不動産としていい物件ということであれば、皆さんもある程度は想像がつくかと思います。
賃貸の家を探す場合、売買の物件を購入する場合、またはご友人の家に行った時等に様々な物件を目にされる機会もあるでしょうから、この家いいな、こんな家に住んでみたいなと思う物件もあったかと思います。
これが投資物件を選ぶ際にも同じ目線で見るべきなのか?
これは半分合っていて、半分間違っています。
┃オーナー目線で物件を考えてみる
当然入居者からみれば同じ賃料の場合、床暖房が付いていたりディスポーザーやミストサウナ、食洗器が付いていれば嬉しいしょう。
しかし、オーナー目線で考えればこの付属設備が壊れる度に修理費、交換費用を負担するわけですから、あまりにも設備が多いとその負担がかさみます。
一方で何も特別な設備もないのにずっと賃貸がついていて家賃収入が上がってきている物件があればどうでしょうか。
投資オーナーの目線で見れば後者の方が優良物件ということになります。
ワンルームマンションは入居者のそのほとんどが一人暮らしです。
お仕事や学業の為に一時的な住まいとして入居している方がほとんど。
ということはお昼間はほとんど家にいないことになります。
専業主婦の方であればご自宅にいらっしゃる時間が長く、家の中の生活がメインになりますが、ワンルームマンションにお住まいの方は使用目的が別にあるのです。
駅から近いこと、勤務先や通っている学校にアクセスが良いこと、生活に必要なものが身の回りに揃っていること、賃料が負担できる範囲であることが優先されるのです。
基本的には社宅の需要をもとに想像していただく方が正しいと考えてください。
社宅は会社が家賃を負担する以上、特にデザイナーズマンション等の凝った作りである必要はありません。
会社がわざわざ他の物件よりも割高な物件に、そのコストを支払って社員を住まわせる必要がないからです。
むしろ会社に近くて通いやすい等の条件が前提となります。
社宅需要というものは賃貸需要の中で非常に重要な存在です。
社宅契約の場合、基本的には家賃の値下げ交渉はありません。
賃料の遅れ、退室時の精算でもめることもまずありません。
更新料についても遅れや交渉が入ることもまずあり得ません。
賃貸の運用上、法人契約というのは非常に管理が楽になります。
┃法人契約の需要はどこが多いのか?
この法人需要は郊外にいくとほとんど需要がなくなります。
近くに大手の法人の工場がある等の特殊な環境がない限りは、ほとんどが個人の賃貸需要の契約になります。
一方都心部、特に東京は法人の数が他の都市とは桁違いです。
大手の本社ビル一つだけでも何千人と働いています。
このものすごい数の法人の需要が東京の賃貸事情を大きく支えています。
駅から近くて会社に近く、生活に必要なものが揃っているエリアのきちんとした四角い間取りの物件というだけで、十分過ぎるほどの賃貸需要があります。
投資を検討しているお客様の中にはご自宅の近くでないと想像がつかないので、自宅の近くがいいと言われる方もいらっしゃいますが、基本的に大阪、東京、名古屋などの都心にお住まいの方以外はこうは言いません。
地方は既に人口の減少が始まっており、徐々に空室が目立ってきています。
多少でも開発が入ったりすると駅前にマンションが建ち、徒歩距離のある物件は更に空室が多くなります。
少ない需要を取り合う構図の中で、自身の持っている物件の入居率をほかの物件を出し抜いて維持するのは至難の業です。
地方の方々は投資のための物件を所有するのであれば都心の方がよいと考えている方がほとんどです。
当然ですが地方のお客様に東京にある物件をご紹介しても、近隣の環境に詳しい方はほとんどいません。
それでも、ご自宅近くの立地では投資としては良くないと考えています。
それに対して、都心のご自宅をお持ちの方はこれを勘違いしている方が多くいらっしゃいます。
当然自身も気に入って住んでいるので、環境が悪いとか住みにくいということはないでしょう。
しかし、家賃が下がりにくいか、不動産の資産価値が下がりにくいか、もしくは社宅の需要が強いか等の、賃貸を募集して家賃を獲得するのには不向きな事がはっきりしている場合も多くあります。
┃まとめ
ご自身の先入観は一度捨てて、賃貸の需要がどこに集中しているのか、資産価値が目減りしにくい不動産はどこになるのか。
あくまでも投資という観点から物件を選ぶ目が必要になりますので、その点を間違えないようにして頂く必要があると思います。
投資用ではなく住宅としての販売であれば、環境や日当たり、家族の人数に合わせた間取り、または学校が近い等の条件が優先され、ご自宅にいらっしゃる奥様やお子様の事を考えれば床暖房設備や、食器洗浄機等の設備も必要性があるでしょうし、住まわれるご家族の方は嬉しいと思います。
こういった売買なのか、賃貸なのか、また地域特性等を加味した上でどういった物件が適しているのかを投資という観点から決めていくことが必要になります。