これは最近私から不動産を購入して頂いた中国人の女性の言葉です。
彼女は日本に学生として入ってきて、アルバイトをしながら日本語学校に通い、今は日本で結婚されて日本の有名国立大学で働いています。
まだ日本に来てそう経っていないのに、不動産を現金で購入しています。
日本に来てからの所得をほとんど貯蓄していたそうです。
彼女は「今は私はまだ若くて、体力もあって時間をお金に変えて働いています。しかしいつか資産がお金を生む方へシフトしていきたい」といっていました。
日本人にはこの感覚が欠如している様に思います。
他の中国人の方も今は仕事の収入がメインですが、今後受動的な収入を増やす必要がると仰っていました。
この辺の考え方は正直日本人よりも考え方が前向きで進んでいると感じます。
サラリーマン大国の日本では、むしろ時間をお金に変える考え方が主流です。
時間と体力を使い労働することが美徳とされ、老後は退職金とわずかな年金で生活するのが「普通」とされています。
勤勉な日本人の気質にもこの考え方は合っていたのだと思います。
しかし退職金が思う様な十分な金額もらえなくなり、年金の支給年齢が引き上げられ、支給額も企業年金などがほとんど撤廃となって少なくなっている現代では、この考え方に疑問符が浮かぶようになってきています。
退職後にお金が足りないとなれば、老体に鞭打って働くほかありません。
働くだけの体力や身体があればそれもできます。
しかしそんな保証はどこにもありません。
例え健康な身体があっても働ける場所があるとも限りません。
今後はこの問題がさらに大きくなる可能性があります。
老人が多くなることがわかっている日本ではさらに問題は深刻化するのかも知れません。
アメリカとイギリスは年金の支給年齢が67歳と68歳に引き上げられています。
資産がお金を生むことがわかっていても、それを良しとしなかったり、疑ってかかったり、きちんと学ぼうとしない傾向が日本人にはあります。
資本主義の国であるにもかかわらずです。
医療の発達により寿命は延びる一方ですが、その生活を支える年金の問題などは悪くなる一方です。
労働により一生の内に得られる金額はサラリーマンならある程度予想がつきます。
その中で老後のことまで考えてカバーするしかないのです。
ならばその中で運用や貯蓄に回せる金額も計算すればある程度わかるはずです。
運用しない前提であれば、退職までに貯蓄だけで作れる余剰も限界があり、金額は計算すればおよそ想像がつきます。
となれば、もしもその可能性を伸ばせるとするなら運用の効果だけです。
「何を使い、どうやって資産を増やすか。」
これを真剣に考えない限りはサラリーの範囲でしか資産形成はできません。
「無駄を省く」という事には限界があります。
もちろん10%オフの物を買うのも効果はあるでしょうが、決して複利の効果は生まれませんので効果が倍増する訳ではありません。
しかし資産は増えれば増えるほど利益も大きくなります。
勤労所得だけに頼ったライフプランには限界がある。
このことについて考え、理解することが運用に興味を持つきっかけになっている方は沢山いると思います。
皆さんの持っている「可能性」はなにも手元の月々の「給料」だけではありません。
お金の持っている本当の力は物を買えるという事だけではないのです。
その意味がどんなものなのかを勉強する時間を、もっと積極的に持っていただけたらと思います。