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不動産投資において返済比率の計算は重要です。返済比率とは金融機関から借り入れた不動産投資ローンの返済額を、家賃収入で割った値です。返済比率は賃貸経営の安全性をはかる数値で、50%以下が推奨されています。
高すぎる返済比率での運用は、家賃収入からローンや経費などを引くと、ほとんど手残りのない状況が発生します。投資用物件を購入する際は、想定される家賃とローン返済額から返済比率を計算して判断しなければいけません。
この記事では、シミュレーションをもとに適正な返済比率の目安を解説し、返済比率を下げるための方法をお伝えします。
適切な返済比率で不動産投資を始めたいと考えているなら、専門家がそろうJ.P.RETURNSへ相談してみてはいかがでしょうか。J.P.RETURNSは優秀なコンサルタントが不動産投資に関する個別相談を承っています。不動産投資に関するさまざまなアドバイスが受けられるので、気になる人はJ.P.RETURNSのホームページをのぞいてみてください。
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目次
不動産投資における返済比率とは、家賃収入に対するローン返済額の割合です。返済比率は投資の安全性の指標として使われています。
不動産投資では家賃収入に対してローン返済の割合が大きい返済比率が高い状態だと、手元に多くの資金を残せません。そのため、空室や修繕が発生したときに手元資金で賄えず、赤字に陥ってしまう可能性があります。
一方、借入額を小さくして返済比率を低くすると、ローンの返済額を少なくできるため、手元に多くの資金が残ります。それにより、物件のメンテナンスや入居者の募集などの収益を維持するための支出に対応できるため、より安定した賃貸経営が可能です。しかし、返済比率を低くするのは簡単ではありません。後程、返済比率を低くするための施策についても説明していきます。
不動産投資で堅実に資産を構築するためには、返済比率を意識するのが、収益を増やすために重要です。
不動産投資の返済比率は、毎月のローン返済額を稼働率100%で想定した毎月の家賃収入で割って計算します。
計算式は以下の通りです。
返済比率(%)=毎月のローン返済額÷稼働率100%を想定した毎月の家賃収入×100 |
例えば、稼働率100%の毎月の家賃収入が12万円で、月々のローン返済額が6万円のときは、以下のように計算します。
50%(返済比率)=6万円(毎月のローン返済額)÷12万円(稼働率100%を想定した毎月の家賃収入)×100 |
返済比率は100%の稼働率で計算しますが、実際の運用では常に満室とは限らず、空室で家賃収入が減少する可能性もあります。
空室により家賃収入が下がっても、ローンの返済や物件の維持にかかる経費が支払えるように、借入額を決定しなければいけません。
住宅ローンはマイホームの購入、不動産投資ローンは投資用物件購入の融資で、それぞれ対象となる物件の使用目的が異なります。住宅ローンの返済の原資は主に給与収入です。住宅ローンの返済比率は個人の年収を分母にして計算します。
住宅ローンの返済比率の計算式は、以下の通りです。
住宅ローンの返済比率=年間の返済額÷年収×100 |
例えば、年収500万円の人が、毎月15万円(年間180万円)の住宅ローンを返済した場合の返済比率は、以下のように算出されます。
36%(住宅ローンの返済比率)=180万円(年間の返済額)÷500万円(年収)×100 |
住宅ローンと不動産投資ローンでは返済原資の違いから、推奨される住宅ローンの返済比率が異なります。適切な返済比率は、住宅ローンが25%以下、不動産投資ローンは50%以下とされています。
また、マイホームと収益用物件では融資可能な金額の上限も異なります。
一般的な住宅ローンの上限は年収の5〜7倍です。一方、不動産投資ローンの上限は物件の収益性や個人の給与収入や属性、貯蓄なども加味されるため、年収の10〜20倍の融資が受けられることもあります。
