私たちが不動産事業に従事し始めた頃は、やっとインターネットが少しずつ早くなり普及し始めているところでしたので、インターネットから得られる情報量や、検索能力なども今ほどの高スペックのものはありませんでした。
しかし年々進化し今やネットで不動産を探す、情報を探す、検証すると様々な用途でネットが活用されるようになり、物件検索から契約に至るまで、原則は人に合わずに契約を完結できるものまで現れ始めています。
┃不動産におけるWEB活用の可能性
不動産取引は宅地建物取引業にあたり、宅建業法上、原則として不動産売買はWEB上での契約が現在はできません。
しかし、賃貸は物件選びはもちろん、物件の内覧を希望の際はWEBからご予約をして頂き、現地の鍵ボックスから鍵を取り出して一人で内覧して頂いたり、3Dで取った画像をご覧いただき、内覧を省略できるシステムも出始めています。
現在は国土交通省よりサポートを受けて、WEB上での重要事項説明や契約を数社の不動産業者の方で試験的に始めているという状態です。
ちなみに弊社でも認可を取り試験的に重要事項説明はWEB上で行っております。
不動産取引は基本的に紙面での交付となる契約書や重要事項説明書、パンフレット、ローン関係の書類など、現代の他の商材の取引に比べてもとにかく書類が多いのが特徴です。
不動産業者は5年間取引した書類を保管する義務があるので、大きな会社になると取引件数も多いために書類が収まりきらず、書類保管用の倉庫を別で借りていたりするケースもあるほどです。
いずれこの膨大な書類がなくなったり、保管に手間やスペースが必要になる時代は終わる時がくるのかも知れません。
営業マンとしては直接お客様とお会いしていれば、お勧めのポイントをその場でご説明したり、お客様が迷われた時に背中を押すこともできるので、全てがWEBになるとやりにくいと感じる方も営業マンの中にはおられるかと思います。
ただ、今回のコロナウイルスの蔓延による緊急事態宣言の対策としてWEBでの面談ややり取りは非常に有効な手段となっており、このコロナショックによる影響でWEB上でのお客様とのやり取りの有効性や重要性が見直され、さらに今後その流れを後押しして早めていく可能性が高くなってきています。
今後は売買の契約までWEB上で自由に出来るようになる可能性もあると思います。
高額な商品なので仕組みが出来上がり、汎用的に運用されるにはまだまだ時間はかかると思いますが、基本的には近い将来そういった流れがスタンダードになって来るものと思われます。
┃不動産と他の商品との大きな違い
不動産の場合は、WEB上で購入できるその他の商品とは大きく違う点があります。
勘違いが起きると取り返しがつかないものもあるのです。
不動産は一つとして同じものは存在しません。
WEBで内覧はできたとしても、現地を見なければわからないことが沢山あります。
勾配や臭気、騒音などはその代表です。
3件先の焼き肉屋さんの匂いが強烈だったとしても、WEBでは確認できません。
近所の工場の騒音が大きいとか、電車の騒音だとか、幹線道路の騒音なども確認するのは不可能だと思います。
冷蔵庫を置こうと思ったら横幅は確認したけど上がつっかえて入らないなど、想定できるトラブルは多岐に渡ります。
購入する場合も、借りる場合も契約や引き渡しが終わってからそれに気付くことは大きなリスクです。
┃まとめ
まだまだ課題の多い不動産取引のWEB上の運用ですが、手間がかからず直接現地に行かなくても良いようになったり、より便利になって時間を節約できるとかスペースを使わなくて済むという事に関してはかなり期待感が持てますね。
一方で今後機械が人間の替わりを果たすことにより、人間の仕事が失われていく可能性もあります。
高速道路の料金所や、レストランの会計や注文を受ける人、電車の改札など昔人間がやっていた仕事が機械が行うようになり徐々になくなっています。
不動産も現地を案内しなくても良くなったりで作業が効率化されればその分人件費を節約できるようになり、逆に人は仕事を失い少なくなっていく可能性があります。
インターネットや機械の普及は短所長所がそれぞれあるとは思いますが、エンドユーザーにとっては非常に便利な世の中になっていくということですね。
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