不動産投資をする際に融資可能額の上限は金融機関の規定により決まります。
例えば、オリックス銀行の場合は年収1000万円を超える給与収入があると原則は年収の12倍までは融資をしてくれます。
自宅のローンが残っている場合にはその残債を差し引く事にはなりますが、社宅に住んでいる等の場合は丸々12倍の1億2000万円までは融資を受けられる事になります。
金融機関はみなさんの事はさほど知りません。
赤の他人です。
大手の上場企業で働いていて、働き盛りの37歳、結婚していて子供もいる。
いかにも身持ちが固く、所得背景などを見ても信用できそうです。
しかし全くの赤の他人で見たこともないのです。
みなさんなら1億2000万円ものお金を金利を付けるとはいえ貸せるでしょうか?
37歳ということは23年働いて60歳までの生涯所得で考えても2億3000万円しか稼がないわけです。
残りの生涯所得の内、1億2000万円だと半分以上を占める金額です。
この1億2000万円ものとんでもない大金を金利1.65%というわずかな金利だけで貸してくれるのです。
しかし、銀行が貸すと言っていても借りる人の心情もあります。
1億2000万円を貸してくれると言われても、「私は2000万円の物件1件でいいです。」
という方も当然いらっしゃいます。
逆に「借りられるなら借りられるだけ目一杯借りたい」という方もいます。
お金を貸すのは金融機関の方です。
融資を受けるということは、お金を出す側の金融機関が一番大きなリスクを抱える事になります。
金融機関は返してもらえないかも知れないリスクを抱えるのですから、元金を回収する必要があるので借りる側よりも貸す側の方が当然リスクは大きいわけです。
投資で小さい金額を借りて運用する方と、大きな金額で運用する方とどちらが大成するかといえばこれはもちろん後者の大きな金額で運用した方です。
大きな金額で運用した方が失敗する確率も同時に下がります。
例えば一件しか所有していない方は運用開始から15年経過して残債が1500万円、売却時の価格が2000万円つけば500万円儲かりますが、手元から物件がなくなります。
こうなるともうこれ以上の利益は期待できません。
しかし、一方の方は同じ物件と他にも3件物件を所有していたとします。
その内一件は残債が2000万円、売却時の価格が2800万円。
別の一件は残債が1900万円、売却時の価格が2600万円だとすると利益は合計1500万円取れる事になります。
この売却時の利益で保有している物件の残債を1件は完済できてしまうので、その後は完済された物件からずっと家賃収入が取れるので時間が経てば経つほどに利益がどんどんさらに増えていくのです。
運用の規模が大きくなると出来る事が増えて運用効率が上がることもあるのです。
上記の様な場合、自分の資金をほとんど使わずに保有している物件の残債を完済することができます。
金融機関が貸してくれると言っている融資の上限金額を聞いても、「自宅のローンが残っているから私は借りられない」とか「大きな金額を借りて万が一を考えると怖くて借りられない」などの理由で融資可能額を使い切れていない方も多いでしょう。
しかし、きちんと価格の付く資産価値の安定して好立地の不動産を選定して購入していれば、皆さんが怖がる様なことはほとんど起こる可能性がありません。
「ローンが返済できなかったらどうしよう?」を心配しなければならないのは金融機関の方です。皆さんではありません。
金融機関は必ず不動産に融資するだけの担保価値があるかどうかを評価した上で、回収できる見込みがあるからこそ見たこともない赤の他人に融資を行っているのです。
融資を受けるという事が投資をする上でどんな効果を生むのか、また融資を受ける事で想像しなければならないリスクを取り違えると、その効果を活かしきれず逆に失敗しやすくなったり、利益を最大化できなくなったりしますのでご注意を。