さらに、住宅ローンと不動産投資ローンでは、金利にも差があります。マイホーム購入のために融資される住宅ローンは、比較的貸し倒れリスクが小さく、1.0%以下の低金利で借り入れが可能です。反対に、投資用物件には空室リスクや修繕リスクなどがあります。そのため不動産投資ローンは、1.5〜4.5%と住宅ローンよりも高い金利で融資を受けなければいけません。
不動産投資の返済比率の目安は50%以下が理想といわれています。例えば、家賃収入が10万円の物件なら、ローンの返済額は5万円以下が望ましいです。
不動産投資ではローンの返済以外にも、固定資産税や修繕積立金などの諸経費も家賃収入から支払う必要があります。そのため、投資用の物件は返済比率と必要経費の両方を考慮して選ぶと良いでしょう。
毎月の家賃収入が10万円、毎月のローン返済額が5万円、毎月の経費が3万円だった場合のシミュレーションは、以下の通りです。
2万円(毎月の収支)=10万円(毎月の家賃収入)−5万円(毎月のローン返済)−3万円(毎月の経費) |
返済比率を50%にしたシミュレーションでは、月に2万円が手元資金として残りました。ローン返済や経費を除いて得られた手元資金によって、今後起こりうる空室や修繕に備えられます。
また、仮に稼働率が下がったとしても返済比率が適正であれば、赤字を出さずに済む可能性があります。
稼働率が80%に下がった場合のシミュレーションは、以下の通りです。
0円(稼働率が80%に下がったときの収支)=家賃収入8万円(稼働率80%)−5万円(毎月のローン返済額)−3万円(毎月の経費) |
このシミュレーションは稼働率が20%下がったとしても、返済比率が50%以下であれば収支が赤字を免れることが分かります。
返済比率が高い不動産投資は、資金に余裕が生まれず突然の支出に対応できません。修繕費のような緊急性のある費用に対応できないと、退去に繋がったり、入居者が決まりにくかったりする状況に直面する可能性もあります。経営が破綻するリスクを抑えるためにも、返済比率は、50%以下に抑えるのが賢明です。
返済比率が70%を超えるケースでは、空室の発生やイレギュラーな支出に対応できない可能性が高まります。
例えば、毎月の家賃収入が10万円、毎月のローン返済額が7万円、毎月の経費が3万円のシミュレーションは、以下の通りです。
0円(毎月の収支)=10万円(毎月の家賃収入)−7万円(毎月のローン返済額)−3万円(毎月の経費) |
返済比率が高いと家賃収入から得られる手残りはほとんどなく、賃貸物件の稼働率が下がってしまうとすぐに赤字に陥ってしまいます。
稼働率が80%に下がった状況での収支のシミュレーションは、以下の通りです。
−2万円(毎月の収支)=8万円(稼働率80%の家賃収入)−7万円(毎月のローン返済額)−3万円(毎月の経費) |
返済比率が高いと、空室の発生による影響を大きく受けてしまいます。
さらに、手元資金の余裕がないので、水回りなどの高額な修繕や退去後の原状回復などの費用は自己資金から捻出せざるを得なくなります。
それらの理由から、返済比率が70%を超える物件の購入は、おすすめできません。
返済比率が高いと家賃収入から得られる手残りが少なく、イレギュラーな支出に対応できない可能性があります。
返済比率が高い場合のリスクには、以下のものがあります。
・収支ギリギリでの運用になる
・修繕費などの突発的な支出への対応が困難になる
・空室になると対応できなくなる
・金利上昇による返済額増が許容できなくなる
それぞれ詳しく解説します。
長期間の運用が必要な不動産投資では、突然のトラブルや予期せぬ状況がたびたび発生します。収支がギリギリだと手元資金がつくれず、ピンチに対応できません。返済比率が高いと常にリスクと隣り合わせの状態が続きます。
返済比率を下げられると自然と収益も増え、突発的な支出にも対応できる資金の余裕が生まれるでしょう。資金余力があれば、緊急事態にも資金面では難なく対処できるでしょう。
返済比率が高く、家賃から得られる利益がほとんど出ない状態だと、突発的に発生する修繕費の対応が困難です。
