相続税の対策が必要になった大きな理由

2019/08/30

相続税対策

前回相続税の対策について、不動産で対策をして頂く方法をご紹介させて頂きましたが、相続自体が人生の中でそうある経験でもないだけに予備知識がなく「ピンと来ない」という方も多いのではないでしょうか。

今回はもう少しその辺の相続税に対しての事情をご説明してみたいと思います。

 
┃相続税対策の矛盾点

そもそも、相続税を支払うのは相続資産を受け継ぐ側の人間です。

要は主に子供等がそれに当たります。

相続対策を取りたい人間は誰か?と考えるならば税金を払うことになる子供の方が対策を取りたいと思うはずです。

しかし、相続対策というのはある意味「死ぬ準備」をするという事と同義です。

対策が必要だとしても、子供の方からその準備をして欲しいとはなかなか言えないと思います。

ここで矛盾が生じます。

相続税対策をしたいと思う人は子供、一方で相続対策を実際に動いてしなければならないのはその親ということになります。

 

お互いの意見が食い違うと相続対策は進みません。

とはいえ子供の方からは「言いにくい」という事情もあります。

そうこうしている間に、両親はますます歳をとってしまい、更に実行力がなくなっていきます。

こういったサイクルに入ってしまうと、そのほとんどの方は何もできないままその時をむかえてしまいます

 ┃今後相続税対策は増える??

実際の相続対策がきちんと進んでいる事例を見ると、その大半の事例が親の方から能動的に、子供に資産を残してあげたいと積極的に動いている場合がほとんどです。

「相続時に無駄に大変な思いをさせたくない」、「高い税金の支払いに困らないようにしてあげたい」、「なるべく資産を持たせて将来困る事の無い様に配慮してあげたい」。

こういったご両親の子供に対する思いが実際の相続対策の原動力になっているということです。

相続税対策はそういったご両親の方々の愛情が形になった行動だといえると思います。

 

今後、この相続手続きはどんどんと増え、いずれピークをむかえるでしょう。

まもなく第一次ベビーブームの世代、団塊の世代の方々、いわゆる日本の中でも一番年齢的に見て人口の数が最も多い世代の方々が平均寿命にあと数年で差し掛かります。

これによって相続手続きがすでに年々増えてきています。

 
┃2015年からの変更点

その中で、2015年より相続税の控除額が大きく減額されました。

その改定により相続税を支払う人の人数、相続税の実際に支払った金額の平均、さらに税収はどのように変化したのでしょうか。

 

下記の表を見てください。

相続税対策、表
引用元:https://www.jili.or.jp/lifeplan/houseeconomy/succession/8.html

 

この表でおわかり頂けるかと思いますが、法改正により相続税の課税されている対象人数が圧倒的に増えています。
それまでは20人に1人もいなかった相続税対象者が倍に増えています。

さらにその対象者の激増によって税収が大きく増え、金額が倍増しています。

改正前はおよそ1兆円規模だった相続税が2兆円規模であがってきています。

借金大国の日本にとってこの相続税の税収が大きく上がることは非常に魅力があります。

相続税対策は他の税金と比べ、対策が取りにくいことが手伝い、ほぼ狙い通りの税収アップにつながっていると見て間違いないのではないでしょうか。

相続時の控除金額が減額され、大きく相続税対象者が増えたことにより、比較的相続資産が小さい金額でも対象者になることが多くなったため、相続税を支払った方々の納めた金額の平均は法令改正前に比べて平均金額が大きく下がりました。

しかし、全体的に見ると税収は大きく上がっているのです。

毎年2兆円もの金額の国民の資産が、国に相続税として持っていかれているということです。
固定資産は評価減があるので、市場の実勢価格では実際はもっと大きな金額になるでしょう。

その資産からこの先生まれる収益も考えるのであれば、さらに失った金額は大きいのかもしれません。

中には価値の無いような資産もあるでしょうが、この先10年で考えれば20兆円の国民の資産が取り上げられたことになるのです。

 
┃まとめ

きちんと相続税対策をすればこの大きな相続税は大幅に節税することができます。

なるべく純度の高い状態で資産を引き継ぐことによって、今毎年の様に行われている増税や、今後大きな年金問題が控える現代においては、将来の子供さんの相続の内容次第では、その後の人生に大きな影響を与える可能性がある以上、まずはどんな相続税対策の方法があるのか、それを知ることに大きな意味がありそうです。

 

相続税対策は誰かに言われて行うものではありません。

自動的に効果を発したりもしません。

・まずは相続について良く知る事。

・相続対策の方法の選択肢を知る事。

・実際に行動を起こして対策を講じること。

この三つの行動がなければ相続税対策は効果が持てません。

税理士さんが言っていたことですが、「原則、と呼ばれるものは勝手に実行されるので、例え知らなくても手続きをしなくても効果があります。

しかし、特例や補助金、免除、相続税対策などは、まずは知らなければ使う事はできませんし、必ず自分で動いて手続きしない限り効果を発しないのです。」と言われてました。

やり方が無いわけではないのに、知らなければ行動には当然つながりません。

大きな金額の相続税対策、いつその時がくるのかは誰にもわかりません。

あの時やっていればというような、後の祭りにならない為にも、

皆さんもまずは「知る」というところから行動を起こしてみてはいかがでしょうか。

現在の会社に入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。

現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

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