500万円を運用するならどの方法?株式投資や不動産投資の特徴

公開日:2023/02/22 最終更新日:2023/07/26

投資
記事監修:室田雄飛

余剰資金が500万円あるなら、資産運用に取り組むのがおすすめです。代表的な投資の種類やメリットが分かれば、資産の組み合わせを決めるときに役立つでしょう。500万円を運用するのに適した投資手法と、それぞれの特徴を紹介します

500万円を元手に運用しよう

500万円で資産運用を始めたいと思うなら、そもそも500万円を運用に回しても大丈夫なほどの預金があるのか確認しましょう。目標とする利回りについても解説します。

「500万円も貯金できない」という方は、お金の流れを常に把握して、うまく管理していくことが大切です。お金を管理する方法やコツを知りたい方はshufuseに掲載されているこちらの記事も参考にしてみてください。

お金を管理するための方法とコツ!活用したいおすすめアプリ3選

 

500万円を運用に回すための預金額

現在の預金額のうち、投資に使える分のお金は『余剰資金』と呼ばれます。余剰資金の目安とされているのは、預金から半年分の生活費を引いた金額です。

例えば年収600万円の人なら、手取り額や預金に回す分を考えると、生活費は30万円程度になるでしょう。生活費の半年分は30万円×6カ月=180万円です。

さらに余裕を持つなら、向こう5年間に使う予定がある分も引いておくと安心です。この金額を100万円とした場合、預金額から引けるお金は180万円+100万円=280万円となります。

280万円を引いて余剰資金が500万円になる預金額は780万円です。つまり、預金が800万円程度あれば、500万円を元手に資産運用できるといえます。

目標とする利回り

資産運用を始める際は、目標とする『利回り』を決めておきましょう。利回りとは、投資金額に対する利益の割合です。元手500万円で1年間に50万円増やせた場合、年間利回りは10%となります。

個人の投資家にとって理想とされている利回りは10%です。ただし、利回り10%で運用し続けるのは難易度が高いため、初心者は5%程度に設定するとよいでしょう。

利回りが1%違うだけで利益に大きな差が出ます。最終的に増やしたい金額と運用できる期間から、適切な利回りを決めましょう。

利回りに大きな影響を与えるのが投資の種類です。低リスクの投資手法を選べば利回りも低くなります。手法ごとの特徴を理解した上で、目標とする利回りを実現しやすい投資を選ぶことが大切です。

投資資金、確実性資金の運用方法

500万円を安全に運用するためには、投資対象を分けてリスクの分散を図ることが大切です。運用中の税負担を軽減できるNISAについても解説します。

金融庁「NISAとは?」:https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/index.html

複数の資産を組み合わせた分散投資

資産運用では『分散投資』を意識しましょう。複数の金融商品に資産を分配してリスクを分散する考え方が分散投資です。

余剰資金を一つの商品に投入した場合、大きな利益を期待できる一方で、1回の損失も大きくなります。元手がなくなってしまえば、投資を続けることすらできません。

分散投資で複数の商品に資産を分けておけば、一つの商品で損失が出ても他の商品でカバーできます。リスク許容度の範囲内に収まるよう分散投資でリスクを抑えながら、じっくりと元手を増やしていく感覚で運用を進めることが重要です。

元本保証の商品も入れる

分散投資で商品同士のリスクカバー効果を高めるためには、異なる特性を持つ商品を組み合わせる必要があります。資産を分けても全てが似た特性を持つハイリスク資産なら、同じ要因から同時に大きな損失を出しかねません。

商品の分散を考える際は、元本保証の商品も入れてみましょう。定期預金なら金融機関が破綻しても1000万円までは元本が保証されます。『増やす』部分と『守る』部分に資産を分け、全体で徐々に増えていくような運用を意識することがポイントです。

ただし、元本が保証されている商品は、インフレ時に価値が目減りします。利回りが低く、利益が物価の上昇に追い付かないためです。不動産や貴金属など、インフレに強い現物資産を組み合わせれば、価値下落リスクにも対応しやすくなるでしょう。

