年に一度、マネーフォワード主催で開催される不動産投資を学ぶ1DAYスクール。
マネーフォワードは家計簿アプリなどを作っていて利用者も非常に多く、登録者の方々にお金に関する知識を提供するために様々なセミナーや金融商品のご紹介を間接的に行っている会社です。
そのマネーフォワードが主催するとあって、都度開催されるこういったイベントも、ご参加される方の数が非常に多くなっています。
今回は不動産投資だけに特化して行われたイベントにも関わらず、500名程の参加となり大盛況でした。
当日は沢山の講師の方々による基調講演や、各ブースには東京の不動産会社が並び、個別に運用のアドバイスや考え方も聞けて、それぞれのサービスや物件の内容も比較検討できる貴重な機会となっていました。
私も講演をさせて頂きまして、350名程のご参加をいただきました。
┃不動産の考え方も様々 最新の情報が学べる!
他社の講演や基調講演も拝聴させて頂きましたが、それぞれの考え方や特徴があり、大変勉強になりました。
不動産も一つの考え方が必ずいいとは限りません。
常に金融市場は動いていますし、経済も変化しています。
たった一つの事件によって投資環境ががらりと変わってしまうことも往々にしてあり得ます。
突然環境が変わってしまうことがあっても、情報が得られなければ対応できません。
そういった意味では、最新の情報が得られる可能性が高く、興味を持ち始めたばかりの初心者の方も、セミプロの様な投資経験の豊富な方にもとても勉強になるいい機会なのではないかと思います。
非常にたくさんの方が不動産にご興味を持っていて、投資の魅力を感じているということがわかるだけでも、すごく価値のあるいい機会だったと思います。
基本的な不動産投資の内容は家賃を取って資産を形成するということなので、根本的な違いはありませんが、どの講師の方も共通している部分として、独自の考え方はそれぞれとしても、投資に対しての戦略を自身の中に持っていて、明確な答えとして他人に説明出来るほどにその理論を確立しているという点です。
リフォームに特化していて物件のバリューアップが得意な業者、立地にこだわった考え方、利回りの考え方、管理や賃貸の募集の方法や、マーケットのデータ化等、それぞれの特徴を活かした考え方、サービスや戦略が話の中から伺えます。
┃成功者のマネをしていればいいのか?
しかし、基調講演の中で不動産投資経験が長く、ご自身の投資経験からその利点を皆さんにご紹介されている方もいるのですが、これはそのままの考え方を踏襲して今から投資される方にはリスクがある場合もあります。
当日はその方の場合、利回りの高いアパート経営を選んで投資してきたとお話しされていましたが、現在はそこまでの利回りが獲得できるで物件では立地の良い物件は流通していません。
同様の利回りで投資するのであれば郊外に物件を購入する以外に方法がなく、同じレベルの投資を同じような立地条件で現在の市況では実行できないのです。
更に今一棟物のアパートは融資環境が厳しく、頭金としてかなりの自己資金を求められます。
手元に余剰資金が潤沢にある方しか同じレベルの投資はできません。
郊外でアパートを20年以上前に持って投資してきて現在は資産を築いているという方もいますが、20年前からとなると2015年までは日本の人口は増え続けていた時代です。
今は減少傾向に突入しており、20年後には労働人口が1500万人も減ることが予想されています。
2050年には日本の総人口は1億人を下回るとの試算になっています。
平成初期から投資をしていて20年後30年後の姿と、今から投資をして20年後30年後の日本の姿にはあまりにも大きな人口背景の違いがあります。
この人口減少がもたらす不動産投資のリスクは郊外の投資不動産にとって非常に危険なものになっていきます。
利回りだけに捕らわれてしまうとこういった危険度の高い投資に行き着いてしまう可能性が現在は高いのです。
融資環境、物件の価格、利回り、人口背景、人口動態、様々な要因が複雑に影響する不動産投資はそれぞれの要因をデータからよく読み取って判断する必要があります。
┃まとめ
これからの不動産投資は想像力が必要になります。
これは妄想ではありません。
きちんとしたデータを元に、これから先なにが起こるのか?
どんな潜在的なリスクがあるのか?
想像力を持って先を見た判断が必要になってきています。
過去の経験を元に得られる知識も当然沢山あります。
トラブルの解決方法や、対処の仕方、利益の最大化の方法、リフォーム、管理、そういった知識は決して無駄になりませんので経験者の意見は非常に参考になります。
しかし、投資戦略は過去のデータや経験が必ずしも今のトレンドに合っているとは限りません。
投資の入り口を同じような形で初めても、同じ結果が得られるとは限らないのです。
利回りが同じ、価格が同じ、建物が同様の物でも、投資環境や時代が違えば失敗してしまう可能性は十分にあります。
将来の自身の力になる。
そう考えて取り入れた不動産投資が、逆に自身の足を引っ張るお荷物にならない為にも、十分な情報収集をした上で、その中でも情報をふるいにかけて今のトレンドに合った必要な情報のみを選択する能力がこれから投資をするのであれば求められるということです。