例えば、ワンルームマンションの経営で発生する修繕費には、以下のものがあります。
修繕費の内容 | 詳細 |
室内のクリーニング | 入居者の入れ替え時の清掃 |
破損箇所の修繕 | ドアノブの破損・フローリングのへこみなど |
設備の不具合の修繕 | ガス・水回り設備の不具合の修繕 |
空室対策のリフォーム | 内装が老朽化し物件に魅力が低下した際に実施 |
不動産投資において賃貸人は、物件の修繕義務が課せられています。返済比率が高く手元に資金が残せていないと、対応のために自分の資産を持ち出ししなければいけない状況になります。
返済比率が高く手元資金に余裕がないと、空室への対応ができなくなる可能性もあります。空室の発生で家賃収入が得られない状態が続くと、ローンの返済や物件の維持に必要な費用の支払いに困窮してしまいます。
そのため、入居付けの対策まで資金が回らず、結果的に空室率が上昇する悪循環に陥ってしまう可能性があるのです。
空室の発生 → 家賃収入の減少 → ローン返済・経費の支払いに困窮 → 空室対策ができない → 空室率の悪化 |
空室対策を怠ると、さらに家賃収入が悪化し、自己資金の持ち出しでローン返済をする必要があります。空室が長引いてしまうと、資金が枯渇し賃貸経営の継続ができなくなる可能性もあるでしょう。
不動産投資には金利の変動リスクがあります。投資家の多くは変動金利で不動産投資ローンを借りているので、金利が上昇すると返済額も上がってしまいます。借入額が大きい返済比率が高い状態だと金利上昇の影響を受けやすく、賃貸経営を困難にするのです。
以下は返済期間25年で、最初の10年が金利2.00%、11年目から25年目までの金利が3.00%に上昇した場合の返済額のシミュレーションです。
▪︎金利の変動による月々の返済額の変化(元利均等返済)
借入額 | 金利2.00%の月々返済額(1~10年) | 金利3.00%の月々返済額(11~25年) | 差額 |
1,000万円 | 4万2,385円 | 4万5,509円 | 3,124円 |
3,000万円 | 12万7,156円 | 13万7496円 | 1万340円 |
5,000万円 | 21万1,927円 | 22万7,408円 | 1万5,481円 |
上記の表を見ても分かる通り、不動産投資ローンの金利は1ポイントの上昇でも、借入金額の大きい不動産投資においては月々の返済額に大きく影響します。月額の差額としてはあまり大きく感じられなくても、総額では数百万円以上の違いになります。
上記で説明した金利上昇など、不動産投資にはさまざまなリスクがあります。しかし、それぞれのリスクの対処方法を理解して運用すれば、効率的に資産構築が可能です。不動産投資のリスクとリターンについて学びたい人は、J.P.RETURNSの無料書籍スマホで学ぶeBookと無料動画セミナーを、活用してはいかがでしょうか。不動産投資の基礎がコンパクトにまとめられた教材で、ちょっとしたスキマ時間で学習が可能です。不動産投資で資産構築を目指すなら、知識の習得から始めましょう。
不動産投資において返済比率が低いほど、ゆとりのある賃貸経営が可能です。返済比率を40%以下に抑えられれば、手元に残る資金が多くなるため不動産投資で発生するリスクに対応できます。
例えば、毎月の家賃収入が10万円、毎月のローン返済額が4万円(返済比率が40%)、毎月の経費が3万円だった場合のシミュレーションは、以下の通りです。
3万円(毎月の収支)=10万円(毎月の家賃収入)−4万円(毎月のローン返済額)−3万円(毎月の経費) |
返済比率を低く抑えれば、手元に残る資金が多くなるため、さまざまなリスクに対処できます。
返済比率が低いと突発的な支出にも対応できるなど、ゆとりのある運用が可能です。返済比率が低い不動産投資の運用のメリットを以下の通り4つ説明します。
・入居者や近隣住民の安全を守れる
・追加投資する余裕ができる
・多少の空室が出ても対応できる
・トラブルに落ち着いて対処できる
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
