ローンを組むのははたして得なのか?危険なのか?(Vol.1)

2019/06/27

融資

ローンについては、お客様とお話ししていても意見がはっきり分かれます。

ローンが組めることをメリットと感じている方と、ローンを組むのが損だと感じている方、またはローンを組むのが危険だと感じている方、この三つのパターンに大別されます。

┃ローンを組むのは損??

ローンを組むのが損だと感じている方から説明します。

この考え方の方は基本的にご自宅を購入されるのと同じ感覚で物を見ています。

ついでに言うと、ビジネスとしての融資の考え方は持っていないという事です。

どういうことかというと、ご自宅を購入される際にはローンを組んで金利を払うのであれば、基本的には得をすることはありません。

当然支払った金利分を損することになり、本来の物件の価格以上の支払いをしなければならないのですから、金利は余計なコストでしかないのです。

そう考えれば、借り入れの金利は安ければ安いほどいい訳です。

貸してくれるからといって高金利で借りてしまえば、当然その分余計な支払いが増えるだけですから、金利を抑えるためにご両親に頭金を貸してもらって、ご両親に返済する方もいらっしゃいます。

自宅を購入するのであれば現金で購入するのが最善の策ですが、当然そんなに大きな金額になれば手元の資金で簡単に購入できる人はほとんどいらっしゃいません。

結果、やむを得ずローンを組んで購入されている方がほとんどであって、現実的には繰り上げ返済を積極的にして、金利を抑えるくらいしか抵抗のしようがありません。

家庭の中の出費の内、この金利を月々何万円も支払っているのであれば、これは無駄な出費でしかないのです。

この考え方でいけば、月々の一定の支払いのなかで、自宅家という将来に向けての資産を購入できるという事以外にローンを組むメリットがありません。
この考え方で止まっている方は、融資を組むメリットがイメージできなくて当然です。

 
┃ローンが怖い??

次にローンが怖いと感じている方です。

このケースは不動産を購入してローンを組むと、3,000万円を借りたとすればこの3,000万円をなにがなんでも自分で返さなければならないと思い込んでいる方です。

これは不動産につく値段、その価値が理解できていないのです。

不動産のローンの仕組みそのものが理解できていない証拠です。

金融機関はそもそも不動産に対してではなく、人に対して融資を行っています。

冷静によく考えて頂くとわかるのですが、皆さんは見も知らない赤の他人に無担保で3,000万円という大金を貸すことができるでしょうか?

これは誰であれ答えはノーです。

 

いくら大手の上場企業で勤めていても、働き盛りのサラリーマンであれ、家庭を持った身持ちの固い方であれ、赤の他人である以上何の保証もない中で高額な資金の融資は当然できません。

保険証で会社の勤めを確認したとしても、来月その会社で本当に働いている保証はありますか?

しかし、住宅ローンの審査は免許証、保険証、収入証明を提出すると最短3日程で融資が決まりましたと連絡がかえってきます。

と、いうことはです。

金融機関は見も知らない他人を人物として信用して融資を決定しているわけではないのです。

もちろん今アルバイトだけで食いつないでいるとか、定職について安定した収入があるわけでもない人に融資はできません。

そもそも返済できる根拠がない方には、当たり前ですがご融資はできません。

しかし、いくら内容を精査しても、来月その会社で勤めている保証もないのですから、一人一人の人間性を見て融資をしているわけでもないのです。

┃融資をする根拠を知ろう

では一体融資した金額を回収するための本当の根拠はなんなのでしょうか?

当然その購入する不動産そのものです。

不動産は将来に渡ってそこに存在することがわかっています。

また、ただ(無料)の不動産もありません。不動産は必ず値段がつきます。

一つ一つ登記されており、同じ不動産はひとつとしてありません。

その不動産が将来いくらの価格がつくのか、その資産価値そのものや、物件を貸し出した時に取れるであろう家賃の金額、そういった一定の資産価値を持った不動産そのものが担保になって、その価値に見合う3,000万円を融資しています。
万が一その支払いが滞っても、担保に入っている物件を差し押さえることできちんと貸したお金の元金が回収できるのかを計算して融資をしているのです。

その証拠に、ご自宅のローンの融資には連帯保証人は必要ありません。

また、投資不動産の購入にも原則連帯保証人は必要ないのです。

何度も言いますが、高額な融資が他人に出来るのは不動産で十分回収できる見込みがあるからです。

それができない可能性があるのであれば、当然連帯保証人や共同担保の提供等の万が一の際の返済の根拠が必要になります。

そうはいっても実際には融資残高を物件の売却価格が下回るケースもあり得ます。
物件価格の下がりやすい郊外の物件などは特にこういったリスクが高くなります。

2,500万円のローン残債が残っていて、売却時の価格が2,200万円しかつかないケースです。

この場合は自身で負わなければならないリスクは300万円分のリスクとなります。

価格が割れるリスクを考えるのであれば、その分頭金を入れてこのリスクを無くした状態で持つことが理想になるという事です。

しかし逆に値段が付かない不動産がない以上、残債全てを返済するリスクなどあり得ないという事です。

ローンを怖がる方は、この不動産につく価格、その資産価値がすっぽり計算から抜け落ちている方がほとんどです。
この担保としての不動産価値の理屈がイメージできていない方は、万が一返済に困った場合に自分で全ての残債を返済しなきゃいけないと思っています。
もしもそんな金額の返済を突然全てしなければならないのであれば、金融機関は人を信用していない以上、逆に融資自体が不可能です。

現実は不動産投資を始められる方のそのほとんどが融資を受けています。

では不動産投資の場合は融資を受けることに対してどう考えればいいのでしょうか。
次回のお話でその辺りをお話してみたいと思います。

現在の会社に入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。

現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

PAGE TOP