私の周りのアパート運用者の実例

普段私たちは区分のマンション投資をメインにご紹介しています。

ただ中にはアパート運用を勧められて取り入れている方もいらっしゃいます。

しかし、私の周りのアパート経営はあまりうまくいっているとは言い難いものです。

 

アパート経営の実態とは!?

事例①世田谷のアパート

例を挙げると、お一方は世田谷のアパート運用をされています。
同じ土地に二つのアパートが建っており、一棟に10部屋、合計20部屋を運用していました。(現在は売却済みです)

世田谷のアパートといえば聞こえはいいですが、一部屋あたりの広さは10㎡程度。
ロフトを合わせてやっと15㎡というところです。

お風呂も正方形の浴槽を私はここで初めて目にしました。

家賃設定は4万円前後です。
当然世田谷で4万円の家賃の物件に住まわれる方は属性が良いとは言い難く、生活保護を受けている方が3割を占めていました。

所有して間もなく、その内の一部屋の入居者がお風呂で亡くなってしまい、リフォーム費用などで50万円ほどの費用を負担することになりました。

台風の際に緩んだ屋根が吹き飛んでトタン屋根が隣の建物に衝突して修理などの費用が出たこともあります。

 

事例②名古屋のアパート

もう一方は名古屋のアパートを業者から紹介され、最初はそこそこの入居率だったものがどんどん空室が広がり、空室率が4割に。

月々の支払いも大きな持ち出しが発生し始め、こちらも物件内で事故が起こっています。

業者が家賃を保証すると言っていたにも関わらず、購入して1年ほどで担当者が退職。

家賃を保証するといっていた業者も倒産寸前となり、家賃は保証されなくなりました。

 

事例③北海道のアパート

最後の例は北海道のアパート経営です。

こちらは最初満室稼働だったものが、徐々に空室が増え、4割の空室に。

さらに屋根の補修で400万円の修理費用の見積もりがきています。

なんとか抑えて150万円ほどの修理費用で一時的な補修に切り替えたものの、簡易的な修理となっているので完全ではありません。

いずれもしかしたら大きな工事を余儀なくされる可能性も十分にあります。

 

表面上の利回りだけで判断してはいけない

いかがでしょうか。

アパート経営の場合、物によっては状態が悪いものもありますし、修理といっても屋根や外装は費用も大変高額です。

利回りが良くてキャッシュフローが出ていても、それなりに貯金していなければ将来の修理費用が支払えません。

表面上キャッシュフローが出ていても、それは使えるお金ではないということです。

 

利回りの高い物件は、たいていの場合、安い物件です。
利回りが高くても家賃設定が低いと、入居者の属性も落ち、事件事故につながる可能性も高くなってしまいがちです。

古くなると競合する物件が多くなり、郊外では空室率はどうしても上がってきてしまいます。

 

不動産投資は「区分マンション投資」がもっとも扱いやすい

区分所有のマンションは商業地に建っており、利便性が高いことが多いのですが、アパートは原則住宅地に建っています。

また、区分所有のマンションは外装や共有部の修繕は修繕積立金で行うため、オーナーが急に何百万円も負担するということはまずありません。

様々なリスクがある不動産投資は、資金を借りてやる以上、安全性の高い区分マンション投資がもっとも扱いやすく、専門的な知識がなくとも安定して運用できます。

「想定外」のことが起きやすいアパート経営をされる際はよくよく吟味して、将来の運用コストを賄えるだけの資力がある方でないと厳しい現実が待っていることもあるので、十分に注意して運用を検討してくださいね。

 

 

現在の会社に入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。

現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

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