不動産には注文住宅やデザイナーズマンションの様な各所にこだわりを持って作られたデザイン性が強い建物もあります。
出来合いの物を使って作られたものよりもはるかにコストは上がりますが、見た目はもちろんのこと、収納や間取り、採光や機能においてもこだわろうと思えばいくらでもこだわって作る事が可能です。
とはいえ、コストは大幅に割高となりますし、現実でいえば建築会社にデザインはある程度任せて作ったり、建売住宅、またはマンションの場合は内装のグレードアップ程度にとどまることが多いと思います。
特に賃貸用のマンションについては、特別な設備は必要ないと私は考えます。
実際にワンルームマンションであればディスポーザーや食器洗浄機、床暖房やミストサウナなどのファミリータイプの分譲マンションには良く付いている設備も付いていません。
古い物だとバストイレが一緒になっているユニットバスのビジネスホテルの様な間取りもよくありますし、それでも賃貸はついています。
男性の単身者や学生、単身赴任で仕事で東京に来ている方も多くいますが、「寝られればいい」という方も沢山います。
デザイン性や機能、間取りなどにこだわってその条件を優先してお部屋を探している方はそう多くありません。
大抵の場合、優先されるのは予算である賃料です。
予算が大きければ必然的に物件も沢山ある中から選んで住めますので選択肢も多くなりますが、予算が少なければ選択肢が限られてきます。
社宅である場合には家賃は会社が負担するので、会社の規定の予算内であれば家賃が高くても自分で支払いませんので、いい物件である事を優先する傾向もあります。
ただ逆に社宅だと自分で支払わないので、物件については特別なものでなくとも文句もないということもあるでしょう。
しかし、個人の契約で自分で家賃を支払う場合は、デザインや機能よりも家賃の予算が優先される事が多くなります。
もちろん駅からの距離や周辺にコンビニがあるなどの生活する上で、最低限希望する条件が決まっている方も沢山いますが、デザインや機能などが最優先事項となっている方は多くありません。
ましてや予算が少ない場合は選択肢も少なくなるので、いい条件の物は早く判断しないと他の人に取られてしまいなかなか自宅が決まらなくなってしまいます。
どうしても譲れない条件以外は注文住宅でもない以上、理想通りの物はほぼ存在しないため、どこかを妥協するほかありません。
デザインが良い事がデメリットになることはありませんが、それによってコストが上がり家賃が他の物件よりも高くなってしまうのであれば、その方が賃貸がつきにくくなる原因になりかねません。
ご自分の自宅ではなく、あくまでも間借りなので、余計なコストはあまりかけたくないというのが入居者の心理であることを理解した方が不動産投資は安定して運用できます。
運用中の設備の故障や交換もオーナーの負担となりますので、沢山設備が付いていれば入居者にとっては良い事ですが、オーナーにとっては設備の維持コストが余計にかかるだけで良い事とは限りません。
自分が住むことを前提とした目線ではなく、入居者の目線、オーナーの目線で考えることが不動産投資の場合は重要になることを意識して物件を選ぶとよいでしょう。