ローンを組むのははたして得なのか?危険なのか?(Vol.2)

2019/06/28

融資

┃ローンはメリット??
不動産投資の場合、ローンを借りられることがメリットだと感じている方がいます。

これは収益を生むビジネスとしての側面があるからです。

自宅のように自分の住まいであれば収益は上がりません。

例え金利を支払ってもそれ以上の金銭的なメリットがあるのであれば、融資を受けてもビジネスの場合支払い金利以上の利益になるならば借り入れるメリットがあります。

例えば物件を購入して実質利回りが4%の利益が上がるものに対して、1.6%の金利で資金を調達できる場合、運用コストを引いて考えても利益がきちんと残る計算の投資もありえます。

金利と収益のバランスも非常に重要になるので、借り入れ金利が高い場合は相応に頭金を用意して金利に利益を喰われてしまわないように調整する必要があります。

ローンを組んで月々家賃で返済するわけですが、少しずづ返済するごとに、返済が進んだ分は更に借り入れ金利を払わなくなるため、時間が経過するごとに利益になりやすくなっていきます。

きちんと金利、運用コスト、利益のバランスが取れていれば、例え満額の融資を受けていたとしてもちゃんと利益にはなるのです。

しかし、この金利がもったいないと仰る方がいます。

ここで、この運用をビジネスとして考えてみます。

例えばレストランをオープンするにあたって、この場所でレストランをオープンすれば十分な売り上げが上がり、大きな利益が上がる見通しがたっているとします。

しかし、人件費を払うのがもったいないからレストランをオープンしないとオーナーが言っているとしたらどう思いますか?
それではレストランはオープンできずその先の利益も失ってしまいます。

この場合の人件費が、不動産投資の場合でいうと借り入れの金利部分に相当します。
この場合金利は、今手元には無いお金に働いてもらう為の人件費に相当するということです。

一定の金利というコストをかけることで、新たに自身の資産が購入できて、購入した資産から家賃という収益があがる。

金利は自分の負担で支払うわけではありません。

収益としてあがってくる家賃収入が支払うのです。

ここで重要になるのはその家賃収入に信憑性があるかどうかです。

これに実態がないとローンを自分で支払う可能性が出てきてしまいます。
しかし、これがきちんと入ってくるのであれば、自己資金を使わずとも利益が得られます。

 
┃ローン<現金??

現金があるのであれば現金で運用した方がいいのかというとそうでもありません。

投資に関しては様々な商品がありますが、実は大きな資金を一般的なサラリーマンに投資目的で低金利で融資をしてくれるのは不動産だけです。

他の投資であればたとえ借りられたとしても、無担保のキャッシングローン等しかローンは組めません。その場合の金利は無担保のカードローンだと10%近くの高金利が一般的です。

おそらくは借りられる金額も100万円~200万円が限度でしょう。

唯一不動産だけは購入不動産そのものが担保になるので、高額な資金が低利で調達できます。

低利で調達できてその資金だけで十分に利益が取れるのであれば、わざわざ現金をする投下する必要はありません。

現金で購入すれば金利分のコストを削れることになるので、その分も利益にはなりますが、利回りの投資である以上はより大きな金額で投資をする方が、当然同時にメリットも大きくなりますので、不動産が借りた資金だけできちんと利益になるのであれば、現金は他の投資商品に投じた方が効率がよくなります。

図に表すとこうなります。

もしも現金1000万円を持っていた場合

これは単純にわかりやすくしてあるので、実際は運用上のコストも、管理費、修繕積立金、固定資産税など細かく分かれますし、実際の運用の検討にはもう少しきちんとプランを立てて緻密に計算する必要がありますが、投資資金を借り入れる事に対しての根本的なメリットの考え方はこういうことです。

 
現実、この資本主義の世の中はほとんどの会社が出資や、借り入れによって資金を調達しています。
当然皆さんのお勤めの会社もそうです。
投資家等の資金を出資してくれる人がいて成り立っています。

株の発行によって一般の投資家から資金を調達しても、株主には利益から配当を支払います。

社債を発行したのであれば、調達した資金に対して金利を貸主に支払います。

金融機関からの借り入れの場合も当然金利の支払いが必要になります。

┃まとめ
このように、ビジネスの世界では資金を調達する上で一定の金利や配当などのコストがかかるのは当たり前であり、ビジネスモデルとしてきちんと借り入れのコスト以上の利益が生れるのかどうか、その調達した資金がきちんとそのビジネスから回収でき、借り入れの返済ができるかどうかが重要という事になります。
不動産の場合も考え方は同じです。
家賃という収益がきちんと金利以上の利益を生むのであれば、借り入れても全く問題ありません。

 

もちろん資金は誰にでも融資できるわけではありません。

一定以上の規模の会社にお勤めであることや、審査には当然、収入、年齢、健康状態、個人情報の確認が必要になります。

このどれか一つでも規定にひっかかれば融資はしてもらえません。

突然病気になったり、給与が下がったりすれば、もう融資を受けることもできないのです。

 

サラリーマンが自分で貯金をして、退職時に不動産を3件現金で購入して家賃を取り大家業をやる。

これは現実的にはほとんど不可能です。そこまでの資金余力はまずありません。

しかし、ローンで先に3件購入すれば資産の購入資金そのものを家賃収入がほとんどの範囲を支払ってくれますので、自分で全ての購入資金を支払う必要がありません。

退職時までに1億円分の資産を形成して年金生活に入れる可能性は十分にあります。

このように考えている方々にとっては、資金が借りられること、借りた資金によって運用ができ、収益を取れること自体が非常に大きなメリットになり得るのです。

前回記事はこちら。

現在の会社に入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。

現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

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