賃貸経営では台風や地震などにより、建物や設備への被害が発生するケースも稀にあります。自然災害は火災保険や地震保険で修繕費が補償されますが、これらの保険が給付されるには申請から1カ月ほどかかります。
被害が入居者の生活に影響を与えたり、周辺に危険を及ぼす恐れがあったりするときは、早急に修繕しなければいけません。そのような場合でも、毎月の家賃収入から修繕費の積立ができていれば対応が可能です。返済比率を抑えて手残りを修繕のために蓄えておけば、予期せぬ被害が発生しても入居者の生活の質や近隣住民の安全を確保できます。
返済比率の低いと、自然とキャッシュフローが黒字になるでしょう。毎月得られるキャッシュフローを積み立てて頭金にすれば、追加の物件購入も可能です。追加物件で融資を受ける際、頭金を多く用意できれば既に借り入れがあっても審査に通過しやすくなります。
また、融資の上限である返済負担率に独自の基準を設けていて、それを超えてしまうと追加の借り入れができない金融機関もあります。しかし、先に借り入れたローンの返済比率が低ければ、2件目の借り入れもトータルで上限内におさまり、融資を受けられる可能性があるのです。投資拡大でより大きな資産構築を目指すなら、返済比率を抑えた運用が有利です。
空室が発生すると家賃収入が得られないため、ローンの返済や経費の支払いができなくなってしまいます。そのため空室状態は、不動産投資家がもっとも恐れているリスクの1つです。
しかし、返済比率を低くして毎月の家賃収入からの黒字をプールしておけば、一時的に空室が発生しても賃貸経営を維持できます。また、物件の老朽化が空室の原因であれば、リフォームや需要の高い設備の追加などの費用に充てられます。ローン返済額が抑えられ、毎月の収支がプラスになっていれば、多少の空室が出ても余裕を持って対策できます。
不動産投資では家賃収入から黒字が続き、資金が貯まっているとトラブルに落ち着いて対処できます。
以下は不動産投資で発生するトラブルの一部です。
・家賃滞納
・エアコン・ガスコンロ・給湯設備などの故障
〈家賃滞納〉
家賃の滞納が発生すると収入を得られません。さらに、借主が支払いの催促に応じないときは、裁判所に申し立てて法的に解決しなければならず、弁護士に依頼する費用が発生します。家賃滞納は空室よりも厄介といえるでしょう。
しかし、家賃が滞納している間も手元の資金に余裕があれば、焦らずにローン返済を継続できます。
〈エアコン・ガスコンロ・給湯設備などの故障〉
民法第606条1項に、賃貸物件のオーナーは収益に必要な修繕をする義務を負う規定があります。
民法第606条1項(賃貸人による修繕等)
賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。
参照:民法e-Gov法令検索
この法律によりオーナーは、エアコンやガスコンロ、給湯設備などの不具合を、修繕しなければいけません。設備に損傷が発生しても、資金余力があれば慌てずに対応できます。
返済比率が高く余裕のない賃貸経営ではイレギュラーな事象で家賃収入が下がると、ローン返済や経費の支払いが苦しくなります。そのような状況を防ぐためにも、返済比率を低くしてゆとりのある不動産投資が目指すべき姿といえます。
返済比率を低くする方法は、以下の通りです。
・自己資金を増やす
・繰り上げ返済して残債を早く減らす
・返済期間を長く設定する
・金利の安い金融機関を選ぶ
・割安な物件を選ぶ
それぞれ詳しく解説します。
不動産投資で返済比率を低くするには、自己資金(頭金)を増やして、借入額を少なくする方法があります。自己資金の違いで、返済比率がどのように変化するのかシミュレーションしてみます。
2,000万円の物件に自己資金を300万円投入した場合と、600万円投入した場合の返済比率を計算します。
▪︎自己資金の違いによる返済比率のシミュレーション
自己資金300万円の場合 | 自己資金600万円の場合 | |
物件価格 | 2,000万円 | 2,000万円 |
借入額 | 1,700万円 | 1,400万円 |
