┃株式市場について
日本の日経平均にあたるアメリカの株式相場のNYダウは20年前、約10,000ドルをつけていました。
その後値を上げリーマンショック直前14,000ドルほどだったNYダウはリーマンショックにより、一時は7,000ドルまで相場が下がります。約半分です。
その後は多少の乱高下はあっても順調に価格をのばし、コロナショック直前は28,000ドルを超え30,000ドルに届こうかというところまで来ていました。
その後現在のコロナショックを受け、瞬間的に22,000ドル台まで値を落し、現在(2020年7月5日)は25,800ドルをつけています。
値を落しているとはいえ、リーマンショック直後と比べると株価平均は約4倍弱の価格です。
世界経済の動向でいえば主要各国の相場は大きく見るとほぼ同じ動きです。
世界の株価はリーマンショック後、その平均値を大きく伸ばしました。
コロナショックがあって一旦大きく値を落としはしましたが、落ちた価格の約半分近くまですでに現在は値を戻している所が多くなっています。
いずれにしてもリーマンショック直後の水準からすればかなり株価は高い状態のままです。
20年前の相場と比べて、世界の企業価値を金額になおして考えれば、今の世界の企業の時価総額はとんでもない金額に増えている事になります。
それだけ世に出回っている通貨のボリュームが増えているという事です。
┃アジアの今、そして今後
世の中にお金が沢山溢れるとインフレになります。
現に東南アジアの印象は20年前の姿を知っている人なら全く違うと思います。
観光地や都市機能の発達した大きな都市の物価やホテルなどの価格は、日本とそう変わらないか下手すると日本よりも物価が高い所も出てきています。
現地の方の所得も水準が上がってはいるものの、所得は二極化し一部の高所得者とそうでない方の差が大きくなりつつあります。
ただし所得の高い方は、経済成長が止まったままの日本の富裕層に比べて、急激な経済成長の恩恵を受けて日本とは桁違いの資産を持っている方も多くいます。
今や物価が安いからという理由で日本に旅行に来る方もいるそうです。
人口が年々2%~5%近くも増え、経済成長が著しい発展途上国は当然人が増えると消費も爆発的に増え、生産力や国力もあがっていきます。
都市部は不動産の価格も家賃も年々水準が高くなり、人口がさらに集まる事でインフラ整備のための大きな開発や、鉄道の計画、商業施設やマンションの建設と、年々大きな都市では急速に進化が続いています。
この20年間で日本や欧米に対して中国、インド、東南アジア諸国の経済的なバランスは大きく変わっています。
今後の20年でさらにその関係性やバランスは変わるでしょう。
日本の20年後は2,000万人人口が減っています。
その内高齢者人口は2,000万人程です。
5分の1が高齢者になります。
2040年の予想では生産年齢人口は約6,000万人、現在の8,000万人と比べると約4分の3です。
その時、他のアジア諸国はどうなっているでしょうか。
どんどん消費が下がり、生産力を落とし、伸びしろがなくなった日本に対して、後進国は破竹の勢いで伸び続けています。
20年の時間が経過すると、経済力、国力、消費の面から見ても日本よりも魅力のある国は沢山出てくるでしょう。
インドも中国も人口は13億人、合計すると27億人です。
アメリカの人口は3億人。
皆さんなら携帯電話の会社を作るならアメリカとアジア、どちらを選択しますか?
人口が減っていく日本でも、将来今あるインフラや施設や設備がなくなる訳ではないので、すぐに大きくはその姿が変わる事はないでしょう。
特に都市機能の集中した都心部は人口の減少も少なく、見た目上はしばらくの間はそう変わらない可能性もあります。
しかし、20年前の他のアジア諸国と現在のアジア諸国の状況や環境が全く違うように、20年後のアジア諸国は今とは全く別の次元になっているでしょう。
国の生産力、都市機能、平均所得、物価、消費と全てが今とはなってい比べ物にならないほどの違いができている可能性が高いのです。
世界人口は私が中学生の頃55億人と教わりました。
30年で22億人増え現在は77億人、このままなら2050年代には100憶人を突破します。
アフリカに至っては急激に人口が増えており、現在の倍以上の人口になります。
日本の人口はちょうどその頃1億人を下回ろうとしています。
日本の企業が今後生き残っていくには、効率的で、少人数で高い生産性を持ち、国内だけではなく世界に向けてマーケットをグローバル化できるなどの力を持っている事が生き残っていくための鍵になるでしょう。
皆さんのいる日本の中で起きている事は、決して世界の常識ではありません。
独特の文化を持ち、日本人ならではの気質による世界に誇るべき日本の良い所も沢山あると思いますが、経済成長という面では人口が現在も爆発的に増え、不動産も車も、携帯電話もパソコンもこれからどんどん必要になる高度成長期にある国々の経済成長には決してかなわないでしょう。
今後世界の国のほとんどが経済成長と共にゆっくりとインフレになっていく中で日本だけがデフレという事はまずあり得ません。
世界の人口増加率は平均すると約1%です。
しかし20年経てば20%も増えているのです。
77億人が100憶人になる。
この意味をよく考える必要があります。
そしてそれは決して遠い未来の話ではありません。
皆さんが退職した後の老後、もしくはまだ働き盛りの方もいるでしょう。
その頃、世界経済は?日本経済は?皆さんの状況は?
2000年からの20年間も大きく変わった点は沢山あります。
しかし、ここからの20年はもっともっと変化のスピードが上がるでしょう。