不動産投資でもっとも心配になるのは空室になって長い期間家賃が取れないことではないでしょうか。
もし、ご自身の所有している不動産が長い期間空室になったとして、その状況をどうやって打開すればいいのでしょうか。
その時、賃貸を付けるのに当たってどんな方法が選択肢としてあるのでしょうか。
今回はその方法についてお話します。
┃賃貸の空室対策
もしも賃貸がつかないのであれば、いくつかの対応方法があります。
①露出を高めて見てもらえるチャンスを広げてみる。
賃貸の募集は一つの不動産業者に任せているという方も多く、募集を預けた業者の方でうまく賃貸が付かなくても、その業者に任せっきりのオーナーさんもよく見かけます。
賃貸の募集は他の業者でも並行して受けることが出来ます。
この募集ですが、業者によって効果が変わることがあります。
例えば地場(当該物件の在る周辺)に特化した不動産屋で、支店も路面店の店舗をいくつも持っているような業者がいれば、その地域にお客様が沢山いて決まるスピードがあがる可能性があります。
また、自社のホームページや賃貸を探すためのポータルサイトを持っている会社もあります。
中にはポータルサイト内で探している物件の特徴を登録し、条件のあった空室の不動産が出た時にメールでお知らせするような効率的なシステムを持ち、潜在的なお客様を沢山抱えている不動産業者もいます。
物件の募集一つにしても、業者によって募集の仕方や効果は変わる可能性があります。
募集をかけてもらう業者を変えてみる、もしくは増やしてみる、これも1つのきっかけになることがあります。
②条件の見直しをしてみる
相場の家賃に対して物件の募集条件が合っていない可能性もある為、競合物件の数や、同等の条件のお部屋の家賃と、物件に設定している家賃が合っているかを確認しましょう。もし賃料が合っていないのであれば合わせる必要があるでしょうし、合っているのであればその他の条件を付加することで他の物件と条件面で差別化する必要があるかもしれません。
例えば、敷金、礼金の金額の引き下げ、フリーレントをつける、仲介手数料、更新料、原状回復費用などの変更が可能です。
こういった初期費用などの条件を見直して、入居者の負担を軽くすることで、他の物件よりも優先して賃貸が付く可能性が高まることがあります。
家賃が1ヶ月間取れなければ、10万円の家賃設定なら当然10万円損をします。
例え家賃を2,000円見直しても年間24,000円の損失です。
4年間の損失として考えても96,000円です。
もしも同等の物件が市場に多く出回っていて競合しているのであれば、需要そのものの絶対数が少ないといつまで経っても賃貸が付かない可能性が高くなります。
この場合はとにかく早めに動いて条件を他の物件よりも魅力のある条件に変えてしまった方が期間損失を防げるので、トータルでは得をする可能性が高くなります。
③広告料を払う
3つ目は更にちょっとした荒業ですが、ADと言われる広告費を払うのも一つの手です。
これはオーナー側から広告費を客付け業者(賃借人を直接付けてくれる業者)に払う約束をしておくという事です。
通常仲介手数料は1ヶ月分しか取れません。
しかし、募集にかかる広告費(AD)をオーナーから支払う事で、業者は貰える金額が増えます。
そうなると、他の物件よりも先に当該物件を優先して決めようとします。
同じ様な物件をご紹介するのであれば、もらえるお金が多い方が、当然業者としてはいいわけなので、優先して紹介してくれる可能性が高まります。
④リフォームをする
これは簡単なリフォームから、間取り変更を含む大がかりなリフォームまで、様々ありますが、リフォームに関して私はよほどの田舎の物件で、競合が厳しい物件でなければさほど必要性もないし、効果もコストに見合わないことが多いと感じています。
所詮一度でも使えば中古になるわけですから、あくまでも効果は一時的ということになりますし、何よりコストが高いので、このリフォームを使うのは最後の切り札でいいと思います。
マメに情報を更新して、新着情報として多くの方に見てもらえる可能性を高めるなど、タダで得られる効果があるのでしたら、まずはそこからやってみるべきです。
┃まとめ
釣りも短気な人の方が向くといいますが、えさを変え、ポイントを変え、動きを変え、これをどんどんテンポよく動く魚がどれに興味を示すかを想像しながら条件を変更していく方が、魚は釣れるのだそうです。
賃貸の募集はこれに似ています。
前にその賃料で入居者がついたからといって、また同じ条件で必ず付くとは限りません。
変化を嫌って3ヶ月も条件を変えずにただ指をくわえていても、賃貸は付かない可能性が高くなってしまうと考えた方がいいと思います。募集を頼んでいる仲介業者によく話を聞いて条件をこまめに整えて早く賃貸が付いた方が圧倒的に運用は楽になるのです。
都心の好立地の優良物件であれば、こんなにも色々条件を変える必要もなく、ほとんどの場合は労せずとも入居者はつきますが、地方になれば空室率は自ずと上がるので、テコ入れの方法は知っておいて損がありません。