このタイミングで飲食店を開業するにはリスクが高いので仕方のない事ですが、店舗のビルを所有しているオーナーはテナントの募集におそらくは苦戦しているでしょう。
今後は持っている飲食店中心のテナントのビルを、医療法人だけのビルにする方向で経営方針を変えていく事を検討しているというビルオーナーのお話も聞いています。
いずれにしても、ワンルームマンション主体の賃貸管理業である私たちは、コロナショックの影響はさほど受けていません。
東京から人がいなくなるわけではありませんので、例え景気が悪くなり入居者が退室しても、結局家賃を下げて安いところに引っ越しているだけで、東京から出ていっている訳ではないのです。
よって景気の悪くなる時に大きな影響を受けるのは超高級賃貸マンションや、周辺の同じ大きさのマンションと比べて高額な家賃の特殊なデザイナーズマンションやタワーマンションなどが一番大きな影響を受けやすくなります。
あまりにもハイグレードなマンションは景気悪化と共に急激に退室が相次ぎ、空室期間が通常よりも長くなったり、家賃を大幅に下げて募集する必要が出たりすることが多くなります。
リーマンショックの後はこういったケースが一時的に非常に多くなりました。
コロナショックは現在も継続していますし、今後の展開次第では経済にさらなるダメージを与える可能性もありますので、影響を受けやすい物件は避けて投資をするのが今は賢明かも知れませんね。
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