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NISA利用で税負担を軽減

これから資産運用を始める人は、『NISA』についても知っておきましょう。NISAとは、株式投資や投資信託への投資から得られる利益が、一定の条件下で非課税になる制度です。

上場株式や投資信託で得られる配当金・分配金・譲渡益に対し、通常は約20%もの税金が課されます。比較的負担感の強い税金がかからないのは大きなメリットです。

NISAは取扱商品や非課税期間などの違いにより、一般NISAとつみたてNISAに分けられます。両方の同時利用はできないため、目的や投資スタイルに合わせて選択しましょう。

株式投資でNISAを利用するなら、対象商品に株式が含まれている一般NISAを選ぶ必要があります。少額から長期にわたり積み立てることで運用したい人には、つみたてNISAがおすすめです。

じっくり増やす「投資信託」

リスクを抑えてじっくりと増やしたいなら、資産の配分に投資信託を組み込みましょう。投資信託の特徴や選び方を解説します。

手間がかからない「積立」

投資信託とは、複数の投資家から集めたお金を専門家が運用し、利益を投資家に還元する仕組みの金融商品です。投資のプロに運用を任せられるため、初心者に向いています。

一定額を毎月購入して積み立てていくタイプの投資信託なら、購入のタイミングを考える手間がかかりません。少額から始められることも積立投信のメリットです。

積立型投資の強みは、複利での運用により資産が早く増える点です。複利効果を得るためには利益を上乗せしていく必要がありますが、積立なら確実に元金が増えていくため、長期の運用になるほど積立のほうが早く目標に到達しやすくなります。

投資対象の特徴を理解して選ぶ

投資信託にはさまざまな種類があります。各商品の特徴を理解し、資産を適切に配分できるように選ぶことが大切です。

債券を投資対象とした投資信託は、リスクを抑えて長期運用したい人に向いています。ある程度のリスクを取ってでも大きなリターンを求めるなら、株式を対象とした商品がおすすめです。

投資対象地域によっても種類が分かれています。債券や株式を国内と海外で分ければ、特性が異なる投資対象として捉えることが可能です。どれか一つに絞るのではなく、投資対象の特性を考慮してバランスよく資産を配分しましょう。

資金が多いと有利「株式投資」

500万円を元手に投資を始めるなら、株式投資に取り組むのもおすすめです。株式投資は比較的リスクが高い投資手法ですが、資金が多ければ有利になります。

資金が多いほど株式投資しやすい理由

主に株価の値上がり益で儲けを狙う株式投資では、保有中の株式が値上がりするほど得をします。株価が安いときに買い、高いときに売るのが基本です。

しかし、1株あたりの株価は銘柄ごとに決められているため、株価によっては資金不足で購入できないケースが考えられます。原則として100株単位でしか買えない点もポイントです。

例えば、株価が5万円の株式を購入したくても、5万円×100株=500万円の資金がなければ買えません。資金が多いほど『買い』のタイミングを逃しにくいことが、株式投資の特徴です。

ただし、最近では1株から購入可能なネット証券も出てきているため、まずは少額で株式投資をやってみたいという方にはそちらがオススメです。

投資の種類とそれぞれの特徴。複数の資産を組み合わせてリスク分散

複数の利益が得られる

株式投資で得られる利益は、株式の売買による値上がり益だけではありません。株式を保有しているだけで、『配当金』や『株主優待』を得られる可能性があります。

配当金とは、株式の発行会社が事業で得た利益を株主に分配するものです。業績が好調な会社からは高配当を得られる可能性があるため、配当金による利益を狙って銘柄を選ぶ方法もあります。

企業が自社製品や商品券などを株主に配る特典が株主優待です。お金ではなく企業独自のプレゼントをもらえます。株主優待を実施している企業は限られていますが、配当金しかない銘柄に比べるとお得感が高まるでしょう。

IPO投資への挑戦も可能

500万円の資金を用意できるなら、『IPO投資』にチャレンジしてみるのもおすすめです。IPO投資とは、上場を控えた企業の株式を上場前に購入して利益を狙う投資手法を意味します。