返済期間 | 25年 | 25年 |
返済金利 | 2.00% | 2.00% |
月額返済額 | 7万2,055円 | 5万9,339円 |
月間家賃収入 | 12万円 | 12万円 |
返済比率 | 60% | 49.2% |
2,000万円の物件を購入する場合、自己資金が300万円と600万円では、返済比率が10.8ポイントの差が生じます。
自己資金を多く投入すると返済比率が下がり、安定的な経営が実現できるでしょう。
返済比率を下げる方法の1つに、繰り上げ返済してローンの残債を早く減らす方法があります。
返済期間25年で1,700万円借り入れたときの返済比率と、10年後に300万円繰り上げ返済したときの返済比率のシミュレーションは、以下の通りです。
▪︎返済期間25年で借入額1700万円の返済比率
項目 | 借入額1,700万円の場合 |
返済期間 | 25年 |
返済金利 | 2.00% |
月額返済額 | 7万2,055円 |
月間家賃収入 | 12万円 |
返済比率 | 60% |
▪︎返済期間25年で借入額1,700万円、10年後に300万円繰り上げ返済した場合の返済比率
項目 | 借入額1,700万円で10年後に300万円の繰り上げ返済した場合 |
返済期間 | 25年 |
返済金利 | 2.00% |
月額返済額 | 5万2,767円(11年目から25年目) |
月間家賃収入 | 12万円 |
返済比率 | 44.0%(11年目から25年目) |
繰り上げ返済して不動産投資ローンの残債を減らす方法は、返済比率を下げるのに有効です。
ただし、繰り上げ返済はある程度まとまった資金を投入しないと、効果がありません。
また、手元資金をすべて繰り上げ返済に充ててしまうと、空室の発生や突発的な修繕に対応できなくなってしまいます。返済比率を低くするために有効な方法であるものの、余力を残して繰り上げ返済は行いましょう。
返済比率を下げるには返済期間を長く設定する方法があります。返済期間を長くすれば毎月の返済額を少なくできるので、返済比率を低くできます。
例えば、金利2.00%で借入額が1,700万円の場合、返済期間が25年と35年のシミュレーションは以下の通りです。
▪︎返済期間による返済比率のシミュレーション
項目 | 返済期間25年 | 返済期間35年 |
借入額 | 1,700万円 | 1,700万円 |
返済金利 | 2.00% | 2.00% |
月額返済額 | 7万2,055円 | 5万6,314円 |
月間家賃収入 | 12万円 | 12万円 |
返済比率 | 60.0% | 46.9% |
返済総額 | 2,161万6,571円 | 2,365万2,161円 |
利息総額 | 461万6,571円 | 665万2,161円 |
参照:住宅金融普及協会 総支払額の計算
参照:オリックス銀行 返済シミュレーション
シミュレーションでは返済期間を10年長くすると、毎月の返済額が1万6,000円減り、返済比率が13.1ポイント低くなりました。返済期間を長く設定すると、返済比率が低くなり賃貸経営に余裕が生まれますが、返済期間を長くした分利息は増え、返済総額が上がるので注意が必要です。
不動産投資の返済比率は、金利の安い金融機関を選ぶと低く抑えられます。
以下は金融機関の不動産投資ローン金利の一例です。
▪︎金融機関ごとの不動産投資ローン金利の違い
不動産投資ローン | |
銀行名 | 変動金利 |
あすか信用組合 | 1.90%〜 |
SBIエステートファイナンス | 2.40%〜 |
オリックス銀行 | 2.675%〜 |
(2024年1月時点)
参照:あすか信用組合
参照:SBIエステートファイナンス
参照:オリックス銀行
ローンを借りるときは、多くの銀行を比較して最も金利の低い金融機関を選ぶと良いでしょう。
返済比率を下げるには割安な物件の購入も有効な手段です。割安な物件とは相場よりも価格が安く、高い利回りが期待できます。価格が安く家賃が多く得られる物件を選べば、返済負担率を低く抑えられるのです。
