通常であれば不動産を購入する機会はご自宅の一回だけという方がほとんどかも知れません。
しかし、投資不動産を購入されている方は複数件お持ちの方も沢山いらっしゃいます。
さらに持っている物件を売却して買い替える方、ローンの借り換えなどその度に購入時とほぼ同じ手間とコストがかかります。
ここではマンションを購入する際の手数料や、必要な手続きについてお話します。
┃現金購入の場合
不動産を購入する際は大きく分けると、現金で購入する場合とローンで購入する場合に分かれます。
現金で購入する際は、吟味したうえで物件が決まれば、
申し込み→契約→決済(物件の引き渡し)という手順で手続きが進みます。
まず、申し込みというのはその物件を購入する際の最初の意思決定、意思表示となります。
この申し込みは物件をおさえるという意味合いがあります。
当該物件は他の方も検討されている可能性があるので、他の方でお話が進んでしまわないように物件をまずおさえる必要があります。
購入するにあたっての準備があるため、すぐにその場でのご契約ができるわけではありません。
必要書類や手付金のご用意などもあるので、ひとまずは申し込みを入れて意思表示をすることによって物件をおさえるのが通常の形です。
その際は身分証明書の提示や、5万円から10万円ほどの申込金の入金を求められることもあります。
いたずらに申し込みだけ入れられてそのまま放置されてしまうと、不動産業者にとっては他のお客様にご紹介ができず機会損失につながるため、会社によっては申込金をもらっている業者もあります。
この申し込みから程なく、売買契約のお手続きになります。
ご契約の際は物件についての重要事項説明や、契約書の内容の確認の上でご署名をいただき、手付金を支払ってご契約が成立します。
この時までに物件についての細かい点も含め、ご質問は全てしておいた方が良いですね。
ご契約後に後日日にちをあけて決済(物件の引き渡し)となりますが、不動産の場合は抵当権といって、前所有者のローン残債に対して金融機関の担保設定が残っていることも多いため、この抵当権の抹消手続きにかかる日数に合わせて日程を段取りすることが多くなります。
現金の場合にかかるお金の項目、必要な手続きは以下の通りです。
お申し込み時
・身分証明書
・お申込金
契約時
・身分証明書
・住民票
・実印
・手付金
・売買契約書の収入印紙代
決済日(残代金の支払いが行われ登記が入る物件のお引き渡しの日)までの必要書類と必要なコスト
・所有権移転の登記の委任状
・登記費用
・仲介手数料
・火災保険のお手続きまたその費用
・管理費、修繕積立金の日割りの精算
・固定資産税の日割りの精算
・家賃の日割りの精算
現金で購入される基本的なお手続きは以上です。
一般的には購入価格の5%-10%程の諸費用がかかると言われています。
通常は不動産業者が都度アナウンスしてくれますので、覚えている必要はありません。
┃ローン購入の場合
ローンで購入される場合は手続き内容が異なります。
物件のお申込み → ローンの審査 → 物件の売買契約 → ローン契約 → 決済
という流れになります。
ローンの審査と契約が同時、または審査の前にご契約が必要な場合も、金融機関や業者の違いによって出てきます。
融資を前提としているとき、契約書にローン条項と呼ばれる融資が否認になった場合には無償解約が前提となることが明記されていますので、融資が通らなかった場合には、その物件を購入する必要は当然ありません。
ローンの審査の際の必要書類は下記の通りです。
・ローン申し込み書のご記入
・身分証明書
・保険証(勤続やお勤め先の確認の為)
・収入証明(源泉徴収票や確定申告書)
・既存借り入れの明細
・ご自宅の謄本等
・住民票、印鑑証明書、課税証明や納税証明等
金融機関により必要な書類が変わることも、お客様によって追加書類を求められることもありますが、基本的な書類は以上です。
通常早いところでは3日程度、遅いところだと1か月程度で結果が出てきます。
この結果が出た後に、金融機関とのローン契約を行います。
金銭消費貸借契約といいますが、銀行や金融機関とのローン契約のことをいいます。
書類だけの郵送でのやり取りの場合もあれば、面談をして書類を作成する金融機関もあります。
契約が終わると後日決済となり、物件がお引き渡しになるのは現金のケースと同じ流れです。
融資を受ける場合は現金購入とは違う費用がかかります。
・金融機関の事務手数料
・保証料(投資の場合はほとんどの金融機関ではかかりません)
・収入印紙代(金銭消費貸借契約書貼付用)
・口座開設のための現金
・抵当権設定費用
仲介手数料は仲介する場合に不動産業者がもらう手数料ですが、業者が売主の場合はかかりません。
新築の場合にはここにあげた費用とは別に修繕積立基金が必要になることがあります。
不動産の購入には大きな金額を必要とするので、事前にコスト面においてよく理解していないと、思っているよりも費用がかさんでしまうこともあるので、よく説明を聞いて頂く必要があります。