IPO株は初値が公募価格を上回りやすく、高確率で利益を出せるのがメリットです。大幅な値上がりを見せるケースもあり、すぐに換金すれば大きな利益も期待できます。

IPO投資を始めるためには、証券会社に口座を開設し、仮条件で決まった株価の100株分を入金しておかなければなりません。基本的には、必要な資金を用意できた人に抽選権が与えられ、希望する銘柄の抽選に通ったらIPO株を購入できます。

実物資産を保有する「不動産投資」

資産運用で500万円の配分を考える際は、不動産投資を組み込むことも検討してみましょう。不動産は価値が下がりにくい実物資産であるため、定期預金の代わりとして扱うのもおすすめです。

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中古区分マンション投資のメリット

資産500万円で不動産投資に取り組むなら、保有する不動産は中古区分マンションを選ぶのがおすすめです。ローンを組めば自己資金100万円でも十分に手が届きます。

中古区分マンションは一般的に新築より安価で購入することが可能です。新築でも誰かが住めばすぐに中古として扱われるため、築年数が浅い中古を取得できれば、新築同様の物件を運用できる可能性があります。

部屋単位で保有する区分マンションなら、建物の維持管理費を抑えられる点もメリットです。一棟投資の場合は自分でまとまった修繕費を用意しなければなりませんが、区分投資なら管理費と修繕積立金を毎月支払えば済むため、計画も立てやすくなります。

ローンを組んで効率的に運用できる

不動産投資の大きな特徴として、ローンを利用すれば効率的に運用できる点が挙げられます。自己資金が少なくても高額な物件を購入することが可能です。

資産500万円のうち200万~300万円を不動産投資に回せるなら、金融機関の審査にもよりますが、31000~4000万円台の中古区分マンションを所有できるでしょう。ローンの返済は家賃収入でまかなうことが可能です。

完済後は物件が完全に自分の財産となる上、家賃収入も引き続き得られます。他の投資手法にはない仕組みで資産運用できる点が、不動産投資の大きな魅力です。

REITやクラウドファンディングという方法も

いきなり現物不動産を所有するのに抵抗を感じる場合は、『REIT』から始めるのもよいでしょう。REITとは、不動産を投資対象とした投資信託のことをいいます。

REITを選択する際は、投資対象となっている不動産の種類や特徴、商品の利回りをチェックすることが重要です。ただし、あくまでも投資信託となるため、投資のハードルは下がります。

不動産関連の投資手法には『クラウドファンディング』もあります。複数の投資家から資金を集め、一つの物件をプロが運用する仕組みです。少額から始められることや、運用を全て任せられることなどのメリットがあります。

初心者が不動産投資を始めるなら、不動産投資を勉強しながらREITやクラウドファンディングに投資し、慣れてきたら現物不動産への投資に移行する流れがおすすめです。

まとめ

500万円を元手に資産を運用するなら、複数の商品を組み合わせた分散投資を意識することが大切です。元本保証の商品を組み込んだり、NISAで税負担を減らしたりすれば、リスクをさらに軽減できます。

500万円の資産運用で選ぶ投資手法は、投資信託や株式投資がおすすめです。最終的には、長期的な安定収入を得られる現物不動産投資も視野に入れておきましょう。

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監修者

室田雄飛

J.P.Returns株式会社
執行役員 コンサルティング3部 本部長

J.P.RETURNS執行役員。
J.P.RETURNSに入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。数百戸の投資用区分マンションを販売、自身でも6件の不動産を所有、運用している。現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

【書籍】
日本で最も利回りの低い不動産を持て!
マンション投資2.0

【ブログ】
室田雄飛のモグモグ不動産投資ブログ

執筆者

島倉啓

新卒で入社した大手投資用マンションディベロッパーで、歴代最高売上を記録。その後、財閥系不動産会社で、投資物件のみならず相続案件、法人の事業用物件、マイホームの購入や売却といった様々な案件を経験。 2018年にJ.P.RETURNSの新規事業部立ち上げに参画。また、セミナー講師として、延べ100回以上の登壇実績を持ち、年間300件以上の顧客相談を担当している。

【保有資格】
宅地建物取引士、ファイナンシャル・プランナー(AFP)

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