ただし、利回りが高いと一般的には収益の振れ幅が大きいことを意味しています。高利回りの物件ほど、空室リスクや修繕費リスクを抱えているケースが多いのです。このような物件は返済比率が低くても、空室による家賃収入の減少や多額の修繕費の発生により、賃貸経営が行き詰まってしまうリスクもあります。利回りが高い物件を選ぶ際は、相場を見て割安であるかも慎重に見極めてください。
不動産投資の返済比率は、家賃収入に対するローン返済の割合を表し、投資の安全性を表す指標として使われています。不動産投資では金融機関の融資を受けて物件を購入するのが一般的で、毎月の家賃収入から不動産投資ローンを返済します。返済比率が低いほど家賃に対するローンの返済額が少なく、余裕のある経営ができていることを示しているのです。
返済比率の目安は50%以下が良いとされており、それ以上の返済比率だと手残りが少なく空室や修繕などの支出に対応できないことがあります。適切な返済比率の運用で、より安定した賃貸経営を目指せます。
不動産投資において、返済比率とキャッシュフローは密接な関係があります。キャッシュフローとは家賃収入からローン返済や経費を差し引いた手残りで、投資家が自由に使える資金のことです。返済比率が低いと家賃収入に対してローンの返済額が少ないため、キャッシュフローが増えます。
キャッシュフローが潤沢であれば、賃貸経営で発生する突然の支出に対応でき、資金が貯まるとさらに投資物件の追加購入も検討できるでしょう。返済比率はキャッシュフローに影響を及ぼし、賃貸経営の安定性の確保や投資規模拡大の可否にも影響します。
不動産投資において返済比率は重要です。
返済比率を50%以下の抑えると、次のようなメリットがあります。
・ローン返済額に無理がなく手元資金を残せる
・手元資金を残せるので入居者の募集やリフォームなど経営を安定させる施策が打てる
・借入限度額に余裕があり追加の融資を受けられやすい
適正な返済比率での運用は、不動産投資において多くの利点があります。
不動産投資を始める際、返済比率が高い物件では不安定な賃貸経営を強いられる可能性があります。低い返済比率で運用するためには、想定される家賃収入と毎月の返済額のバランスを考え、安定した運用が可能かどうか検討しなければいけません。不動産投資は高い返済比率で始めてしまうと、自己資金を追加するなどの対策をしない限り、後から安定的な賃貸経営を行うのは困難になってしまうでしょう。投資用物件を購入する際は返済比率を計算して、慎重に選んでください。
これから不動産投資を始める人で、自分にとっての理想の返済比率を達成する手段が分からず悩んでいるなら、専門家がそろうJ.P.RETURNSへ相談してみてはいかがでしょうか。J.P.RETURNSは優秀なコンサルタントが不動産投資に関する個別相談を承っています。返済比率についてのアドバイスも受けられるので、気になる人はJ.P.RETURNSのホームページをのぞいてみてください。
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J.P.Returns株式会社
執行役員 コンサルティング3部 本部長
J.P.RETURNS執行役員。
J.P.RETURNSに入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。数百戸の投資用区分マンションを販売、自身でも6件の不動産を所有、運用している。現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。
【書籍】
日本で最も利回りの低い不動産を持て!
マンション投資2.0
【ブログ】
室田雄飛のモグモグ不動産投資ブログ
ファイナンシャルプランナー。ディベロッパーとして再開発に従事したことがきっかけで不動産に興味を持つ。個人では、不動産を軸に据えながら株式や暗号資産にも幅広く投資。
自分自身の投資体験をもとにかみ砕いて分かりやすく説明することを得意とする。大手メディアで金融や不動産ジャンルに特化して執筆を行い、携わった記事は300記事を超える。
【保有資格】
2級ファイナンシャル・プランニング技能士