コロナウイルスとオリンピックによる地価変動の実態!?

公示地価の変動

 

コロナウイルスとオリンピックによる地価変動の実態!?

2020年問題と呼ばれることもあった、オリンピック開催後の東京近郊の不動産価格の下落を懸念する問題ですが、2020年中の不動産価格は年中コロナウイルスの影響により経済が大きなダメージを受ける中、東京近郊は平均取引価格をのばしており懸念された大幅な価格の変動の噂は空振りに終わっています。
実際はオリンピック開催が延期されていますので、開催後に変動があるのでは?と懸念する声もありますがオリンピック特需により不動産価格が上昇してきたのであればコロナウイルスにより外国からの観光客が見込めない状況の今は価格が既に変動していてもいいはずです。

コロナウイルスの影響で公示地価に下落傾向が

とはいえ、2021年に入ってからは土地の価格の指標となる公示地価価格には下落傾向がみられている様です。
現在日本で一番地価が下落しているのは大阪の道頓堀
観光客がいなくなり、飲食店などをメインとした繁華街である大阪の道頓堀近辺はコロナ禍にありその商業価値を大きく失い、地価を28.0%も落としている。
東京でもやはり繁華街の代表格である歌舞伎町近隣の地価が10%ほど下落している。
浅草近郊もオリンピック特需を期待して価格を上げてきた反動で、外国人客の流入が期待できなくなった事で人気を落している様です。
東京で最も地価が下がっているのは銀座8丁目。
12.8%と大幅な下落となっている様です。

小売りや飲食業、サービス業などのコロナウイルスの影響をもろに受ける業態の店舗が集まって相場を形成しているエリアについてはかなり大きな影響を受けていると言えそうです。
これをチャンスと見て動く投資家や企業などもいるでしょうから、今後下がり続けることもないのかも知れませんが、コロナショックが営業成績にもろに影響を及ぼすエリアについてはその土地の価値に大きく影響を与えています。

リモートワークなどの影響でリゾート地の地価が上昇

一方で熱海や白馬、軽井沢などはわずかですが地価が上昇傾向にあるとのこと。
上げ幅は1%程度と限定的ですが別荘やセカンドハウスとしての需要が高まっている傾向が見られます。
とはいえこれは長く続いた別荘地の不動産価格の下落により価格が底を打っていてポケットマネーで買える価格になったことによりその反動で買いが入っている可能性もあります。
リモートワークという新しい働き方が平準化されつつあるので、場所を選ばずに仕事ができる様になったことも多少影響しているのかも知れませんが、価格の変動についての影響は限定的であると評価します。
一方で需要や開発が兼ね合って地価が伸びているエリアもあります。

宅配需要による物流施設のニーズ増で地価が上昇

松戸近郊では2018年に東京外環自動車道が開通、松戸インターが使える様になり、さらに大規模な物流センターが建設され近く開業予定となっています。

住宅地としても東京にアクセスが良く、利便性の上昇、開発により需要の高まりと共に地価が10%ほど上昇しています。
景気や経済変動の影響ではなく、本来の不動産に対する需要の高まりによってコロナ禍においても価格を上昇させているエリアはコロナウイルスの脅威が改善されればさらに価格が上昇する可能性もあるかも知れません。
テレワーク導入による巣ごもり需要も一役買っている可能性もあるでしょう。

同様の理由で鶴見近隣地価は11%程度上昇しています。

まとめ

今後コロナウイルスのワクチン接種が進めば安堵感の広がりと共に経済活動も正常化していくのかも知れませんが、不動産市況においても同時にある程度の影響を受ける可能性もあるでしょう。

比較的東京の都心5区においては、繁華街などの商業地にはある程度大きな影響は出ているものの、住宅地においてはさほど大きな影響は出ていません。

今後の市場動向についてはまだら模様となる可能性も予想されていますので、経済やコロナウイルスの鎮静化により全体的に上がる、下がるという事ではなく、エリアごとに情報を取って開発や人口流入数などのリアルタイムに情報収集が必要になる可能性が高くなるでしょう。

 

現在の会社に入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。

現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

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