鉄筋コンクリートの建物は躯体の減価償却が47年と法定されています。
これは新築時からの年数なので、中古で購入した場合は残存期間が基準となります。
ただし新築時より既に経過した年数の20%を加えて計算します。
1年未満の計算となる場合は基本的には切り捨てとなりますが、2年に満たない場合は2
年とします。
例えば築10年経過していれば10年の20%は2年ですから、以下の様になります。
47年-10年+2年=39年
不動産には柱や床、天井などの構造部以外にも設備が付いています。
バス、トイレ、キッチンも当然そうですが、壁紙やフローリング、エアコンや給湯器など
も設備となります。
リフォームして新規の設備の費用がわかっていれば、設備を別で償却することもできます。
本来はエアコン、給湯器などの設備はそれぞれ減価償却期間が決まっています。
ですが、それぞれを細かく分けて減価償却をかけている方は実際にはあまりいません。
設備一式という形でまとめて減価償却を15年などで償却をかけている方をよく見かけま
す。
この償却方法は汎用的によく使われてはいるものの実際は法定された年数に準じて償却されているとは言い難いものです。
中古の物件となれば設備の状況もそれぞれ違います。
正確にはいつ新しいものに交換されたのかがわからないというケースもあります。
オーナーチェンジ物件なら中を見て確認することもできないのでなおさらです。
新しい設備と古いものが混在しているので、それぞれ別に償却をかけるのも困難になりま
す。
とはいえ設備が付いていないわけでもないので、新築から計算して 15年から築年数を引
くなどして計算し、設備償却を計上している場合もあります。
このあたりはかなり曖昧にされている部分です。
本来なら設備の償却の基礎となる金額が明確にわかるならその金額を元にするべきですが、
明確にならないこともあるため、妥当性のある金額で償却をかけているケースも珍しくあり
ません。
要はグレーゾーンということです。
とはいえ税務署から問い合わせを受けた場合には、設備償却の根拠を説明する必要があり
ますので、金額は妥当性のある数字である必要があります。
この設備の償却に関しては、リフォームなどで費用がはっきりしている場合はもちろん経
費として計上できますし、減価償却をかけることも可能です。
中古の設備をどう扱い、減価償却の基礎になる金額をどう計算するか。
この辺が不動産投資の確定申告ではボヤっとしている部分ではあります。
基本的には建物価格の中に設備も含まれているので、建物と一緒に 47年の期間を基準と
して償却をまとめてかけるのが一般的です。
しかし設備償却を別でかけることも、リフォームの際はできるわけですから間違いと言い
切ることもできないのです。
設備償却を別でかけると節税効果は高くなることもありますが、償却した金額は売却時に
課税対象となりますので売却時にはその分納税する必要がでてきます。
詳細については税理士などと相談しながら確認の上ということになりますが、原則は建物
の耐用年数に応じて減価償却をまとめてかけて頂くのが通例となります。