投資マンションを購入される際に、「マンションや建物って築何年まで使えるの?」
という質問を受けることがたまにあります。
マンションは大抵鉄筋コンクリート造ですが、俗にRC造ともいわれる鉄筋コンクリート造の建物はいったいどれくらいの期間使うことができるのでしょうか。
よく60年とか、47年という数字でいわれる事が多い鉄筋コンクリート造の建物の寿命ですが、これは減価償却期間が一つの目安とされています。
1998年に鉄筋コンクリート造の建物の減価償却期間はそれまで60年だったものが、47年に変更されました。
13年も大幅に短縮されることになったのです。
この減価償却期間がもとで、鉄筋コンクリート造の建物の寿命は47年とか、60年と言われることが多くなったのです。
┃鉄筋コンクリート造寿命の根拠
しかし、60年という数字にはもうひとつの根拠があったようです。
それはコンクリートの中性化です。
コンクリートは本来アルカリ性です。これが大気中の二酸化炭素の影響などによりゆっくりと中性になり中に入っている鉄筋の錆びを抑制する効果がなくなるといわれています。
この中性化がコンクリート内部の鉄筋の域に達した時点で強度が保証されなくなる為、標準的なRC造の建物を想定すると60年という計算になるそうです。
ただし、このコンクリートの中性化による劣化はメンテナンス次第である程度防ぐことが可能で、延命できるとされており、実際の建て替えの調査においても金銭的な理由や、設備、機能などの問題で建て替えになることはあっても、コンクリートの寿命が理由になる事はまずないとの事。
また国土交通省がまとめた「RC造の寿命に係る既往の研究例」によると、「RC造の建物の物理的寿命を117年」、また「鉄筋コンクリート部材の効用持続年数として、一般建物の耐用年数は120年、外装仕上げにより延命した場合の耐用年数は150年」としています。
みなさんが想像するよりも、建物自体は長く使えるという事になるのではないでしょうか。
┃まとめ
こう見るとコンクリートの劣化というよりは、建物の鉄部の塗装や、建物の機能、デザイン、建蔽率や容積率の変化、用途の変更などの理由による建て替えの方が可能性は高そうです。
実際に古い建物の代表でいえば、国会議事堂は昭和11年(1936年)竣工のRC造の建物です。
現在は築84年が経過していますが、今なお現役で使われています。
建物がどんな形で「寿命」をむかえるかはそれぞれの様ですが、メンテナンスによって大きく寿命が変わることは間違いありません。
きれいに乗っているフェラーリなら、例え何年乗っていても価値は維持できるでしょう。
しかし、どんなに新しいフェラーリでもボロボロなら価値はありません。
要はメンテナンスによってその寿命や価値は大きく変わるということです。
長く使う事を想定した場合にその資産価値を維持するには、大規模修繕工事や管理が何よりも重要になります。
「建物の寿命」を気にするのであれば、立地と管理が何よりも重要です。
特に管理状況や修繕計画やその工事履歴などは中古の物件なら履歴や実績を確認できるので、今後の計画も含めよく内容を確認して購入を検討しましょう。
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