不動産には利益が二種類ある!?

2019/05/16

物件の選び方

不動産からは家賃が取れる。 

これは皆さんが良く考える不動産から得る収益なので、一般的で簡単にイメージがつくと思います。

しかし、これを利回りとして考えた場合、利回り5%の物件と利回り1%の物件があった場合、利回り1%の物件には投資価値、または購入価値がないのでしょうか?

 

┃利回り1%の物件で利益は出ないのか?

例えば具体的に利回り1%の物件というと日本には全くと言っていい程存在しません。 

あるのかも知れませんが少なくとも私は見たことがありません。

 

一方台湾のような不動産価格が高騰しているエリアであればそういった物件にも巡り合う事があります。 

例え利回りが1%だとしても、来年、再来年と価格が上昇していくのであれば、売却時に利益があがります。

よく一般にいわれるキャピタルゲインが取れる場合ということになります。

このケースであればきちんと利益になるでしょう。

┃価格が上昇しなくても利益にならないわけではない!

では価格が毎年1%下がる場合はどうでしょう?利益になるでしょうか。

家賃収入が年間に物件価格の1%のペースで上がってきて価格が1%ずつ下がると、当然売却時にトータルでみれば利益は上がっていないということになります。

このケースや価格が上昇しない不動産の場合には利益は全く存在しない様にも見えますが、

実はご自身でその物件に住んでいたり、自社ビルとして使っている場合には大きな利益があるのです。

 

例えば5年間、現金で購入した場合でその家に住んでいて、価格が全く変わらずに購入時と同じ価格で売れた場合で考えて頂くとご理解いただけるかと思います。

現金でその家を購入したのであれば、5年間価格が変わらなければ住宅費が全くかからなかったことになります。

利回りから想定するとこういった利回りの低い物件は都心の中でも超好立地の、会社の本社があるなどの、広告効果の高い立地にある事が多いということになります。

自社ビルとして建物を自社で使用して活用しているような企業、または自分で住むための住宅ということであれば、購入することで資産価値が落ちない場合は、実質的に住宅費や家賃をかからなくする効果が得られることになります。

家賃の様に現金が入ってくるということではないので、表面上理解しにくい性質がありますが、出費を抑えるという経済効果があるということになります。

売却時の価格が上昇しているのであれば、家賃がかからなかったということと、上昇した価格分が利益に相当します。

 
┃お客様の事例

この資産価値が落ちないという効果を都心のマンション経営から利益として得る場合どんな考え方をすればいいのでしょうか。

実際の事例を見て頂くとわかりやすいと思いますので一つ実例をご紹介してみます。

 

購入物件:日本橋浜町 都営新宿線 浜町駅 徒歩3分

購入価格:33,000,000円

間取り :1LDK

広さ :48.72㎡

家賃 :150,000円

この物件をローンで購入

家賃は月々のローン返済に充てられ管理費と収支がトントンだとした場合月々の収益も損失もありません。

 

運用開始が2008年

売却した時期が2018年末 約10年間運用したことになります。

この時の残債が23,335,358円

売却した価格は33,800,000円

 

差額10,464,642円が利益として取れていることになります。

月々収支が大きく余っている訳でもないので、月次収支だけを見れば何も儲かっていないように見えます。

しかし、家賃の力により残債を削っていけるので、物件の価格が下がっていない場合は売却した時にその残債と売価の差額を利益として確定できることになります。

この場合の収益を考える時のポイントは、いかに物件の価格が値下がらないかという事が最も重要になります。

 

 ┃都心エリアは価格が下がりにくい!

比較的物件の価格が下がりにくい東京23区内の中であっても、建物が古くなっても価格が落ちない、または上昇しているエリアというのはごく一部に限られてきます。

そういった価格の下がらない場所は前述したとおり、高い商業価値や、フラッグシップとして広告塔になるような店舗の重要拠点、または住宅地として不動の人気を得ている高級住宅街が中心となります。

こういった資産価値の安定しているエリアでは利回りそのものは低いものの、その絶対的で普遍的な資産価値そのものが投資根拠になり得るという事です。

同様に考えるのであれば日本国債等がいい例です。

投資利回りは他の後進国の国債と比べてはるかに低いはずです。

しかし、金融危機が世界を襲うと一気に日本国債に資金が集中します。

これは安全性が高く、価値が落ちにくい安全性の高い商品だということです。

安定している、安全であるということは経済が不安定な局面では大きな価値を持ちます。

 

 ┃まとめ

投資利回りはあくまでもただの指標でしかありません。

投資利回り4%よりも6%の物件がいい。

これは誰でも当然そう考えます。

しかし、東京都内の立地条件のいい物件の中には現在そんな高い利回りの物件は存在しません。

日本全国を見れば6%の利回り物件は都心でなければ、どこにでも沢山腐るほど数あまた存在しますが、日本全国の投資物件と対比して見れば、東京都内の超好立地にしかない3%の利回りの物件の方が圧倒的に数は少なくて探すのは難しいのです。

なぜ価格があがり利回りが低くなっているのか、もちろん人気があり高くても売れるし、貸せるからです。

この理由が理解できないと不動産投資は利回りだけを追いかけて大きく失敗する可能性が、これからの人口減少が待っている日本では高くなってきています。

売却時においても資産価値の目減りが少なく、利益が手元に残る。

他人に貸し出しても家賃が高く安定して取れる。

そういった安全性の高い不動産の投資価値は決して利回りだけでは判断できないのです。

 

現在の会社に入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。

現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

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