都心部の地価は6年連続で上昇

2019/12/03

ニュース

┃上昇し続ける都心の地価
東京都心部は地価が上昇し続けています。

発表では6年連続の上昇となり、住宅地は2.9%、特に商業地は上昇率が高く6.8%の上昇となっています。

 

 

 

商業地の地価上昇の背景にはホテル需要の増加により、ホテル用地の獲得合戦が繰り広げられており、都心のビッグターミナルや、駅前の好立地エリアでは特に地価の上昇が顕著になっています。

 

 

 

アベノミクス以降、安倍首相の働きかけ等により、海外からの旅行者の数が急激に増え続け、都心や観光地では慢性的なホテル不足になっています。

 

 

 

この流れの中で、マンション用地はホテル用地と建設用地を巡ってお互いに競合する形となり、収益率の高いホテル用地と比べて競合に勝てず、マンション用地は用地の取得が困難になっています。

 

 

 

こうなると、駅前の好立地のエリアにはなかなかマンションが建たなくなるため、立地条件の良いマンションは中古を中心に取引するしかなくなります。

 

 

 

今後もこの流れは継続する傾向が強くみられ、新築の供給戸数が思うようには伸びない以上、中古の市場を下支えする形になりそうです。

 

 
┃23区は建て替えラッシュになる??

 

一方で23区内では、建物の平均の築年数が26.5年となっており、まもなく平均値が築30年になろうとしていいます。

 

鉄筋コンクリート造のマンションは減価償却が47年と法定されているので、築年数の平均から考えると、税務上のメリットがなくなる約20年後辺りには建て替えのラッシュが来るのかもしれません。

 

 

 

建築技術の発展により、建物の耐久性は進化していますし、大規模修繕などの工事の技術も年々よくなっているため、今後平均の築年数が進むにつれ中古マンションの築年数に対する考え方も変わっていくのかも知れません。

 

 

 

そもそも海外のニューヨークや、パリ、ロンドンなどは、石造りの非常に古い建物を長く使っているところが多く、日本の様に築30年だと古いという様な考え方がありません。

 

 

 

池袋サンシャイン60が築41年、恵比寿ガーデンプレイスが築25年、横浜ランドマークタワーが築26年です。

 

おそらくは皆さんの目から見ても、どれも古くて使い物にならない様程の印象はないと思います。

 

むしろ、それだけの築年数が経過していても、メンテナンスが良ければリフォームしながらまだまだ利用価値があるという事がおわかり頂けるのではないでしょうか。

 

当然もっともっと古い建物でも、現役でそのまま現在も使われ続けている建物も多くあります。

 

 

 

特にこの15年程の間に建てられている建築物は材質や耐久性の良いものが多く、六本木ヒルズ等がこの年代に当たります。

 

既に築16年経過していますが、皆さんの印象からいってもその分古くなったという実感はほとんど感じられないのではないでしょうか。今後はこういった質のよい建物が増えていくということです。

 

 
┃中古マンションの市場ニーズが高まる??

 

今後は建て替えが進むにつれて、どんどん程度の良い中古の物件が増えていきます。

 

中古の市場がメインになると、市場はどう変化していくのでしょうか。

 

どんなに欲しくても売りに出されない限りは手に入れることが出来ない中古物件の市場は、市場のニーズが高まるほどに売り手市場になっていく可能性があります。

 

 

 

もしも今後新築の供給が伸びにくい状況が続くのであれば、その様な市場環境になる事も大いに可能性があるのではないでしょうか。

 

 

 

地価が安定して上昇傾向を示しているのはあくまでも都心の23区内が中心です。

 

郊外においてはまだ下落傾向が続いているエリアも存在します。

 

逆に大きく価格を伸ばしている都心のトップエリアは、経済ショック等の外部要因で、その値を大きく崩してしまう可能性もあります。

 

 

 

物件を選ばれる際は、どのエリアがどの様な特性を持っているのか、データを見ながらよく説明してもらいながら検討することをお勧めします。

現在の会社に入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。

現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

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