不動産経営のメリット・デメリットとは?安定収入で生活を豊かに

公開日:2018/10/12 最終更新日:2018/10/12

不動産投資
記事監修:室田雄飛

政府が副業解禁に動き出す中で、会社員の副業として以前から人気のあった不動産経営(不動産投資)がさらなる注目を集めています。大量の時間を投入しなくても、長く安定した「不労所得」を得られると見られているためです。

ただし、不動産経営は誰にでもできる楽な事業ではありません。必要な知識や考えるべきこと・判断すべきことがたくさんあります。そこで今回は、不動産経営に興味のある方へ向けて基礎知識やメリット・デメリット、考慮すべき点などをお伝えします。最低限こちらを頭に入れた上で、実際の行動に移るようにしてください。

「不動産経営の基礎知識」

不動産への投資で収入を得るには、購入した不動産の経営が必要不可欠です。まずは不動産経営に関する基礎知識を確認しましょう。

不動産経営とは?

不動産経営は、そもそも不動産の所有(購入)から始まります。所有する不動産を第三者に貸し出し、賃料を得るのが不動産経営による主な収入源です。

不動産経営を始めるには、すでに持っている土地に物件を建設したり新築や中古の物件を購入したりして物件を取得します。決してマンションやアパート1棟を丸ごと所有している必要はなく、1部屋でも不動産があれば不動産経営は可能です。

不動産経営に資格は不要

よく初心者の方が勘違いしていることなのですが、不動産経営を行うのに資格や試験、講習や講座、業界団体への登録などは不要です。資格が必要ないため、投資初心者でも始めやすいと考えられます。

資格制度を必要としないことから、大家専業で生計を立てている人のみならず、会社勤めをしながら副業として不動産経営を行っている人も多くいます。確かに物件の管理は大変ですが、管理会社に委託することで負担を少なくできます。

住居として賃貸する不動産経営の場合は、空室リスクがあります。入居者がいないと収入が入らないというものですが、サブリース契約を管理会社と結ぶと空室があっても一定の収入を得られるため、空室リスクを小さくできます。

「不動産経営のメリット・デメリット」

メリット

不動産経営のメリットは、経営が安定すれば長期的に一定収入を得られるところです。老後の生活資金として、長く収入源となることが期待できます。自分の死後も家族に資産として残せることから、あたかも生命保険のような感覚で不動産の運用を続けている人も多いです。

経営において問題なのが景気の動向ですが、不動産は比較的景気による価値の影響を受けにくいところがあります。たとえば、通貨価値の下落によってインフレが起こっても、物件価格や家賃水準がインフレ率に合わせて変わってきます。預貯金と比べると、不動産の安定性は際立っているわけです。

比較的少額の初期投資から始められるのも、不動産経営のあまり知られていないメリットです。「不動産を購入する」といえば巨額の自己資金が必要で、お金持ちしか手を出せない印象があるかもしれません。しかし会社勤めの信用を生かして不動産投資ローンを利用できれば、初期投資における自己資金額は抑えることもできるのです。

最後に、節税対策としての効果も期待できます。実は不動産の評価額は現金より割り引いて計算されるため、納税対象となる資産額を見かけだけ少なく見積もることが可能です。このため資産を全て現金で持つより、その現金で不動産を購入した方が所得税や住民税などの節税につながります。

デメリット

一方で、不動産経営には少なくないデメリットがあります。第一に挙げられるのは、不動産特有の「リスク」です。前述の空室リスクにくわえて、入居者の家賃滞納によって収入が途絶するリスク、建物の老朽化による資産価値の低下リスク、災害リスクなどがあります。

また不動産を所有していると、株や債券などの金融商品とは比べものにならないほどランニングコスト(経費)がかかります。老朽化した建物の修繕コスト、設備や備品の交換費用、あるいは固定資産税などの税金など、毎年さまざまなコストを想定しなければなりません。地震や火事、水害などの災害に備えて損害保険へ加入することが一般的であり、そうした保険料も必要です。

