┃修繕積立金
修繕積立金の状況はマンションそれぞれによって大きく異なるため、重要事項に係る調査報告書、長期修繕積立計画等を取り寄せ、業者に見せてもらい、金額の妥当性や、値上げの可能性、マンションの共有部の状態も含め、個々に判断する他ありません。
それぞれの必要とする金額やマンションごとの収益に差がある為、この金額であれば問題ないという言い方は出来ませんが、マンションの外装や屋上防水工事、エレベーターの修繕、交換工事、鉄部の塗装等の金額が、きちんと計画に近しい金額で集めれており、尚且つ将来高額の値上げが予定されていないことが条件となります。
特に高額になり易いケースで言うと、
・低層マンションで敷地が広く総戸数が少ないマンション
・タワーマンションで共用設備が充実しているものや高速エレベーターが多数付いている
・立体駐車場が付いている物件
これらの物件は将来の修繕積立金が非常に高額になるケースが少なくありません。
オーナーの心理としては少しでも安い方がいいのは当たり前ですが、資産としてのきちんとしたメンテナンスを考えれば、安過ぎて予定している工事が出来ないというのも困りものです。
あくまでもバランスが重要ということになります。
┃入居者
現況が入居中の場合、賃貸の入居者を確認することが出来ます。
賃貸借契約書には、契約の条件として、礼金、敷金、賃料、共益費(管理費という場合もある)、更新料の条件、また、退室の際の清算条件や、退室の際の告知の時期、鍵の交換費用の負担について等、様々な条件が記してあります。
更新になっている場合は、更新の契約書や覚書も確認できます。
その他にも入居者の属性等を確認できる、入居申込書、連帯保証人がいる場合は連帯保証の確約書、保証会社が付いている場合は保証会社の契約書や、申込書を確認できます。
賃料の遅れが過去にあったか、トラブルや修繕が今までにあったか等は現オーナーや、賃貸の管理会社に確認しておいた方がいいでしょう。
中古物件の場合、賃貸の入居中の物件で現在契約して取れている賃料が必ずしも相場に対して正しいとは限りません。
新築時から入居していると、新築時のプレミア賃料でそのまま現在も住んでいるケースもあり、次回再度募集する時は、今取れている賃料では高すぎて募集が出来ないということも多くあります。必ず、今の賃料と、賃料相場その双方をチェックして、賃料が下がることも想定または確認してから購入することが必要になります。
そうでなければ、購入して2か月で退室してしまった場合、想定していた利回りで収益が上がらないということになってしまうこともあります。
┃耐震基準
日本のマンションの建築基準として、昭和56年(1986年)に新耐震基準に変更になっています。同基準を満たしていなければ建築が出来ない事になったのですが、昭和58年頃までは前基準値である旧耐震のルールで認可を受けて建てられた物件が存在するため、新耐震の物件を購入したい場合、この年代
の物件を検討するなら必ず新耐震かそうでないかを事前に確認しておく必要があります。
旧耐震だと総じて地震に弱いというわけではありません。バブル当時は贅沢にお金がかけられて建てられている物件も多く、非常にしっかりした建築物も多いです。これは個々に判断するしかない所でもありますし、マンションをひっくり返して見ることが出来るわけでもないので、素人の方でもわかり易く判断するのであれば、新耐震基準の物件を選ぶのが望ましいです。
Vol.4に続く。