明治生命から始まった、相互扶助の概念のもとに作られた仕組みである「生命保険」
万が一、の家族や本人の金銭的なリスクを軽減するための仕組みである生命保険は、家族を持っている方ならある程度の金額の保険に入っているのが普通でしょう。
しかし、コストとしては決して安くありません。
長い目で見れば毎月2万円と仮定しても、
2万円×12ヶ月×30年=720万円
医療保険や介護保険、年金保険、学資保険と保険といっても様々な種類があります。
1家庭の生命保険料の合計額はだいだい毎月4万円から5万円といわれています。
5万円のコストを30年間支払うのであれば1,800万円です。
年収が600万円なら3年は生命保険の支払いのために働いた計算になります。
月々では大きなお金に見えなくとも、長い年月支払い続ければ年収の何倍にもなり得ます。
大きなお金だからこそ無駄な使い方にならない様にしたいところです。
生命保険にはいくつかの効果があります。
┃生命保険の効果について
まず一つ目はリスクの補填になる、死亡保障や入院保障、介護料や医療費の補填を目的とする保険金の受取です。
二つ目には利回りが付いたりで、お祝い金や、解約返戻金、満期の際に受け取る金額が支払った金額を上回って返って来る運用の魅力です。
三つめは節税効果です。
生命保険には拠出した金額に対し、各保険の種類ごとに控除できる金額がきまっており、所得から一定額を限度として控除できます。
また、保険によっては相続税や法人税の節税対策にもなり得ます。
この保険の効果の内、めざましく進化している部分。それが保障の分野です。
では、それ以外の部分はどうかというお話を先にしますと、
保険の運用の効果はずっと低迷しています。
なぜかといえば、昔バブル絶頂期前後までは日本の預金金利も現在よりはるかに高く、定期預金に預けるだけでも4%~5%ほどの金利が簡単にもらえた時期があります。
日本国債も利回りが高かったということです。
その頃は生命保険で預けたお金にも同様の金利が付いていました。
複利の計算をすると、毎月5万円を保険で積み立てて30年5%で運用できれば、30年後の受取金額は単純計算で4,500万円(税引き前)ほどになります。
同じ計算を利回り1%で計算すると2,100万円ほどになります。
支払った元金は1,800万円です。
なんと今と比べると昔の保険なら2400万円も多く受け取れたのです。
今はこの1%の利回り計算よりもさらに利回りが下がっています。
長ーい期間、30年運用してたったの300万円の利益です。
年間でならすと10万円の利益という計算になります。
バブル期では2,700万円の利益になったので、ならすと年間90万円の利益です。
この利回りの効果はバブルがはじけて以降は金利がどんどん下がりずっと低迷しています。
外資系の生命保険は一部自分で運用先を選択する事により、外貨にしたり、株式で運用したりすれば多少利回りは上がりますが、経済変動によるリスクも同時に上がる為、日本国債の利回りが良かった時代と比べると思った通りの結果が安定して出ている人は非常に少ないでしょう。
次に節税の効果ですが、生命保険の節税効果は限度額が決められており、拠出した金額に応じて控除額は増えますが、限界値を超えるとそれ以上の効果は得られません。
現在は一般の生命保険、介護保険、年金保険と三種類の保険に対してそれぞれ4万円、合計12万円の所得控除が限界値となっています。(2020年度)
相続対策に生命保険が使われる事もありますが、500万円の生命保険控除がつくだけで、原則それ以上の効果は持てません。
なにもしないよりは当然効果はありますが、これも大きな金額の資産をお持ちの方にとってはいまいち物足りない効果となるでしょう。
※相続税対策は不動産を持つことが有効です。具体的な効果については以前ブログでご紹介していますので、そちらをご参照ください。
では、保障の効果の進化のお話に戻ります。
保障内容の改善や、保障内容の充実をさせるためには膨大なデータが必要になります。
精密なデータが沢山集まれば集まるほど、保険の商品を作る際に、保障にどこまでの効果を持たせられるのかが変わってきます。
病気になる確率、死亡する確率、怪我をする確率、年齢ごと、職業ごと、細分化されたデータがあればどこまで保障を付けられるかがわかってきます。
これは様々なデータを集積した結果がものをいう世界なので、生命保険、医療保険、介護保険などにはかなり大きな変化をもたらしています。
さらには最近、痴呆に対しての保険も登場しています。
様々な症状や病気にも対応できるようになり、また、一度病気になった人の再発の確率などもデータが蓄積されているため、ワイド保障などの名前で売られている、一度病気にかかった方でも入れる保険も条件に制限はありますが、かなりの種類登場しています。
生命保険を選ぶ際には、保障の対象になる目的や効果をうまく使い分けましょう。
効果の高い保障という分野に特化している生命保険はうまく使えば効果はかなり高くなり、生きていく上での突発的なアクシデントの金銭的なリスクを大きく軽減できます。
ただし、運用状況の悪い保険商品の投資・運用効果には現在あまり期待できません。
また、節税効果も効果範囲が限られています。
結果、生命保険に入る時は効果の高い保障の部分をうまく使って、効果が低くなっている運用や一定の金額以上は効果を持たない節税効果は別の金融商品から効果を得た方が効果的という事になります。
それぞれの金融商品の特性を理解して、うまく効果的に金融商品を組み合わせて高い効果を得るのが得策ですね。
死亡保障の効果は不動産の融資により付く団体信用生命保険の効果が代用できます。
保険コストの削減や補償内容の充実には非常に効果が高いので、不動産もぜひ検討してみるといいと思いますよ。
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