┃REITって何?
不動産に投資をする方法として、証券化されたものに投資をするREITがあります。
これは投資信託の一種の商品で、不動産を購入し、そこから上がる家賃収入を配当として配る仕組みです。売却によるキャピタルゲインもその収益に含まれます。
平成14年にSPC法という法律が施行されて以来、こういった不動産の証券化ができるようになり、世にREITという形で小口の不動産投資ができるシステムが生まれました。
これはある程度大きな影響が不動産市場にもあり、この制度が導入されて以降は海外からも不動産市場に大きな資金流入があったことなどが影響して市場が活性化されたという経緯があります。
┃REIT の魅力
また、個人でも気軽に少額の資金から不動産に投資ができるというメリットも生まれました。
最近ではこのREITを量的緩和の一環として、日銀が市場から大きく買い上げています。
運用されている金額も非常に膨大な金額なので、日銀が実際に買い上げている金額を考えると、東京の商業地の一番の大家は、今現在は日銀といっても過言ではないほどの金額が動いています。
そういう意味では東京の不動産市況を日銀が実質的に支えているような状況ともいえるでしょう。
比較的安定した収益効果のある家賃収入は、常に一定の投資商品としての魅力を持っています。
REITの目論見書には投資対象となる不動産の概要や投資戦略、運用指針が記されています。
この目論見書から運用指針を読み取り、利益が十分に期待できるとなれば投資をすればいいわけです。
毎月配当型などの商品もあり、配当を再投資することで大きな複利効果を期待できるものも存在します。
┃海外不動産にも投資できる
日本だけではなく、海外不動産に投資するREITの商品もあります。
日本とは違い、不動産価格が上昇する期待値も高い海外不動産はうまくいけば大きな収益につながる可能性ももっています。
金額的にも大きな金額になる不動産に、小口で投資ができるREITは一時期ブームといっていいほどによく売れていました。
海外不動産になると当然本来は現地のことをよく知らなければ投資できませんが、REITという形であれば、プロが目利きをした不動産に投資できますし、投資金額も小口になれば調整ができます。
投資をするに当たって、不動産の高額で買いにくいというデメリットをうまく消した形で投資できるREITは、制度が導入されるやいなや大きくその市場規模を伸ばしました。
現物投資である直接的な不動産投資と違い、信託手数料があるため直接的な現物投資のリターンと比べると利益率が落ちる可能性がありますが、逆に金額が大きすぎて個人では到底買う事ができない都心のど真ん中のオフィスタワーや、大きな商業施設にも投資が自由にできるメリットがあります。
不動産のデメリットである、短期では簡単に売却ができない、キャッシュ化する際の流動性の問題も、投資信託という形であれば比較的容易にいつでも自由にキャッシュ化できます。
海外不動産は自然災害や事故の影響、カントリーリスク、為替リスクと東京の不動産の現物投資にはないリスクも存在する為、運用を検討される際は必ず専門性のある方によく説明を受けてから投資をすることをお勧めします。
┃まとめ
REITに比べ、現物の不動産投資は融資が受けられるという他の投資にない大きなメリットがあります。
節税効果や、ローンを組むと付く生命保険効果なども現物投資にしかないメリットになります。
投資対象となる建物は同様のものになることもあるとは思いますが、全く持って似て非なる物です。
投資効果の違いや、運用効率、それぞれの運用上の特性をよく理解した上で双方のメリットを活かしながら、できる限り安全に投資を検討して頂くことがなによりも重要になりますね。