不動産所得とは?確定申告のポイントと事業所得として扱うメリット

2019/01/11

不動産投資

不動産から収入が上がると、税制上では「不動産所得」と呼ばれます。当然、所得税や住民税、復興特別所得税の課税対象に含まれます。会社員とは異なり源泉徴収や年末調整の形で誰かがやってくれることはないため、自分で確定申告し、自分で支払う義務が生じます。

そこで今回は、不動産所得を確定申告する際のポイントについてお伝えします。特に不動産所得と事業所得の扱いについて取り上げ、事業所得として申告するメリットをご説明します。

不動産所得と確定申告の基礎知識

不動産投資によって収入を得るのであれば、確定申告が必須となります。まずはどんなケースで必要になるのか、簡単にご説明します。

不動産所得とは?

不動産所得は、税法でも用いられる正式な用語です。不動産経営にかかわる収入のことであり、自己所有の土地や建物などの賃貸不動産物件から得られた家賃収入です。いわゆる「大家さん」の多くは、確定申告の義務があるはずです。

なお、不動産の賃貸以外で、地上権など不動産に関連した権利設定やその貸し付けによって得られた収入も不動産所得に含まれます。あまり知られていませんが、船舶や航空機の賃貸収入も不動産所得です。一方、不動産の売買で得られた利益は、不動産所得ではなく譲渡所得に該当します。

不動産所得で確定申告が必要になるケース

不動産に関連した事業で利益を出している場合は、その内容を白色申告か青色申告の形で申告します。確定申告書などの書類を税務署に提出し、利益に課せられる税金を支払う義務があります。

マンション経営やアパート経営をしていても、不動産所得の申告をしていない人は案外少なくありません。「転勤などの事情で急遽部屋を他人に貸すようになっただけ」「不動産物件の相続や共有名義を知らなかった」「確定申告を必要とするほどの利益ではないと思った」など、安易な自己判断をしてしまっているケースが大半です。万が一脱税を指摘されると、もともと納めるべきだった税金に加えて重加算税を余計に支払わなければならなくなり、大きな損失となります。

給与所得など不動産所得以外の収入がある場合は、仮に利益が出ていないとしても申告することで損益通算ができ、結果として支払いすぎた税金が戻ってくる可能性もあります。不動産所得は過去(前年以前)にさかのぼって申告することもできるので、早めに対処しておきましょう。不安な場合は、税理士などのプロに相談してください。

不動産所得にかかる税金の算出方法と確定申告時のポイント

不動産所得に課せられる税金の算出方法を簡単にお伝えするとともに、確定申告の際に注意したいポイントをかいつまんでご説明します。

税金の算出方法

不動産所得に対する税金は、確定申告で決まります。この際注意したいのは、申告すべきは家賃総額ではないということです。家賃などの不動産収入の総額から、必要経費を差し引いた額が不動産所得です。

ここで不動産所得には、家賃以外にも名義書換料(承諾料)、更新料、共益費、返還の不要な保証金や敷金などが含まれます。一方、必要経費も固定資産税や損害保険料、減価償却費、修繕費など多岐にわたります。

不動産所得には、所得税および復興特別所得税(平成49年まで)、そして、住民税が課せられます。復興特別所得税は一律で所得税額の2.1%、住民税は10%と定められているのに対し、所得税は所得によって以下の通り適用される税率が異なります。

所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え330万円以下 10% 9万7,500円
330万円を超え695万円以下 20% 42万7,500円
695万円を超え900万円以下 23% 63万6,000円
900万円を超え1,800万円以下 33% 153万6,000円
1,800万円を超4,000万円以下 40% 279万6,000円
4,000万円超 45% 479万6,000円

仮に不動産所得が500万円でほかの所得が一切なかったとすると、税額はそれぞれ以下の通りとなります。

所得税:(500万円-42万7,500円)×20%=91万4,500円

復興特別所得税:91万4,500円×2.1%=1万9,205円

住民税:(500万円-42万7,500円)×10%=45万7,250円

不動産所得以外に所得がある場合は、すべて合算した総収入金額(総所得金額)に対する税額を計算します。

不動産所得の確定申告を行うときのポイント

最も重要なのは、所得の計算に使用した費用を漏れなく報告することです。不動産取得税や固定資産税、損害保険料、管理費、減価償却費、修繕費、借入金の支払利息など、領収書や納付証明書を保管して支出を証明できるようにしておきましょう。

この中でも、特に減価償却費の設定が難しいです。専門知識がないと、損をする可能性も否定できません。不動産投資家として十分に調べるか、不動産に詳しい税理士へ相談を持ちかけるのがよいでしょう。

不動産所得を事業所得で申告するメリット

不動産で得た収入は不動産所得ですが、規模が大きくなれば「事業所得」として申告できる可能性があります。事業所得だとどんな違いがあるのでしょうか。

事業所得として申告することで、火災や地震で受けた被害など経費の幅が広がります。ただ、事業的規模として認められるためには原則として以下の基準があります。

 

・アパートなどの場合は10室以上の部屋数

・戸建ての場合は独立した5棟以上

 

ただ、事業規模として認められるだけのために、無理に自己資金を投入して基準を満たす必要はありません。

青色申告特別控除を受けることができ、控除額が増える

記帳を始めとした条件(一般には複式簿記)を満たせば、最高65万円の青色申告特別控除を不動産の所得から差し引けます。事業規模でなければ、認められるのは最高10万円です。

また届出を出すことで、事業に参加する配偶者や親族に対する「青色事業専従者給与」も必要経費に算入できるなど、経費として計上できる範囲が広がります。経費が増えれば所得額が減り、節税につながります。

不動産以外の所得と損益通算ができる

不動産の運営で赤字になっていても、給与所得などほかの所得と合算(損益通算)することで節税に役立てられます。給与所得に対する税金は源泉徴収の形で事前に徴収されていますので、確定申告すれば税金が還付される可能性があります。

赤字と言うと問題があるように思えますが、減価償却によって会計上だけ赤字とする(実際は家賃収入で利益が出ている)状態にすることも可能です。特に新築物件ですと、減価償却として計上できる耐用年数が長いため節税効果を長期間発揮できます。

青色申告で3年間の繰越控除を受けられる

単年だけだと、損益通算しきれない可能性があります。特に不動産投資は初年度や設備投資を行った年など、大きな赤字が出やすいです。

このとき、事業所得であれば3年間まで繰越控除を受けることができます。損失をある年に埋めきれなかったとしても、3年間は繰り越して翌年以降の所得額と相殺できるのです。

回収不能の貸倒損失も、必要経費として計上できる

個人所得の状態で回収できない賃貸料が発生すると、その所得が発生しなかったとみなして、年度をさかのぼって所得金額を再計算する必要があります。これだと金銭的な損失のみならず、余計な作業が発生してしまいます。

事業規模であれば、貸倒損失をその年度の必要経費として計上できます。

「不動産から発生した所得は確定申告するのが義務」

不動産投資家であれば、収入を伸ばすことはもちろん収入に対する確定申告および納税も滞りなく済ませるのが義務です。うっかり収入や経費を記載し忘れてトラブルになることもありますので、普段からまめに帳簿をつけてお金の出入りを管理するようにしてください。自分一人では不安な場合は、専門家に作業を委託するのも一つの手です。

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