日本は長寿大国と言われています。
栄養価の高い安全な食事、医療制度など様々な環境が整っている証拠でもありますし、長く生きられる事は良い印象もあるでしょう。
しかし、健康寿命という考え方があります。
これは健康的に活動できる状態の限界の平均ということです。
日本の平均寿命は以下の通りです。
女性 平均寿命86.61歳 健康寿命74.21歳
男性 平均寿命80.21歳 健康寿命71.19歳
女性の場合は健康でない状態が12.40年
男性の場合は9.02年あることになります。
健康ではない状態というのはそれぞれ違いがあるとは思いますが、自宅から出られない、寝たきり、病院に入院しているなど、思うように動けないとか、生活に不自由がある状態を指しています。
生きてはいますが、身体的には人生を楽しむ余力はもはやないということです。
特に女性はその状態が12年以上も続くということですね。
この健康寿命が短くなると、医療制度に負担がかかったり、社会保障費を圧迫する可能性が高くなります。
今、この健康寿命を延ばす事に注目が集まっています。
健康的に活動できなくなるきっかけは様々あると思います。
病気で入院したことで身体が弱くなることもあるでしょう。
外出した際に転んで骨折してから筋力が低下し、外出の機会が極端に減ったことでさらに動けなくなるなんてこともよくありそうです。
そもそも、成人病の発症や病状の悪化などは積極的な運動や食事の管理によって大幅にそうなる確率を下げることができます。
高齢者の怪我についても、カルシウム不足による骨の劣化や、たんぱく質の摂取量が減る事での筋力低下が原因の事も多々あります。
最近ではダイエットでも食事の量を減らすのではなく、積極的にたんぱく質を摂る方法が主流となっていますが、高齢者の場合、特にたんぱく質が不足する傾向が強く、筋力の低下を起こしやすい傾向があります。
たんぱく質の摂取量の目安は体重が60㎏であれば、60gです。
だいたいの目安ですが、肉類だと5分の1程度しか含まれませんので、鶏もも肉なら300g程度の量を食べる必要があります。
魚介類は物によって含有量に差があるのでそれぞれとなりますが、一日に必要な量を摂るにはかなりの量を食べる必要があります。
高齢者になると代謝が落ちるため、エネルギーも消費が少なくなります。
結果あまり食べなくなるのですが、これが原因でエネルギーが不足すると筋肉を溶かしてエネルギーに変えてしまうので、いっそう筋肉量が低下して体力が落ちてしまいます。
悪循環にならない様に、必要なだけの食事をきちんと維持して健康寿命を延ばす考え方も大事ということですね。