また、不動産の購入に当たっては、不動産投資ローンを活用するのが一般的です。かなり長い期間をかけて借りたお金を返済していくわけですが、そこで金利が上昇すると返済額がかさ増しされます。ローン金利の設定の中でも変動金利を選択していると、政府の金融政策次第で金利が上昇し、ローンの金利の上昇にもつながるリスクがあります。融資戦略は慎重に考えてください。

「不動産経営を始めるときのポイント」

ご説明した不動産経営のメリット・デメリットを踏まえて、不動産経営を実際に始める際のポイントや注意点についてお伝えします。

不動産経営の目的を考える

行動に移る前に、不動産経営のプランニングが求められます。特に大事なのが、不動産経営の「目的」を考えることです。何を不動産経営に求めるのかによって、事業計画や重要視するポイントが変わってくるからです。

不動産経営の目的にはいろいろありますが、たとえば、「所有している不動産の有効活用」という人がいます。相続などの事情ですでに土地を所有しており、収益を生み出すような活用方法を検討したい、ということです。マンションやアパート、一戸建てを建設したり、駐車場などそれ以外の用途で収入源としたりする道もあります。周辺環境や土地の形状などの事情も踏まえて、その土地にあった施策を考えたいところです。

他にも「安定した収入源の確保」や「老後の私的年金にしたい」、あるいは「節税対策としたい」など、目的は人それぞれでしょう。目的次第で狙うべき物件のタイプや戦略は大きく変わりますから、まずは目的をじっくり考えてみてください。

不動産経営に必要な知識を身に付ける

先ほど「不動産経営に必要な資格はない」とお伝えしましたが、その一方で不動産経営にさまざまな知識が求められるのもまた確かです。身に付けておきたい知識としては、基本的な不動産用語や土地・物件の価値を判断するための計算方法はもちろんのこと、経理や税務、経営(特に経営に関するリスク)、マーケティングや営業など多岐にわたります。結局のところ不動産経営は事業の運営に他ならず、会社の経営と同じようにさまざまな業務とそのマネジメントが求められることは頭に入れておきましょう。

いきなり細部を一から学ぶのは大変ですから、まずは全体像を押さえましょう。そのためにも、不動産会社が開催している不動産投資セミナーに参加することをおすすめします。不動産経営の専門家の話を聞いたり相談したりすることで、必要な知識やノウハウの全体像や最新情報を教えてもらえます。

「不動産経営は安定収入とスキルをもたらす」

不動産の経営が安定すると、ほとんど時間を割かなくても安定した収入を得られます。その状態で2棟目、3棟目と不動産経営を拡大させれば豊かな収入源となることが期待できます。会社員でも不動産経営でお金持ちになる人がいるのは、こうした不動産経営の性質によるものです。

不動産経営で得られるのは、何もお金ばかりではありません。不動産経営ができるようになると、自ずと事業のマネジメント感覚が身に付きます。このスキルは、不動産経営のみならず本業の仕事にも大いに生かせるはずです。その意味で、不動産経営には「仕事力」を鍛えるメリットがあるとも言えるでしょう。

監修者

室田雄飛

J.P.Returns株式会社
執行役員 コンサルティング3部 本部長

J.P.RETURNS執行役員。
J.P.RETURNSに入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。数百戸の投資用区分マンションを販売、自身でも6件の不動産を所有、運用している。現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

【書籍】
日本で最も利回りの低い不動産を持て!
マンション投資2.0

【ブログ】
室田雄飛のモグモグ不動産投資ブログ

執筆者

島倉啓

新卒で入社した大手投資用マンションディベロッパーで、歴代最高売上を記録。その後、財閥系不動産会社で、投資物件のみならず相続案件、法人の事業用物件、マイホームの購入や売却といった様々な案件を経験。 2018年にJ.P.RETURNSの新規事業部立ち上げに参画。また、セミナー講師として、延べ100回以上の登壇実績を持ち、年間300件以上の顧客相談を担当している。

【保有資格】
宅地建物取引士、ファイナンシャル・プランナー(AFP)

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