不動産投資以外の年金対策ってどんな方法があるの?(Vol.1)

2019/06/29

年金

┃生命保険で年金対策
年金の対策を立てるのであれば、貯金、株式、投資信託、金等のいずれかの運用で資金を増やして対策を講じる必要があります。

上記の他にも税制面で控除が受けられる商品として、生命保険で積み立てる方法があります。

これは掛け捨てではなく、積み立ての性質のある生命保険、または年金保険等の場合です。

生命保険料控除は各項目ごとに現在(2019年)は4万円ずつ控除が受けられます。

介護保険、一般の生命保険、年金保険です。

それぞれの項目に上限の金額が設けられていますので、上限を超える金額を項目ごとにお支払いの場合は上限以上の金額については節税効果は享受できません。

 

例えば、年金保険をかけていて月々1万円ずつ積み立てているとすると、年間12万円のお支払いです。

しかし、年金保険の控除枠は4万円なので、それ以上の控除は受けられません。

ご自身の所得税率が20%であれば、所得税は8,000円還付されます。

住民税は4,000円減税となりますので、節税効果は12,000円あったことになります。

 

投じた資金が12万円ですから、節税効果を利回り効果として考えるのであれば10%の利回りの投資商品で運用したのと同じ効果があります。

12万円投資して、1万2千円の利益を安定して得られる投資はまずありません。

そう考えると節税オプションのある生命保険は節税になった上に、運用利回りも獲得できるので、少額の投資であれば非常に効果は高いという事になります。

しかし、税控除の上限が低い為、保険の運用効果が低いのであれば、あまり大きな金額を投資しても意味はありません。

 
iDeCoで年金対策

次に節税効果のある商品としてはiDeCoがあげられます。

iDeCoはご存じの方もおられると思いますが、確定拠出型年金の一部です。

そもそも確定拠出型年金とは?

これは別名で401Kとも呼ばれる制度で退職金の運用のシステムの呼び名です。

昔は年金、退職金ともに高度成長期だった日本ではお金の運用が容易だった時期があります。

今の様な低利の預金金利ではなく、バブル絶頂期の預金金利は定期預金でも4%台の金利が付いていました。

しかし、バブル崩壊後、その資金の運用が年々難しくなってきたため、退職金の資金は労使折半で負担していたのです。

例えば会社が2万円、本人が2万円負担して合計4万円を毎月積み立てていて、そのお金を会社が責任をもって退職金の運用をしていました。

しかし、運用自体が難しくなったことで、会社ではその運用の責任を負うのが難しくなってしまったのです。

そこで、会社の負担分を社員に直接支給して、そのお金の運用先は自分で選択できるようになりました。

退職金は自身の責任で運用先を決定し、その運用の責任も自身が負う。

これが確定拠出型年金の仕組みです。

確定拠出型年金のメリットとしては、運用中の配当収入などの利益に対して都度の配当に税金がかかりません。

売却により利益が出ていても税金がかかりません。

当然課税にならない分、運用効率が良くなります。

一方、デメリットとしては解約が原則はできません。

無理やり解約するとペナルティが発生します。

この確定拠出型年金はアメリカの法律の番号で、別名401Kとも呼ばれます。

運用の結果次第では退職金は増えることも、減ってしまうことも当然あるということです。

この確定拠出型年金の制度ができてから、更なる年金事情の悪化や、平均寿命の高齢化もあり、確定拠出型年金を会社の仕組みで積み立てている以外にも個人的に積み増しできるようになりました。

その積み増しの際に、拠出した金額を自身の所得から控除できるようになったのが、iDeCoです。

例えば月々2万円をiDeCoで積み立てたとします。

年間24万円を積み立てることになります。

この24万円を所得から控除することができます。

結果24万円分は所得にならないので、当然所得税、住民税はかかりません。

控除証明書をつけて申告すると、この拠出分の税金が還付、減税されます。

このiDeCoのメリットは運用上の課税がないことと、更に拠出した金額に対しても税控除が受けられ、大きな所得税、住民税の節税メリットがあることです。

デメリットは確定拠出型年金の仕組みなので、解約が原則できないという事です。

iDeCoの拠出金は所得によって金額に制限があるので注意が必要になります。

運用上のリスクは自身の責任なので別としても、税控除が受けられるのは勤労所得がある方にとって大きなメリットがありますし、リスクがありません。

なるべくきちんと退職時の準備を整えたい方であれば、この制度を使わない理由がないと言っていいほど運用上は他の商品にない大きなメリットがあります。

Vol.2に続く。

現在の会社に入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。

現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

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