不動産売却の際の税金の考え方

自宅であれ、投資用であれ不動産を売却した際は税金を払う必要があるケースもあります。

どんな場合にどれくらい税金を支払う事になるのでしょうか。

売却時の税金について

不動産を売却すると買った価格から値が上がって売れるケースと、下がって売れるケースがあります。

値が上がった場合、利益が出た分に対して税金を支払うのは理解しやすいと思います。

しかし同じ価格で売れたり、価格が下がっても税金を支払う事になるケースがあります。

まず、不動産は購入した日から5年経過するまでは短期譲渡になります。

5年を超えると長期譲渡という扱いになります。

ここで気を付けなければならないのは、例えば令和1年の10月10日に購入した物件を売却する場合に、令和6年の10月11日になれば長期譲渡になると思っている方がいます。

長期譲渡の扱いになるのは翌年の令和7年1月1日からです。

年度が変わらないと長期譲渡にならないので注意が必要です。

短期譲渡所得税30%住民税9%合計39%課税となります。

長期譲渡所得税15%住民税5%合計20%課税になります。
※別途復興特別所得税2.1%が課税になります。

短期譲渡、長期譲渡というだけで支払う税金が半分近くまで節約できます。

不動産は原則5年以上持つことが必須となるのはこの為です。

これは不動産価格の上昇を抑制する効果があり、不動産バブルが起きにくくする効果があります。

売却時の利益について

では、不動産を売却した事による「利益」とは何を指すのでしょうか。

不動産売却による利益とは価格の上昇の事だけを言う訳ではありません。

不動産は使用している間、建物を時間が経過した分償却したという考え方をします。

例えばマンションであれば鉄筋コンクリート造の場合47年で償却をかけますが、この原価償却した分が利益とみなされます。

仮に毎年100万円減価償却が出ていれば、10年後は1,000万円償却したことになります。

建物を1億円で購入し、1億円で売却をした場合、表面上利益は出ていませんが、減価償却をかけた1,000万円に対して長期譲渡の場合20%の税率で計算した200万円を納税する必要があります。

実際の申告時は入時にかかった諸費用や、売却時に支払った諸費用を経費として利益から差し引いて計算する事になりますので、もう少し支払う税金は少なくなりますが減価償却した分が課税対象になる事をご存じない方はかなりいらっしゃいます。

また、この売却時に大きく価格が下がって売った場合は実質的にも損を出して売る場合もあるわけですが、損をしている物件と利益が出て売却した物件で利益を相殺し、売却時の税金を抑える事もできます。

もし、損切りするつもりの物件があれば利益が出る物件と相殺して売却すれば、支払う税金を抑える事ができます。

相続贈与の場合、売買契約書などがなく、買った価格がわからないという事もありますが、この場合は売却価格の5%分しか購入経費として認められなくなるので95%が利益となり大幅に課税となるので注意が必要です。

この売却時の税金を把握していないと、税金が支払えなくなったり、場合によっては利益が取れると思って売却をしたのに、税金を支払うとほとんど手残りがなかったという場合も出てきます。

売却をする際は、残債や売れる価格だけではなく、売却した時にどれくらいの税金を支払う事になるのかを事前に必ず確認しましょう。

特に売却の際に不動産業者は売ったらいくら税金を払う事になるのかを説明してくれない業者が多い為、自分で税理士などに確認しておく必要があります。
何も知らずに売却を終えてから気付く事にならない様にしましょう。

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現在の会社に入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。

現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

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