不動産投資を初めてやってみたいという方はとにかく大きなリスクを避けようとします。
経験したことのない投資をやるわけですから、心理的な圧迫の少ないものを選びたいと思うのも当然です。
しかし投資である以上損をすることもあると考えると、大きな投資の方が大きな損をすると考えがちです。
そうなると、なるべく金額の小さな投資から始めようとする方が多くなるのです。
結果、初心者でよくあるパターンで安い不動産を持とうとします。安ければ損をするとしてもたかが知れていると考えるのです。
ここが不動産投資と普通の投資商品との大きな違いであり、分かれ道です。
そもそも不動産で安い物件というのはどういう物件でしょうか?
安くしないと買い手が付かない、不人気の物件ということです。そうでなければ何か問題を抱えている物件しかありません。
立地が良く、使いやすく、駅から近いまともな物件が安くなることはありません。
安くしなくても買いたい人が沢山いるからです。
九州の福岡ではワンルームマンションが中古なら300万円前後の価格でも買えます。もちろん家賃も3万円台しか取れません。
それでも見た目は利回り10%近い投資に見えるので、安全なのでは?と考えます。
しかし、3万円の家賃の内1万円程度は管理費、修繕積立金の支払いに回ります。
さらに賃貸の管理会社に手数料を5%払うと1,500円のコストがかかるので、この時点で18,500円しか手残りはありません。年間で20万円程度です。
ここで価格が安い物件と好立地の物件と比べて頂きたいのが運用コストです。
例えば、エアコン1台の交換費用はどちらも変わりません。だいたい7万円程度です。
そうなるとエアコンを換えただけで4ヶ月分の家賃が吹き飛びます。給湯器は15万円程度なので8ヶ月分です。
入退去の際の原状回復費用が20万円かかると1年以上の家賃が吹き飛びます。
このリスクは東京都心の物件でも同じです。しかし取れている家賃が高いため、1ヶ月分の家賃で補填できます。
福岡の物件が空室の期間が長くなって1年空いてしまえば家賃も取れません。
その間東京の不動産ならほとんど空室なく運用できます。
私の経験上、初心者が不動産を持ってみて1番利益になることを短時間で実感できる不動産投資は、東京で好立地の40㎡以上の1LDKを所有することです。
当然東京で場所の良い40㎡以上の1LDKなら4,500万円位の金額にはなるでしょう。
5年経過すると長期譲渡となり売却しても20%しか税金はかかりません。
借りている金額が大きいので毎年の返済も大きくなります。
しかしその分返済している金額も大きくなり、年間80万円位のペースでローン残債が減ることになります。
6年経過すれば500万円ほど返しています。
しかし売却するときに空室で売り出すと、買った価格以上で売れてしまうことも多くあり、購入時よりも価格が安くなることはほとんどありません。(あくまでも場所の良い不動産に限ったお話ですが)
この後はいつ売り出しても、残債よりもはるかに高い価格で売れるという実感が持てるので、怖さがなくなります。
結果不動産投資をしていてちゃんと利益になっている実感が持てるので安心できますし、この状態になることが理解できると物件を増やしたくなるのです。
本来なら売却すると家賃を取れる物件が無くなってしまうため、1LDKの物件だけではなく完済するためのワンルームマンションも持ち合わせていく方が良いでしょう。
そうすれば自己資金を使わず売却益を使ってもう一方の物件を完済できます。
不動産投資は「安物買いの銭失い」ということわざの実例の代表格です。ご注意を。